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カテゴリー > 総合裁判例集 (アーカイブ : 平成28年5月 ; 降順 ; 裁判年月日で整列)

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事件番号/事件名裁判年月日/裁判所判決書
[知財] [民事] 平成25(ワ)15928  643ViewsMoreinfo
損害賠償等請求事件(不正競争・民事訴訟)
平成25(ワ)15928
本件は,原告が,①原告の元従業員である被告Aらが,原告在職中に,被告会社を設立し,原告の取引先である海外のワイン生産者らに対し,原告を中傷した上で被告会社として取引を希望する旨のメールを送ったり,原告における後任者に虚偽の引継ぎをしたりするなどし,原告退職後に,被告会社において,原告と取引関係のあった海外のワイン生産者らからワインを購入した,②被告Aらが,原告の営業秘密たる別紙営業秘密目録記載の顧客名簿(コンピューター内の記録媒体又はその他の電磁的記録媒体に保存された電磁的データ及びこれを出力した印刷物を含む。以下「本件顧客名簿」という。)を不正に取得・使用し,又は被告会社に開示して,本件顧客名簿に記載された顧客に対し,被告会社として営業活動を行い,被告会社も,被告Aらによる本件顧客名簿の不正開示を知ってこれを取得・使用したなどと主張して,被告らに対し,次の各請求をする事案である。
事案の概要
平成28年5月31日
東京地方裁判所
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[知財] 平成27(行ケ)10220  550Views
審決取消請求事件(特許権・行政訴訟/殺傷犯罪防止刃物)
平成28年5月30日
知的財産高等裁判所
詳細/PDF
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[下級] [民事] 平成25(ワ)11451  605ViewsMoreinfo
損害賠償請求事件
平成25(ワ)11451
本件は,原告らが,Xとの間で,Xが所有又は管理する黒毛和種の繁殖牛を購入すると同時にその飼養を委託するという黒毛和種牛・飼養委託契約(牛を購入した顧客を「オーナー」というためこの契約を,以下「オーナー契約」という。)を締結し,一定期間後にXが原告らから同繁殖牛を再売買するという合意のもと,購入及び委託代金を支払ったところ,Xが破綻したために再売買をして代金の支払を受けることができなかったことにつき,①オーナー契約は特定商品預託法4条1項及び出資法2条1項に違反して違法である,又は②Xが原告らに対し,オーナー契約締結時にXが債務超過であることやXが所有又は管理する繁殖牛がオーナー契約頭数を大幅に下回ること等を説明しなかったことが説明義務違反に当たり,①及び②はいずれも不法行為に該当するところ,被告らには,Xの経営に必要不可欠な関連会社として,又はX若しくはその関連会社の役員として,Xの前記不法行為に積極的に加担し,又は援助助長した点に注意義務違反及び任務懈怠があったとして,被告らに対し,共同不法行為(民法719条1項)及び会社法429条1項に基づき(なお,被告K,被告H及び被告Eについては共同不法行為のみ。),別表1の「原告」欄記載の原告ごとの「請求額合計」欄記載の損害賠償及びこれに対するXが民事再生手続開始決定を受けた日の翌日である平成23年9月10日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
事案の概要
平成28年5月30日
大阪地方裁判所 第18民事部
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[下級] [民事] 平成27(ワ)1306  1815ViewsMoreinfo
自動車引渡請求事件
平成27(ワ)1306
本件は,訴外札幌トヨタ自動車株式会社(以下「販売会社」という。)が,訴外A(以下「本件破産者」という。)に対し,別紙物件目録記載の自動車(以下「本件自動車」という。)を割賦販売した際に,その割賦金等債権の担保として本件自動車の所有権を留保したところ(以下「本件留保所有権」という。),本件破産者が割賦金等の支払を遅滞したため,本件破産者の委託を受けて販売会社との間で前記割賦金等の支払債務を連帯保証した原告が,保証債務の履行として販売会社に前記割賦金等の残額を弁済し,法定代位により本件留保所有権を取得したと主張して,本件破産者の破産管財人である被告に対し,本件留保所有権に基づき,破産法65条の別除権行使として本件自動車の引渡しを求めた事案である。
事案の概要
平成28年5月30日
札幌地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成26(わ)81  735ViewsMoreinfo
業務上過失致死傷(認定罪名:業務上過失致死)
平成26(わ)81
本件遊泳場所付近の加茂川は川幅が10m以上あり,その河床は岩や石が散開して平らではなく,こけが生えており,他方で,同被告人らが引率する園児は,いずれも年齢5歳から6歳で,その行動を統制することが容易ではない年齢である上,その遊泳能力も未熟であった。以上の事情の下において,被告人 a と同様の,園児らを引率して前記河川で園児らを遊泳させる幼稚園園長の立場にあった者にとって,同日,加茂川では増水の可能性があることを予見でき,かつ,増水等危難が起きた場合には,園児らを安全に退避させることが著しく困難な状況になることを予見することが可能であった。したがって,前記立場にある被告人 a としては,自ら,あるいは同幼稚園主任教諭b又は同幼稚園年長組担任教諭cに指示するなどして,あらかじめ,河川での遊泳に伴う危険性について十分な知識を習得し,当日の注意報等の確認のみならず,当日の遊泳開始直前までの降水量等を,本件遊泳場所付近のみならず,その上流域についても確認し,増水等危難が生じる可能性を十分に考慮し,遊泳を実施する際は,ライフジャケットを準備して園児らに適切に装着させるなど,園児らの水難事故を未然に防ぐための計画及びその準備を整えるべき業務上の注意義務があった。しかるに,被告人 a は,これを怠り,あらかじめ,河川での遊泳に伴う危険性について十分な知識を習得せず,前記加茂川上流域における断続的な降雨や当日の雷注意報,大雨洪水注意報等をいずれも十分に調査せずにそれらを認識せず,西条市街地及び本件遊泳場所付近で降雨があったことを認識しながら,加茂川の増水の可能性を予見せず,増水等危難は生じないものと軽信し,本件遊泳を実施した際,ライフジャケットを準備せず園児らに適切に装着させなかった過失により,同日午後3時38分頃,本件遊泳場所において,折からの上流における降雨等により加茂川の水位が突如上昇したこと(以下「本件増水」という。)により,同河川内を水から出るため移動中であったA(当時5歳)をして,増水した同河川の水流により下流に押し流されさせ,よって,同日午後4時24分頃,Aを同河川内で溺死させた。(証拠の標目の要旨)※括弧内の甲・弁の番号は,証拠等関係カードにおける検察官・弁護人請求の証拠番号を示す。被告人3名の当公判廷における供述証人B,同C,同D,同E,同F,同G,同H,同I,同J,同K及び同Lの当公判廷における供述H(甲14。不同意部分を除く。)及びM(甲94。不同意部分を除く。)の検察官に対する供述調書司法警察員作成の実況見分調書(甲1,58,71。甲1は不同意部分を除く。)検察官(甲17。不同意部分を除く。),検察事務官(甲32,84)及び司法警察員(甲2,15)作成の捜査報告書住友共同電力株式会社総務環境部長(甲5)及び横浜地方法務局横須賀支局長(甲57)作成の捜査関係事項照会回答書松山地方気象台長作成の捜査関係事項照会書(回答)(甲7,11,80。甲11は添付書面部分に限る。)黒瀬ダム管理事務所長作成の「捜査関係事項照会書について」と題する書面(甲9)司法警察員作成の写真撮影状況報告書(甲59)検察官作成の捜査関係事項照会書謄本(甲95)一般財団法人日本気象協会管理課長作成の「平成28年2月5日付けで,」から始まる書面(甲96。不同意部分を除く。)水辺の安全ハンドブック(写し)(甲93)報告書(弁4,5)(争点に対する判断)訴因変更後の本件公訴事実の要旨は別紙1(添付省略)のとおりである。当裁判所は,被告人 a についてはAの死亡結果と因果関係のある過失が認められるが,ほか2名の傷害結果と同過失との因果関係はなく,被告人b及び同cについては過失が認められないと判断したので,以下,過失判断の前提となる事実関係について検討し(第1,2),この事実関係及び当事者の主張(第3)を踏まえて,予見可能性の有無を検討し(第4),これらを前提として,どのような根拠により検察官主張のうちどの範囲で結果回避義務が認められるかを判断し(第5),各被告人ごとの過失の有無を判断する(第6,7)。第1 前提となる事実関係関係各証拠によれば,次の事実が認定できる(概ね争いがないか,証拠から容易に認定できる。以下,付記した証拠のうち,氏又は氏名及び数字は,供述調書の頁数を指し,被告人c①は第6回公判におけるもの被告人c②は第7回公判におけるものを指す。)。1 被告人らの立場等被告人aは,本件幼稚園教諭,同主任教諭を務めた後,平成18年8月から本件当日の平成24年7月20日を含む同年9月19日までの間(以下,日付は特に断らない限り,平成24年のそれを指す。),本件幼稚園の園長であり,同幼稚園の園務全体を統括する責任者として他の教諭を指揮監督する立場にあり,被告人bは,本件当時,本件幼稚園の主任教諭として,他の教諭に対して指導・助言し,園長を補佐する立場(被告人a1),被告人cは本件当時,年長組の担任教諭であった。また,本件当時,同幼稚園には,幼稚園教諭としての経験の長い順に,N,L,O(パート),K,P(パート)の5名の教諭が在籍し(被告人b4),年長の園児は31名,全児童で100名前後であった。なお,本件幼稚園にはインターネットに接続されたパソコンが1台あり,主に被告人bが使用していた(被告人b6,7)。2 本件遊泳場所付近の状況加茂川は,石鎚山系から山間部を,概ね南方から北方に向けて流れる河川であり,乙は,その右岸(上流から下流を見て右側を「右岸」,左側を「左岸」という。)に面しており,そのやや上流で複数の支流が交わっている(甲1,2)。その流域は石鎚山頂付近を含む山間部で,乙付近での流域面積は約83.86㎢である(甲14〔資料1の3枚目〕)。なお,乙付近より上流域に細野測水所があり,そのやや下流には兎之山発電所維持放流設備及び本流取水堰堤(以下「本件固定堰」という。兎之山発電所に通じる取水口の取水量は最大毎秒3.0㎥)が設置され,維持放流として毎秒0.056㎥が流出されている(弁5)。本件遊泳場所(その状況は,概ね別紙2現場見取図第4図〔甲1添付のもの,添付省略〕のとおりであるが,本件増水前の川幅は同図面よりも狭い。)は,乙西側の加茂川内であり,同所付近の川幅は十数mある。その右岸には,西向きに下る法面に石積みされた護岸堤防があり,南北に2か所,石段が設置され(以下,南寄りのものを「上流側石段」,北寄りのものを「下流側石段」という。),これが乙から加茂川に入る際の経路となっている(甲1)。その左岸には,主要地方道に沿って設置されたコンクリート擁壁との間に河川敷(高水敷)が広がっているところ,河川敷は平坦でなく,河川側から擁壁側にかけて徐々に高くなっており,その高低差は2m以上ある(甲71)。増水していない状態の同所付近の加茂川の水深は,左岸側が浅く,乙側に向けて徐々に深くなっており,右岸沿いは,上流側石段を下りた辺りで2m弱であり,そこから下流側石段に向かって徐々に浅くなってゆき,下流側石段下付近では,大人のくるぶしから膝下程度となっている。また,水流は,右岸側が速く,左岸側が緩やかであり,上流側石段付近の上流側と下流側石段付近の下流側はやや水流が速いものの,両石段の間の流れは全体的に緩やかで,河川敷に近いところは,ほとんど流れがない。両石段の間の河床は,下流側石段下付近には,こけの生えた大きな石が幾つかあって滑りやすい一方,河川敷側は砂利で埋められている。(D2から6)3 一般的な気象情報等気象庁の地方機関で愛媛県を管轄する松山地方気象台は,県内の天気予報,注意報・警報を発表するなどの予報業務や,その前提となるデータ観測等の観測業務などの業務を行っている(E1,2)。天気予報は,県内を東予(四国中央市,新居浜市,西条市,越智郡上島町,今治市),中予,南予の3地方に区分して午前5時,午前11時,午後5時に定期的に発表し,注意報・警報は随時発表していた(E29,31)。降水量の観測等としては,全国約1300か所地点に設置された地域気象観測システム(通称アメダス)において転倒ます型雨量計により0.5mm単位で実測し,それをデータベース化(表示時刻前1時間の降水量)したもの(E3,4),全国約20か所に設置し全国をカバーする気象レーダーによる観測結果から雨粒と推定されるものを選別し,その時刻の雨の強度(その雨雲による1時間当たりの雨量)として1km四方のマス目ごとに表示しデータベース化したもの(E5から8),観測時刻前1時間に積算されたレーダーの強度とアメダス等全国約1万か所の雨量計で実測した降雨量を比較して実際の値に補正した解析雨量を1km四方のマス目ごとに表示しデータベース化したもの(E9から12)などがある。気象庁が開設するホームページには上記気象情報が誰でも無料で閲覧できるよう公開されており,①天気予報は発表時刻になると最新の情報が閲覧でき,②アメダスによる降水量のデータは1時間ごとの値が約10分の時間差で,③気象レーダーによる雨雲のデータは5分ごとの値が約二,三分の時間差で,④解析雨量は30分ごとの値が約20分の時間差で,それぞれ更新されて閲覧できるほか,②は過去のデータも閲覧でき,③④は二,三時間前までのものが閲覧できた。なお,NHKのニュースの際に放送される天気予報においては気象台発表の予報が用いられていた(E18,19)。本件当時,一般財団法人日本気象協会のウェブ・サイトである「tenki.jp」では,気象庁から入手するデータを使用し,アメダスによる降水量(過去12時間から現在まで)については1時間に1回自動更新し,気象レーダーによる雨雲の動き(過去2時間から6時間先の予測まで)については10分間に1回自動更新し,誰でも無料で閲覧することができた(I5,7,甲17)。第2 本件事実経過関係各証拠によれば,次の1ないし4の各事実を認めることができる。1 本件お泊り保育の準備状況,被告人らの役割等本件幼稚園では,平成4年から,乙でお泊り保育を実施しており,その際には,本件遊泳場所において園児らによる川遊びを実施していた(被告人a2)。お泊り保育の準備については,例年,年長園児の担任教諭が担当しており,平成24年度は被告人cが4回目の担当となった。担当者の役割や権限等については明確な定めがなく,スケジュールの作成,保護者への配布文書等の作成,バスの手配,乙との連絡調整,食事の手配や買出し等の準備といったことを担当していた(被告人c①5,8,同a3,同b11)。また,主任教諭は,本件お泊り保育の準備に当たり,担当者に助言するなどの立場にあった(被告人b80,同a22)。お泊り保育の実施についての決定権限は園長にあり,本件以前にお泊り保育や遊泳(水遊び)を中止した際は,園長が主任教諭と相談した上で中止を決定していた(被告人b8,9)。被告人cは,4月上旬に乙に下見に行き,同所までの経路や施設を確認したほか,本件遊泳場所の様子を下流側石段の上から見てこれまでとほぼ変わっていないことを確認した。被告人cは,同月中に,前年度までの例に倣って本件お泊り保育のスケジュールを作り始め,被告人bと話し合いながら案を考えた上,5月頃から週1回程度開かれる職員会議(パート職員以外の教諭及び園長である被告人aが出席)において検討し,最終的には被告人aの了解を得て決定されてゆき,6月19日までに遊泳(水遊び)を含め例年とほぼ同様の活動内容のスケジュールが決定された。被告人cは,これを乙のスタッフに電話で伝え,7月3日にはこれを記載した資料を保護者への説明会で配布した。また,7月14日の職員会議において,例年どおり,本件遊泳場所を前提に(被告人c①4,同②36),本件遊泳中の各職員の役割等について,被告人aが下流側,被告人cが上流側に立ち,その間で園児らを遊泳させ,他の教諭は園児らを見守ることが決定された。なお,年長園児らの約半数は,浮き具なしでは泳げなかった(被告人a36,同c②37)。一方,雨天等の場合はお泊り保育自体あるいはその一部である遊泳(水遊び)や山登りが実施できないため,被告人らにおいても本件当日の天候を気にしていたが,これを確認する担当者や確認方法は決められず,各々が各自で天気予報等を見るにとどまっていた。なお,お泊り保育2日目の山登りの際,石鎚登山ロープウェイで成就社に園児らを引率する予定であったため,被告人cが,本件の約1週間前にインターネットで山の降水量を確認しようとしたこと,石鎚登山ロープウェイの従業員に山の状態を確認したこと(被告人c②57),その後7月19日に乙に電話をして現地の天候や川の様子を聞き,問題ないとの返答を得たこと(被告人c①5から13,同②1から7,31から33,同b9ないし19),被告人bが,7月18日に加茂川上流域にある成就社のアメダスのデータを閲覧したこと(被告人b57,79)があったが,その他に被告人らが本件当日及びその数日前からの加茂川上流域の降水量を確認したことはない。前記一連の職員会議において,川における危険について調査するか否か,川遊びについて増水が起きた場合にどう対応するか,緊急時の退避方法をどうするか,ライフジャケットは持っていった方がよいか,当日の上流域の天候の確認の要否及び確認方法などの話題が出たことはなかった(被告人a4,同b17)。2 本件当日の天候等7月20日,県内は大気が非常に不安定になっていたため,松山地方気象台により県内全域に雷注意報(落雷や急な強い雨に注意を呼び掛ける内容)が発令され,同日午後2時5分から同日午後5時10分までの間,上浮穴郡久万高原町及び伊予郡砥部町に大雨洪水注意報が発令されていた(甲80,E15ないし17,20)。また,同日の東予地方の天気について,午前5時発表の天気予報では「曇り時々雨ところにより雷を伴う」(時々雨とは,5時から24時までの4分の1以上2分の1未満の時間が1時間に1mm以上の雨と予想される場合を指す。)であり,1時間に1mm以上の降水確率は6時から12時が50%,12時から18時が60%,午前11時発表の天気予報では「曇り昼過ぎから夕方雨ところにより雷を伴う」,12時から18時の降水確率が50%と予報されていた(E16,17)。本件当日,本件遊泳場所よりも上流にある石鎚山周辺の加茂川上流域で降雨があり,石鎚山頂周辺では強い雨が降った時間帯もあった。すなわち,本件当日午前10時頃から午後1時30分頃までの間,石鎚山周辺の加茂川上流域付近において,解析雨量で1時間に1mmから30mm程度の降雨(甲84,E12から14)があり,石鎚山成就社(気象庁設置アメダス)では午前9時から午前10時に2.0mm,午前10時から午前11時に3.5mm,午前11時から午後零時に0.5mm,午後零時から午後1時に2.5mm(甲7)の,大平(黒瀬ダム管理事務所設置雨量計)では午後零時から午後1時に1mm(甲9)の,東之川(同事務所設置雨量計)では午前10時から午前11時に3mm,午後零時から午後1時に1mm(甲9)の降雨があった(おおよその位置関係は別紙3「各地点の位置関係」〔甲2添付のもの,添付省略〕のとおりである。)。なお,気象庁においては,1時間の雨量が10mmから20mmを「やや強い雨」(傘をさしていても地面からの跳ね返りで足下がぬれる程度の強さ),20mmから30mmを「強い雨」(土砂降り)と表現している(E14,15)。また,気象台の基準によれば,乙付近の西条市の山地においては,1時間に40mm以上の降雨が予想される場合に大雨洪水注意報が発令される(E20,33)。本件当日の午前中,西条市内にある本件幼稚園付近において十数分程度の降雨があった(被告人c②9)ほか,昼前頃には乙付近においてもまとまった降雨があった(D8,C1)が,その後,被告人らが本件幼稚園から乙に移動する間を通じて晴れており,本件遊泳当時,本件遊泳場所上空は晴れていた(甲15,32)。なお,本件遊泳場所からは,石鎚山山頂を見通すことができない(被告人a7)。3 本件当日の本件お泊り保育及び川遊びの状況本件当日,午後1時過ぎに園児らは本件幼稚園を出発し,同日午後2時23分頃,乙に到着した(被告人b20,甲15)。その頃,同所付近の地面は一部ぬれ(甲15写真番号31),水たまりがあった(被告人c②11)。同日午後2時45分過ぎ頃,園児ら31名は下流側石段から加茂川に入り,水面を横断して河川敷に移動した。同日下見をしたKが川遊びの場所として上流側石段寄りの左岸側がよいと提案したため,一同は移動したが,最終的には本件遊泳場所に引き返し,同日午後3時頃,本件遊泳場所で本件遊泳(川遊び)を開始し,被告人ら8名の教諭が監視をしていた。同日午後3時29分頃,被告人bがすいか割りの準備のために川から上がり,下流側石段を通って乙に向かった。その後,被告人cは,川の中や河川敷で遊んでいた園児らに対し,上がるよう声をかけた(被告人c②14から18)。4 本件増水及び事故発生一方,午前中からの前記降雨等により加茂川の流量は増加し始めており(前日までの降雨の影響は不明である。),本件遊泳場所付近より約2.9km上流にある細野測水所(位置関係は別紙3のとおり)において,加茂川の流量は,本件当日零時から7時10分まで毎秒0.35㎥,7時20分から14時20分まで毎秒0.31㎥であったが,14時30分には毎秒0.57㎥,同40分には毎秒6.67㎥,同50分から15時には7.44㎥,15時10分から同20分には8.25㎥に増加していた(甲2,5)。引率教諭及び園児らは,被告人cの声掛けに応じて,下流側石段に向けて皆ばらばらに加茂川を南西方向から北東方向に斜めに横断し始めていたところ,被告人c,K,Lが上流で茶色の濁水が流れていることを視認した。被告人aが下流側石段を数段上った時,その高さまで水かさが増していたため,川の方を振り返り,Nが連れていた園児らを川から引き上げた。被告人cとPは,園児らを連れ,水から上がるため下流側石段に向かい川の中を移動していた。川幅の中央付近にいたLが水量の増加を察知し,後続の者に河川敷に戻るよう合図をして引き返し,Kも園児らを伴い左岸の河川敷に引き返した。間もなく,被告人cの膝辺りから腰ぐらいまで一気に水かさが増し,同日午後3時38分頃,被告人cと一緒にいたA,Q,Rほか1名は,増水した濁流により流された(K19から26,L11から17,被告人a14から16,被告人c②18から22等)。5 本件濁りの有無及び状況検察官は,Sの供述等に依拠し,同日午後3時10分頃,本件遊泳場所付近において,加茂川の水に濁りがあった旨主張し,弁護人らはこれを争う。Sは,「15時頃から川遊びを始めたところ,15分前後で川底がぼやけて見える程度の白っぽい色で川が濁り出した。川の中にいたのは30分ぐらいで,水かさが増えた気がしたので川から上がった」旨供述する。しかし,その警察官に対する供述調書(弁18)においては,「川で遊び始めて30分くらい経った時,透明だった川の水が少し茶色っぽく濁ったのが分かった。その直後か,少し後だったかはっきりしないが,水位が上がった」旨供述し,また,その検察官に対する供述調書(弁19)では,「川に入って遊び始めてから20分くらい経過した後,それまで透明で綺麗だった川の水が,突然,茶色く濁り始めた。その後,突然川の水かさが増えた」旨供述しており,川の水が濁り始めた時間と同人の行動や増水との繋がりや濁りの色などの重要な点で公判供述と齟齬している。また,本件当日14時59分撮影の写真(甲32写真番号10)による加茂川の水の色と比較すれば,Sが濁ってきたと気付いた時の川の色だと述べる同日15時10分撮影の写真(甲32写真番号39,40)による加茂川の水はやや白っぽい色と見られるが,同日15時3分から6分にかけて撮影された写真(甲15写真番号56ないし59)と比較してより白っぽい色と判断できるまでの違いは見られない。さらに,その後の同日15時16分に撮影された写真(甲15写真番号71及び甲32写真番号41)では,上記各写真よりも川底の石の形状がよく見えており,各写真における加茂川の水の色の違いの有無や,濁りの状況及び原因については不明というほかない。したがって,Sの上記供述の信用性は高いとはいえず,本件当日の写真とS供述を併せ考慮しても,加茂川の濁りの発生時点,範囲及び色等の具体的な状況は不明であり,結局,同日午後3時10分頃,本件遊泳場所付近の加茂川において水の濁りが発生していたと認めることはできない。第3 過失に関する当事者の主張等1 検察官の主張の骨子検察官は,本件お泊まり保育開始前の計画準備段階において,①本件遊泳場所付近において急激な増水を典型例とする河川の変化(増水等危難)が起こり得る類型的可能性があること,当該場所で園児らを遊泳させている際にこれが起きた場合には,園児らを安全に退避させることが著しく困難な状況となり,これにより園児らの生命・身体に重大な危険が及ぶことの蓋然性が高いことの予見が可能であった(以下「計画準備のための予見可能性」という。)上,本件遊泳開始時点において,②客観的に,増水発生の確率・頻度に関して,増水が生じる相当程度の蓋然性があると判断できるから,被告人らは,本件遊泳中に,園児らの生命・身体に害を及ぼす程度の増水が生じることを具体的に予見し得た(以下「遊泳中止のための予見可能性」という。)として,③本件遊泳を中止すべき義務(以下「遊泳中止義務」という。)を負い,④仮に実施するとしても,契約に伴う園児の生命・身体の安全を確保ないしこれに配慮すべき義務及び社会生活上,河川に幼児を引率する者の負うべき安全配慮に関する条理に基づき,被告人らが,本件幼稚園における業務として,ライフジャケット,浮き輪等の用具を準備し,遊泳開始前に装着させる義務(以下「ライフジャケット等装着義務」という。検察官は,平成27年5月7日付け「求釈明に対する回答書(3)」において,公訴事実記載の「準備し」は遊泳開始前に適切に装着させておけば結果回避が可能であるという趣旨であると釈明した。)や,あらかじめ,本件遊泳場所付近を実地調査し,有事の退避方法・経路・場所等を十分に検討・確認し,その情報を引率者及び園児全員に対して周知し,実際に増水等危難が発生した場合には,各園児や各引率者にあらかじめ定めた退避方法等に従って速やかに退避させる義務(以下「退避計画義務」といい,④の各義務を併せて「計画準備義務」という。)を負う旨主張する(本件の事実関係の下では③④の両義務は併存も競合もせず,一方を主位的訴因,他方を予備的訴因として構成すべきと解されるが,審判対象としての特定は十分である。)。2 弁護人らの主張の骨子被告人3名の弁護人らは,予見の対象は一般的な「降雨による増水」ではなく,本件遊泳開始後に,本件遊泳場所を突然襲った「急激な増水」でなければならないが,①本件のような「急激な増水」は専門家にとっても予見が不可能ないし著しく困難であり,幼稚園教諭である被告人らには,その予見はおよそ不可能である,②急激な増水についての具体的な予見可能性がない場合にも「計画準備のための予見可能性」により過失を認めるのは,抽象的な危惧感を前提に予見可能性を認める議論であって失当である,③予見可能性がない以上,遊泳中止義務はないし,④退避計画義務には本件死傷結果の回避可能性がなく,⑤ライフジャケット等装着義務は法令上も条理上も認められない旨主張する。第4 予見可能性について1 増水等が起きた場合の危険性の予見について前記認定事実によれば,本件お泊り保育では,例年どおり,園児を下流側石段を通って加茂川に出入りさせる上,上流側石段と下流側石段の間で川遊びを行うことが予定されていた。そして,被告人らは,これまでの乙におけるお泊り保育の経験等により,前記認定の本件遊泳場所付近の加茂川の河床の状況を知っており,園児らが迅速に移動して川から上がることが困難な箇所があることを認識していた。また,8名の教諭で,5歳から6歳の園児31名を引率する予定であり,園児らの年齢からして行動を統制することが容易ではなく,約半数は浮き具を着けなければ泳げなかった。このことは,本件計画段階において被告人らも認識し又は認識できた。したがって,本件遊泳場所で園児らを遊泳させている際に,ある程度の増水等危難が生じた場合には,園児らを安全に退避させることが著しく困難な状況となり,これにより園児らの生命・身体に重大な危険が及ぶ蓋然性が高いことを容易に予見できた。2 増水等の予見可能性の有無及び内容について前記第1の各事実及び上記1を踏まえ,予見可能性について検討する。まず,本件お泊り保育開始前の計画準備段階における計画準備のための予見可能性について検討する。ア 加茂川の流域には石鎚山付近の山間部が含まれ,本件遊泳場所は複数の支流が交わった場所付近に位置しているところ,これは地図を見れば容易に知ることができる。そして,河川が降雨によって増水することは一般に知られており,被告人3名もこのことを認識していた(被告人a5,同b56,72,同c②46,52)。イ 次に,河川の状況は,周りの環境や気象条件等の影響によって変化しやすく,水量は上流域での降雨に影響され,遊泳場所付近が晴れていたとしても,上流域での降雨により遊泳場所付近で増水が起こることがある(G3から5)。このことは一般的にもある程度知られていると思われる。さらに,本件お泊り保育の準備を行う時点において,公益財団法人河川財団(当時財団法人河川環境管理財団)子どもの水辺サポートセンターがインターネットで公開している「水辺の安全ハンドブック」(当時は2008年版。甲93)には,「今いる場所が晴れていても,上流の雨で一気に増水する可能性がある。急に濁りがでたり枝が流れてきたら注意。」(8頁),「テレビやラジオ,新聞の他,最近ではインターネットや携帯サイトからは狭い地域の天気予報をリアルタイムで手軽に入手できます。これらの情報を活用し,活動する川での天候の変化等を予測できるよう心がけましょう。」,「突然の雷雨など,事前に予測できない気象変化もあります。活動中にも観天望気や気象情報をできるだけ入手し,悪天候が予測できたら,中止又は予定を変更する勇気を持ちましょう」(12頁),「川では今いる場所で雨が降っていなくても,上流で雨が降っていたりダムの放流などの影響で,水嵩が急に増えることがあります。上流側に雨雲が見えたり,雷鳴が聞こえたりした時はもちろんのこと,普段流れてこないペットボトルや流木,落ち葉などが流れてきたり,水が冷たく感じたり,水位が急に低くなった時には迷わず川から離れましょう。」(14頁)との記載があった(G11から14,17)。これが検索エンジンでどの程度上位に表示されるかは不明であるが,法人や情報の性質から,適切な語により検索すれば,同情報に接することは困難でないと推認できる。インターネットを利用できる環境にある一般人が河川の安全について調査すれば,同情報あるいはこれと同様の情報をさほど困難なく知ることができ,被告人らも本件幼稚園のパソコン等により知ることができた。ウ したがって,お泊まり保育開始前の計画準備段階(計画準備義務を履行することが可能な時期)において,被告人らと同様の立場にある一般人であれば,本件遊泳場所付近において,同所付近が晴れていても,上流域の降雨によっては,本件遊泳場所付近において増水するなどの河川の変化(増水等危難)が生じ,水量・流速が増す類型的危険性があることを予見することができた。これは単なる危惧感ではなく,具体的な根拠を伴う危険の予見というべきである。したがって,被告人らは,本件遊泳中に急激な増水を典型例とする河川の変化(増水等危難)が生じた場合,園児らを安全に退避させることが著しく困難な状況となり,これにより園児らの生命・身体に重大な危険が及ぶ蓋然性が高いことを予見できるから,計画準備のための予見可能性については,優に認めることができる。次に, 本件遊泳開始時まで継続したか否か,同開始時に遊泳中止のための予見可能性が認められるかを検討する。ア 前記第2の2のとおりの本件当日の東予地方の天気予報,特に降水確率が60ないし50%であったことや,県内全域に雷注意報が,午後2時5分には久万高原町等に大雨洪水注意報が発令されていたことについては,気象庁のホームページで常に確認することができ,ある程度は新聞やニュース中の天気予報でも知ることができた。そして,本件当日の午前中,本件お泊り保育に出発する前に,本件幼稚園周辺で降雨があり,被告人b及び被告人cはその事実を認識していたし,被告人らが乙に到着した際も地面が一部ぬれ,水たまりがあったから,これらを契機に,被告人らは,本件遊泳開始に先立ち,前記天気予報等を確認した上,又は直ちに,加茂川上流域の降雨について調査することができた。イ 次に,気象庁のホームページを閲覧すれば,本件当日,石鎚山頂付近において1時間に1mmから30mm程度の降雨があったこと,例えば,気象庁のホームページ内の「愛媛県内の気象レーダー画像(石鎚山付近)」(甲11の別紙6,7。ただしホームページにより閲覧した場合には画像枠内に同書面よりも広範囲の地域が含まれるものとなる。)を閲覧すれば,本件当日午前10時の気象レーダーによる雨量を示す画像には,画像の中央付近,すなわち石鎚山に近い位置に40mmを越える地点を含む部分があり,同日11時の画像においても同所付近には強い降雨があることを認識することができた。また,「tenki.jp」のウェブサイト中「愛媛(松山)の過去の天気」(甲17別紙資料10)の画像を閲覧することにより,石鎚山付近に降雨(25mmを示すものが含まれる)があり,本件当日午前9時,10時,11時までの各1時間の雨量(気象レーダー)について,その頃から各2時間後までの間であれば,その状況を知ることができた。そして,被告人らは,本件お泊り保育に出発する前までは本件幼稚園にあったパソコンを用いて知ることができ,その後も引率者の一人であるOがスマートフォンを所持していたから,本件遊泳開始時までに,これらを閲覧して知ることができた(被告人b7)。なお,気象レーダー及び解析雨量のデータベースについては過去2時間程度のものしか閲覧することができないが,適時に調査すれば閲覧できる以上,予見可能性の判断に際しては,全時間帯のデータを利用できるものとして考慮されるのは当然である。ウ 以上によれば,被告人らは,上流域の天候を調査すれば,本件遊泳開始時までに,本件遊泳場所の上流域において,少なくとも前記イ程度の降雨があったことを知ることができた(ただし本件遊泳場所上流の加茂川流域内における正確な降水量までは知ることができなかった)と認められる。また,前記 のとおり,被告人らは,本件お泊り保育の計画準備段階から,本件遊泳場所の上流域における天候について調査し,増水等が発生する危険性を予見すべき義務を負っていたことも明らかである。したがって,園児らに死傷結果を及ぼすような増水等危難の予見可能性は,計画準備義務を何ら果たしていない状況及び ア・イの事情の下では,高まりこそすれ消滅することはなかったと認められる。この点,弁護人らは,乙の従業員らを含め誰も本件増水を予想していなかったことを指摘し,どこに,どれだけ雨が降れば急激な増水となるか,その基本データはどこかにあったのかと疑問を呈し,気象や防災,水文学の専門家でない幼稚園教諭である被告人らには急激な増水は予見できなかったと主張する。しかし,通常人において,前記イ程度の本件当日の石鎚山頂付近での降雨を認識した場合,加茂川の変化を何ら気にすることなく,何ら安全配慮のための準備をすることなく園児らを遊泳させても安全であると認識するのが通常であるとは到底思われないし,降雨が認識可能であり判断基底に含まれることは前記のとおりであるから,本件遊泳場所の上空が晴れていたことや乙従業員も増水を予見せず,何ら注意喚起がなかったことなどの事情を踏まえても,前記予見可能性が失われることはなく,弁護人ら指摘の点は,計画準備のための予見可能性を否定するものではないというべきである。しかしながら,前記認識可能な天気予報の内容,降雨状況や本件当日の上流域の天候に照らせば,被告人らと同様の立場にある一般人がこれらを調査し認識したとしても,本件遊泳場所付近において,予定していた本件遊泳時間中に,どのような態様の増水が,どの程度の蓋然性(確率)で生じるかについてまで明確に予測することは困難であって(専門家についても本件後に加茂川での降雨による増水の到達時刻等を解析したものは証拠として提出されているが,本件当時に解析されていたとの証拠はない。),通常人であれば遊泳すること自体を直ちに断念するような,気付いてからでは退避できない態様の増水(本件増水は,本件濁りが認められない以上,このような態様の増水であったと認められる。)が相当程度に高い蓋然性で発生するといった予見は不可能であったというべきである。そして,お泊り保育やそれに伴う遊泳には,園児らにとって相応の教育的な意義があることも否定できない。そうすると,危険を許容できる程度まで減少させるための措置を義務付けることはあり得るとしても(抽象的には種々想定できるが,検察官が計画準備義務以外には主張しないので具体的な検討はしない。),この程度の予見可能性に基づいて,直ちに遊泳中止を義務付けることは困難であるというべきであり,検察官が主張するような,遊泳中止のための予見可能性を認めることはできない。3 予見可能性に関する弁護人らのその他の主張について予見の対象について,弁護人らは,遊泳開始時までに「降雨による増水」が認められれば被告人らは本件遊泳を実施することはなく,本件は本件遊泳開始後,急激な増水があったためであるから,本件のような「急激な増水」についての具体的な予見可能性が必要であり,これがない場合に予見可能性を肯定すれば,その内実は抽象的な危惧感を前提に予見可能性を認めるものであって失当である旨主張する。これは,増水が急激でなければ特段の措置がなくとも増水に気付いてから園児らを退避させることができたことを暗黙の前提に,それができないような急激な増水が因果関係の基本的な部分として予見できることが必要であるとの主張とも考えられる。しかしながら,業務上過失致死傷罪における予見の対象は死傷の結果であり,注意義務が問題とされる時点によって,その時点において認識可能な結果発生の危険の内容・性質(危険性の結果への実現過程を含む)には差があり,現に結果を発生させた事象が発生する蓋然性の高さを予見可能性の有無・程度として捉えるならば,問題とする時点によってこれに差があることは当然であるし,想定される結果回避措置との関係においても,求められる予見可能性の内容や程度には差があるというべきである。そして,園児らを安全に退避させることが相応に困難になるような河川の変化(増水等危難)が予見可能であれば,それに備えた計画準備を行った上で遊泳を実施することが期待できるのであるから,計画準備義務との関係では,弁護人らの主張するような「急激な増水」は予見の対象とならないというべきである。弁護人らの主張は採用できない。また,本件増水と本件固定堰との関係について,弁護人らは,本件増水の原因が,加茂川上流域で降った雨にあるとしつつ,本件固定堰があり,ここに越流が生じて本件増水に至ったことで本件遊泳場所付近における流水量増加の程度が急激なものになったと主張する。本件固定堰の構造上,流量が大きく増加している時点で上流からの流水が堰を越えることになった場合,大きな流量の水が下流に向かうこととなるため,越流が生じる時点の流量の如何により,本件遊泳場所付近における流水量増加の程度が左右されることは否定できない(H44,45)。しかしながら, し,本件増水の原因が加茂川上流域で降った雨にあると認められる以上,本件固定堰の影響は前記2の予見可能な危険の範囲内にあるというべきであるから,予見可能性の有無は左右されない(なお,本件固定堰は従前から設置されており,本件遊泳場所付近における増水は,本件固定堰より上流域からの増水である限り本件固定堰を越流するという過程を経て生じることになるから,当然に予見可能な経過であるし,本件増水をなしたピーク流量伝播過程において本件固定堰が及ぼした影響が大きいとは認められない〔H39〕。)。第5 結果回避義務について本件事実関係及び前記予見可能性を前提として,被告人らが,業務として,計画準備義務を負うか否かを検討する。(なお,想定できる結果回避措置は複数あり得るが,予見可能な危険性を回避できるのであれば,どの措置を選択しても差し支えない。例えば,数日前から当日直前までの降水量等を,当該遊泳場所のみならずその上流域についても詳細に確認し,降雨がなく,降水確率も極めて低いなど,計画準備のための予見可能性が現実化しない事実関係が確認できた場合にのみ遊泳を実施し,それが確認できない場合には遊泳を実施しないことも結果を回避するための合理的な方法の一つとして想定できる。しかし,無視できる程度に危険を低下させるより小さな義務付けがあり得る場合,遊泳中止まで義務付けることはできないと解される。)1 結果回避義務の根拠本件幼稚園は,年長園児31名の保護者から登園契約により委任(準委任契約と考えられる)を受けて幼児を保育しており,かかる契約に付随して,幼児の生命身体に対する安全を確保すべき義務がある。そして,本件お泊り保育の川遊びは,本件幼稚園の園外活動として行われる以上,その活動の際にも同様の安全を確保すべき義務がある。なお,幼稚園の園外保育において遊泳を行う場合の安全措置に関するガイドライン等の主張立証はなく,結果回避義務の具体的内容は,上記契約関係から直ちに導くことはできないため,予見可能な危険との関係で,条理上義務付けることのできる内容を検討する。2 計画準備義務についてまず,前記内容の増水等危難の予見可能性が認められる以上,本件遊泳場所での川遊びを実施する際,かかる危険を防止するための措置に思い至るため,あらかじめ河川での遊泳に伴う危険性について十分な知識を習得する義務を負うというべきである。次に,水難事故防止にライフジャケットが有効であることは常識に属する上,前記「水辺の安全ハンドブック」には「一見穏やかに見える流れも,川底の影響で流水は一定ではない。川の事故の約90%はこの穏やかな流れで発生している。近寄るときはライフジャケットを必ず着用するぐらいの心構えを。」(8頁),「服装&装備」として「水に入る場合 ・ライフジャケット:必ず着用する。体重の10%の浮力を持つものが適当。」(11頁)との記載があり,通常人においてこれを着想する契機がある。そして,園児らがライフジャケットを適切に装着していれば,頭部等が水面上に浮上した状態を維持することができ,溺死や溺水による傷害を防ぐことができる蓋然性が高いと認められるから,園児らの溺水による死傷結果についての結果回避可能性はあると認められる(G10,11)。ただし,園児らがライフジャケットを適切に装着していた場合であっても,増水に流されるなどする際,河床や河川内の岩石等に接触することなどにより軽微な傷害結果を負うことはあり得る。したがって,かかる傷害の回避可能性には疑いが残るから,この義務は,かかる機序による傷害を防止するために義務付けられるものではないというべきである。また,本件当時,財団法人河川環境管理財団(当時)の子どもの水辺サポートセンターでは,ライフジャケットの貸出業務を行っていたこと,適切なライフジャケットの装着方法を園児に指導すること自体は比較的短期間で習得可能であり,そのような者を確保した上で,同センターに申し込めば,僅かな送料負担のみで園児の人数分のライフジャケットを調達することができたと認められる(G15,16。このことは同センターのホームページを通して知ることができた。なお,通常の浮き輪等の利用は,増水等危難に対する結果回避措置として社会通念上相当とは認めがたい。)。そうすると,これを義務付けたとしても,前記の類型的危険性に比して過大とはいえない。以上によれば,本件幼稚園としては,前記計画準備のための予見可能性がある以上,増水による危険を防止できる措置として,ライフジャケットを準備し,その予見可能性がより高まっていた以上,本件遊泳を実施するに際し,ライフジャケットを園児らに適切に装着させる義務(以下「ライフジャケット準備装着義務」という。)を負っていたというべきである。これに対し,弁護人らは,河川法では,自己責任の下で自由使用の原則があるためライフジャケットの着用義務を法的に定めることはできない旨主張する。しかしながら,河川は,自然公物たる公共用物であり,河川法の自由使用は私人と行政法上の公物管理責任との関係についての概念であって,河川の利用者の自由な使用に伴う危険について,契約等に基づき保護者から委任を受けて幼児の保育を行う者が,その河川での活動に際し,前記危険を回避するために私法上又は刑法上の注意義務を負うこととは何ら齟齬しない。また,弁護人らは,一般人や他の幼稚園においても,川遊びの際ライフジャケットを装着させておらず,条理・社会通念上,その装着が義務付けられるものではないとも主張する。この点,一般人が自己又は法定代理人の判断としてライフジャケットを装着せずに川遊びをする場合,その危険を自ら引き受けることが許されるのは当然であり,本件と比較する対象とならない(お泊り保育の参加に当たり,保護者らが「同意書」〔被告人c①別紙1〕を提出しているとしても,その記載や事前の説明内容に照らし,園児や保護者らはその危険を引き受けていない。)。そして,情報環境が相当程度整備されている近年においては,ライフジャケットの装着をいとうのであれば,上流域の天候等を直前まで調査し,降雨がある場合には念のため遊泳を中止するなど,他の選択肢が複数あり得ることは前述のとおりであり,ライフジャケットの装着が社会的な共通認識とはいえないことは,これを義務付けることの障害にならないというべきである。また,既知の危険であるが発生確率がそれほど高くない場合において,回避措置をとらない者が多いことを理由として,安全配慮の義務を負う者が結果回避義務を免れることもない。次に,退避計画義務について検討する。ア 前記のとおり,本件当日午後3時10分頃,本件遊泳場所付近の加茂川の濁りが発生したとは認められないところ,その他に退避行動をとる契機となる予兆について検察官は具体的に主張立証しない。イ したがって,河川の濁りの変化等を感知して,水の濁り等の増水の予兆が認められた場合には直ちに遊泳を中止して退避する義務,園児の遊泳範囲を園児であっても有事に迅速な移動が可能な水深の浅い範囲に限定させる義務,あらかじめ,本件遊泳場所付近を実地調査し,有事の避難方法・経路・場所等を十分に検討・確認し,その情報を引率者及び園児全員に対して周知し,実際に増水等危難が発生した場合には,各園児や各引率者にあらかじめ定めた退避方法等に従って速やかに退避させる義務については,仮にそれを履行したとしても,園児らが本件増水により流されることとなった疑いを否定できず,結果回避可能性があったと認めることはできない。(本件と異なり,退避計画義務を履行して結果発生の危険性を相応に低下させていたが,増水が特に「急激」であったことにより奏功せず,園児が流され死傷した事案であれば,過失責任を問うためには「急激な増水」であることといった,現に予見していた事情を基礎に含めた上で,予見した危険を越える危険性の予見可能が問題となる。)ウ 以上のとおり,検察官の主張する退避計画義務については結果回避可能性がなく,その違反による過失を認めることはできないというべきである。第6 各被告人の注意義務の有無1 被告人cについて前記認定事実によれば,被告人cは,本件お泊り保育の担当者であり,その具体的計画を立案するに当たり,園児らの安全に配慮して計画を立案すべき注意義務を負っていたというべきである。しかしながら,前記事実関係に照らせば,お泊り保育の担当者が分掌していた職務内容は,飽くまでも,例年どおりの枠組みの中で,お泊り保育を実施することを前提として,その活動細目の決定や準備に関するものに限られており,その余の事項については,本件幼稚園の園務全体を統括する園長である被告人aを含む教諭らが構成する職員会議において検討され,決まっていくことが予定されていた。そして,従前,お泊り保育や遊泳を中止する際の決定は園長が主任教諭に相談して判断しており,その前提情報でもある上流等の天候について調査すべき役割を被告人cが分担したといった事情は見当たらない。したがって,被告人cには,退避計画義務のような個々の活動の実施細目に当たるものでない限り,例年の安全配慮とは異なる安全面の検討を行うべき職務は分担されていなかったと認められる。そして,実際,被告人a自身,被告人cが例年どおりに計画準備を進めるだけであることを認識していたのであり,ライフジャケットを準備することが決まれば担当するのは被告人cであると述べながらも,そのような決定はなかった,最終的な判断は被告人aにあると述べ,被告人cがかかる職務上の義務を負うことを否定している(被告人a84)。また,本件事実関係の下においては,被告人aと被告人cとの間には安全配慮に関する前提事実について情報格差もなかったと認められる。そうすると,被告人cは,職員会議における被告人aの決定に対して更に安全配慮についての進言をすべき義務もなかったというべきである。2 被告人aについて前記1によれば,被告人aは,ライフジャケット準備装着義務を内容として含む安全配慮義務の職務,権限を本件幼稚園の教諭らに委ねていなかったこととなるから,本件幼稚園において,この義務を負うのは被告人aであるというべきである。実質的に見ても,これまでも,お泊り保育や遊泳の中止を決定していたのは園長であり,上流域の降雨により本件お泊り保育や本件遊泳を実施するか否かの決定に影響があることからして,明確に分掌されていない以上,その判断の基礎とすべき情報の収集は園長の職務というべきである。3 被告人bについて被告人aが前記義務を他の教諭に分掌させていなかったことは前記のとおりであり,被告人bには,被告人cに対する助言等の義務はない。また,被告人bは,主任教諭として,被告人aを補佐する立場にあったと認められるが,本件お泊り保育の計画準備の内容は,園長である被告人aを含め他の教諭が出席する職員会議の了解を経て決定され,被告人aと被告人bとの間に情報格差はないこと,その他,主任教諭が本件お泊り保育に関し具体的にいかなる事務を分掌していたかを明確に示す証拠もないことに照らすと,被告人bが被告人aに対し,ライフジャケット準備装着義務に関し進言する義務を負っていたと認めるには合理的な疑いがあるというべきである。第7 注意義務違反と本件死傷との因果関係等被告人aがライフジャケット準備装着義務を怠ったことは明らかであるところ,本件事実経過の下において,被告人aがAにライフジャケットを適切に装着させる義務を果たしていなかったことにより,本件増水により同児童が流され,溺死したと認められるから,被告人aの過失と同児童の死亡との間に因果関係があることは明らかである。一方,ライフジャケット準備装着義務は溺水以外の機序による傷害を回避するために課されるものではなく,これを適切に装着していた場合であっても,増水により流される際,河床や河川内の岩石等に接触することなどにより全治約1週間程度の頭部皮下血腫や左肘擦過傷等といった比較的軽微な傷害が生じることは十分にあり得ることから,Q及びRが負った各傷害については,被告人aの上記義務違反により生じたと認めるには合理的な疑いが残る。よって,前記2名の傷害に関し,被告人aに業務上過失致傷罪は成立しない。第8 結論以上のとおりであるから,被告人aには,ライフジャケット準備装着義務違反によりAを死亡させた業務上過失致死罪が成立する。他方,被告人aについて,ライフジャケット準備装着義務以外の義務違反による過失責任に係る点及びライフジャケット準備装着義務違反の過失により「Q(当時6歳)及びR(当時6歳)をして,増水した同河川の水流により下流に押し流されさせ,よって,その頃,前記Qに加療約1週間を要する頭部皮下血腫等の傷害を,前記Rに加療約1週間を要する左肘擦過傷の傷害を各負わせた」点については,犯罪の証明がないこととなるが,これらの点は,Aを死亡させた業務上過失致死罪と1個の行為によるものとして1罪の関係にあるから,主文において無罪の言渡しをしない。被告人b及び被告人cについては,本件公訴事実について犯罪の証明がないこととなるから,刑事訴訟法336条により,いずれも無罪の言渡しをする。(法令の適用)省略(量刑の理由)本件は,幼稚園のお泊り保育の川遊びにおいて,増水により被害園児が流され溺死した事案である。
事案の概要
平成28年5月30日
松山地方裁判所
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[行政] 平成23(行ウ)764  467ViewsMoreinfo
障害厚生年金支給停止処分取消請求事件
平成23(行ウ)764
右脛腓骨開放性粉砕骨折の負傷による傷病により障害厚生年金の支給を受けていた者に対してされた,その障害の状態が障害等級3級に該当しなくなったとして同年金の支給を停止した処分が,同処分がされた前月の時点で,上記負傷を原因として神経損傷等を生じ,これにより神経障害性疼痛を有していたことなど判示の事情の下において,同人の障害の状態が障害等級3級に該当していたとして,違法とされた事例
裁判要旨
平成28年5月27日
東京地方裁判所
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[知財] [民事] 平成26(ワ)10534  706ViewsMoreinfo
契約金返還等請求事件(不正競争・民事訴訟/筋力トレーニング方法)
平成26(ワ)10534
本件は,(1) 原告サーナアルファが,被告に対し,同原告によるVRC法の実施は,被告が同原告に提供した不正競争防止法2条1項7号所定の営業秘密の不正使用又は不正開示に当たらないとして,同原告のVRC法の実施行為について,被告が同原告に対して同法3条1項に基づく差止請求権及び同法4条に基づく損害賠償請求権を有しないことの確認を求めるとともに,同原告が被告と締結した契約(後に定義する原告サーナアルファ契約)は,錯誤により無効(民法95条)である旨主張して,不当利得返還請求権に基づき,同原告が上記契約に基づいて被告に支払った金員相当額合計304万9570円及びこれに対する平成26年10月29日(訴状送達の日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,(2) 原告Aⅰが,被告に対し,同原告が被告と締結した各契約(後に定義する原告Aⅰ各契約)は,いずれも錯誤により無効(民法95条)である旨主張して,不当利得返還請求権に基づき,同原告が上記各契約に基づいて被告に支払った金員相当額合計728万2608円及びこれに対する平成26年10月29日(訴状送達の日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。
事案の概要
平成28年5月27日
東京地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成27(わ)655  546ViewsMoreinfo
強盗殺人被告事件
平成27(わ)655
被告人が,闇金業者である被害者から借り入れていた約200万円の債務の返済を免れるため,被害者の頭部をガラス製灰皿で殴るなどして殺害し,同暴行終了後,被害者所有の現金約135万円を強取した強盗殺人被告事件において,被告人に無期懲役を言い渡した事例
判示事項の要旨
平成28年5月27日
広島地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成27(う)1190  537ViewsMoreinfo
殺人,死体遺棄,詐欺,窃盗被告事件
平成27(う)1190
被告人Aが被害者の首を絞めた後被告人Bが更に被害者の首を絞めて殺害したとして最後にとどめを刺した者が明示されている殺人罪の共同正犯の訴因において訴因変更手続を経ることなく被告人Aのみが被害者の首絞め行為を行ったと認定したことが被告人Aの関係で違法とされた事例
判示事項の要旨
平成28年5月26日
大阪高等裁判所 第1刑事部
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[知財] [民事] 平成28(ネ)10002  702ViewsMoreinfo
証書真否確認等請求控訴事件(著作権・民事訴訟)
平成28(ネ)10002
本件は,控訴人らが,被控訴人らに対し,控訴人会社とエイベックス・エンタテインメント株式会社(AEI。被控訴人ADの旧商号)との間の2012年(平成24年)12月1日付け著作権譲渡契約書(本件契約書。その写しは別添のとおり。)は,被控訴人らの従業員らによって偽造されたものであるとして,本件契約書の成立の不真正の確認を求めるとともに,被控訴人らの従業員らによる本件契約書の偽造という不法行為について,被控訴人らは使用者責任を負うとして,民法709条,715条1項本文,723条に基づき,控訴人会社に対する損害賠償金80万9000円及びこれに対する遅延損害金の連帯支払並びに控訴人らに対する当該不法行為により棄損された名誉を回復するための措置としての謝罪広告を求めた事案である。
事案の概要
平成28年5月26日
知的財産高等裁判所
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[知財] [民事] 平成25(ワ)33070  482ViewsMoreinfo
特許権侵害行為差止等(特許権・民事訴訟/農産物の選別装置)
平成25(ワ)33070
本件は,発明の名称を「農産物の選別装置」とする特許権(以下「本件特許権1」という。)及び「青果物の内部品質検査用の光透過検出装置」とする特許権(以下「本件特許権2」という。)を有する原告が,被告によるイ号物件及び別紙ロ号~ホ号物件目録記載の各製品(以下,それぞれを「ロ号物件」などという。)の製造及び販売が本件特許権1を,ロ号物件,ニ号物件,ホ号物件及び別紙へ号物件目録記載の製品(以下「ヘ号物件」という。また,ロ号~へ号物件を併せて「被告製品」という。)の製造及び販売が本件特許権2をそれぞれ侵害すると主張して,被告に対し,①特許法100条1項,2項に基づきイ号物件の生産等の差止め及び廃棄等を,②本件特許権1及び2の侵害に係る民法709条,特許法102条2項に基づく損害賠償金2億2062万円又は民法709条,特許法102条3項若しくは民法703条に基づく損害賠償金若しくは不当利得金の一部である5000万円,並びに,これに対する特許権侵害行為の後の日(訴状送達の日の翌日)である平成25年12月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
事案の概要
平成28年5月26日
東京地方裁判所
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[知財] [民事] 平成26(ワ)28449  674ViewsMoreinfo
特許権侵害差止等請求事件(特許権・民事訴訟/自動車ラジオ用共振型アンテナ装置)
平成26(ワ)28449
本件は,原告が被告に対し,被告による被告製品の生産等が原告の特許権の侵害に当たる旨主張して,特許法100条1項及び2項に基づき被告製品の生産等の差止め及び廃棄並びに製造装置の廃棄を,民法709条及び特許法102条3項に基づき損害賠償金2473万2061円及びうち450万円に対する訴状送達の日の翌日(特許権侵害行為の後の日)である平成26年11月11日から,うち2023万2061円に対する平成27年11月10日付け訴えの変更申立書送達の日の翌日である平成27年11月17日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
事案の概要
平成28年5月26日
東京地方裁判所
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[知財] [民事] 平成27(ワ)21613  568ViewsMoreinfo
損害賠償等請求事件(特許権・民事訴訟/麺線製造法及び麺線)
平成27(ワ)21613
本件は,発明の名称を「麺線製造法及び麺線」とする特許権を有していた原告が,被告によるパスタ麺(以下「被告製品」という。)の製造行為が上記特許権の侵害に当たると主張して,被告に対し,民法709条及び特許法102条3項又は民法703条及び704条に基づき,損害賠償金又は上記特許権実施料相当額の利得金4億0831万3400円及びこれに対する不法行為又は利得の後の日である平成19年3月5日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金又は利息の支払を求める事案である。
事案の概要
平成28年5月26日
東京地方裁判所
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[最高裁] [刑事] 平成26(あ)1105  1465ViewsMoreinfo
業務上過失致死傷被告事件
平成26(あ)1105
ガス抜き配管内で結露水が滞留してメタンガスが漏出したことによって生じた温泉施設の爆発事故について,その建設工事を請け負った建設会社における温泉一次処理施設の設計担当者として,職掌上,同施設の保守管理に関わる設計上の留意事項を施工部門に対して伝達すべき立場にあり,自ら,ガス抜き配管に取り付けられた水抜きバルブの開閉状態について指示を変更して結露水の水抜き作業という新たな管理事項を生じさせたこと,そして,同作業の意義や必要性を施工部門に対して的確かつ容易に伝達することができ,それによって爆発の危険の発生を回避することができたことなどの本件事実関係(判文参照)の下では,被告人には,同作業に係る情報を,建設会社の施工担当者を通じ,あるいは自ら直接,本件温泉施設の発注会社の担当者に対して確実に説明し,メタンガスの爆発事故の発生を防止すべき業務上の注意義務があった。
(補足意見がある。)
裁判要旨
平成28年5月25日
最高裁判所第一小法廷
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[行政] 平成28(行コ)20  440ViewsMoreinfo
療養給付不支給決定取消請求控訴事件
平成28(行コ)20
1 健康保険の被保険者である会社の代表者が負傷に関して療養の給付を受けた場合において,次の(1)から(3)など判示の事情の下では,代表者に対してされた療養の給付の不支給決定に裁量逸脱の違法があるとはいえない。
(1) 代表者の負傷は避難道路整備工事に従事していた際の事故によるものであり,健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が規定する「業務外の事由」による負傷に該当しない。
(2) 「法人の代表者等に対する健康保険の適用について」と題する通知(平成15年7月1日保発第0701002号・厚生労働省保険局長通知)は,被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって,一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については,その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても,健康保険による保険給付の対象とする旨定めている。
(3) 本件会社の健康保険の被保険者は,事故当時,5人であった。

2 健康保険法1条(平成25年法律第26号による改正前のもの)が,法人の代表者等の業務上の事由による負傷等を保険給付の対象としていないことは,憲法14条及び25条に違反しない。
裁判要旨
平成28年5月25日
東京高等裁判所
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[行政] 平成27(行コ)380  539ViewsMoreinfo
所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成24年(行ウ)第799号)
平成27(行コ)380
米国法人の関連会社である日本の証券会社等の従業員らが,米国法人から報酬として付与されたいわゆるストック・ユニットの転換日の到来により,米国法人の株式を取得して経済的利益を受けた場合において,ストック・ユニットが米国法人に対してその株式の支払を求めることのできる権利であり,当該権利は転換日が到来した以降は取り消されることがなくなり,従業員らは転換日以降その履行を求め得ることになったなど判示の事情の下では,証券会社等が不正防止等を目的として別途定めた有価証券取引制限期間内であったために従業員らの転換日における上記株式の他への譲渡が制限された状況にあったとしても,当該経済的利益については,転換日に収入の原因となる権利が確定したというべきであり,その給与等の収入すべき日は転換日である。
裁判要旨
平成28年5月25日
東京高等裁判所
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[下級] [民事] 平成27(ネ)468  807ViewsMoreinfo
損害賠償請求控訴事件
平成27(ネ)468
本件は,刑事事件の被疑者・被告人として,愛知県警察A警察署の留置施設に留置された後,名古屋拘置所に移送された控訴人が,①控訴人は,上記留置施設に留置中,施設外の病院で眼科の医師の診察を受け,糖尿病等の疑いがあり,場合によっては失明の可能性もあるので,大規模病院で診てもらった方がよい旨告げられたにもかかわらず,同行したA警察署の警察官には,控訴人に大規模病院での検査・治療を受けさせなかった過失があり,A警察署長には,拘置所の職員に上記施設外の病院での診察結果を正確に伝えなかった過失があるなどとし,②名古屋拘置所の職員たる医師には,控訴人が左眼の痛みを訴えるなどしていたにもかかわらず,控訴人に眼科の医師の診療を受けさせなかった過失があるなどとした上,これらの結果,控訴人が糖尿病網膜症により左眼を失明するなどした旨主張して,被控訴人らに対し,国家賠償法1条1項に基づき,連帯して損害賠償金6898万5298円及びこれに対する不法行為後の日である平成23年7月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うよう求めている事案である。
事案の概要
平成28年5月25日
名古屋高等裁判所 民事第4部
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[知財] [民事] 平成27(ワ)8517  686ViewsMoreinfo
特許権侵害差止請求事件(特許権・民事訴訟/畦塗り機)
平成27(ワ)8517
本件は,発明の名称を「畦塗り機」とする特許第5706569号の特許権(以下「本件特許権」といい,その特許を「本件特許」という。また,本件特許の願書に添付した明細書を図面と併せて「本件明細書」という。)を有する原告が,別紙被告製品目録記載1のあぜぬり機(以下「被告製品1」という。)は,本件特許の願書に添付した特許請求の範囲(以下,単に「特許請求の範囲」ということがある。)の請求項1ないし同4(以下,単に「請求項1」などということがある。)記載の各発明(以下,これらをまとめて「本件各発明」といい,個別には,請求項の番号に応じて,「本件発明1」などという。また,本件特許のうち本件各発明に係るものを「本件発明1についての特許」などということがある。)の技術的範囲に属し,また,被告製品1の一部を構成するために用いられる別紙被告製品目録記載2のディスク(以下「被告製品2」という。)は,本件各発明の実施品である被告製品1の「生産にのみ用いる物」(特許法101条1号)に当たるから,被告が被告製品1及び同2(以下,両者を併せて「被告各製品」という。)を製造し,販売し,販売のために展示し,又は販売の申出をすることは本件特許権を侵害し又は侵害するものとみなされる行為であると主張して,被告に対し,特許法100条1項に基づき,被告各製品の製造,販売,販売のための展示及び販売の申出の差止めを求めるとともに,同条2項に基づき,被告各製品の廃棄を求めた事案である。
事案の概要
平成28年5月25日
東京地方裁判所
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[行政] 平成27(行ウ)414  513ViewsMoreinfo
固定資産税都市計画税賦課処分取消請求事件
平成27(行ウ)414
宗教法人が納骨堂として使用している土地及び建物(いずれも処分行政庁が非課税とした部分を除く。)は地方税法348条2項3号所定の「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地」に該当しないとしてされた固定資産税及び都市計画税の賦課処分につき,納骨堂の使用者については宗旨宗派を問わないとされているのみならず,建物においては,前記宗教法人以外の宗旨宗派の僧侶等が主宰する法要などの儀式行事が行われることが許容され,その場合,使用者は前記宗教法人に対して施設使用料を支払うこととされ,実際にも,それが例外的とはいえない割合で行われており,前記宗教法人は,使用者を委託先の会社を通じて広く募集していることなど判示の事情の下においては上記の要件に当たるとは認められないとして,前記処分を適法とした事例
裁判要旨
平成28年5月24日
東京地方裁判所
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[下級] [民事] 平成25(ワ)5530  727ViewsMoreinfo
損害賠償請求事件
平成25(ワ)5530
本件は,A市立B中学校(以下「被告中学校」という。)のバドミントン部(以下「本件バドミントン部」という。)に所属していた原告が,部活動中に熱中症にり患し,脳梗塞を発症した(以下「本件事故」という。)のは,指導教諭等による熱中症予防対策が不十分であったことによるなどと主張して,被告中学校を設置する被告に対し,国家賠償法1条1項による損害賠償請求権に基づき5639万4916円及びこれに対する平成25年6月9日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
事案の概要
平成28年5月24日
大阪地方裁判所 第20民事部
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