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カテゴリー > 総合裁判例集 (アーカイブ : 平成30年7月 ; 降順 ; 裁判年月日で整列)

裁判年月日順 | データ登録日順 | 参照数順

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事件番号/事件名裁判年月日/裁判所判決書
[行政] 平成29(行コ)283  478Views
所得税更正処分取消等請求控訴事件
平成30年7月19日
東京高等裁判所
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[知財] 平成29(行ケ)10234  383Views
審決取消請求事件(意匠権・行政訴訟)
平成30年7月19日
知的財産高等裁判所
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[知財] 平成29(行ケ)10174  370Views
審決取消請求事件(特許権・行政訴訟/遊戯装置,およびその制御方法)
平成30年7月19日
知的財産高等裁判所
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[知財] 平成30(行ケ)10029  345Views
審決取消請求事件(商標権・行政訴訟/2ちゃんねる)
平成30年7月19日
知的財産高等裁判所
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[知財] 平成30(行ケ)10028  339Views
審決取消請求事件(商標権・行政訴訟/2ch)
平成30年7月19日
知的財産高等裁判所
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[知財] [民事] 平成30(ネ)10018  273ViewsMoreinfo
特許権に基づく差止等請求控訴事件(特許権・民事訴訟/自動麻雀卓)
平成30(ネ)10018
本件は,名称を「自動麻雀卓」とする発明に係る特許権(特許第4367956号。「本件特許権」又は「本件特許」)を有する控訴人が,原判決別紙被告製品目録記載の各自動麻雀卓(各被告製品)は本件特許の請求項1に係る発明(本件発明)の技術的範囲に属すると主張して,被控訴人に対し,特許法100条1項及び2項に基づき,各被告製品の輸入,販売等の差止め及び各被告製品の廃棄を求めるとともに,民法709条に基づき,損害賠償金408万円及びこれに対する不法行為の日以後である平成29年2月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
事案の概要
平成30年7月19日
知的財産高等裁判所
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[知財] [民事] 平成30(ワ)6484  352ViewsMoreinfo
発信者情報開示請求事件(著作権・民事訴訟)
平成30(ワ)6484
本件は,レコード製作会社である原告らが,自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ,氏名不詳者において,当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録・蔵置し,インターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインターネット接5続サービスを経由して自動的に送信し得る状態にして,原告らの送信可能化権を侵害したと主張して,被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,上記氏名不詳者に係る発信者情報の開示を求める事案である。
事案の概要
平成30年7月19日
東京地方裁判所
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[知財] [民事] 平成29(ワ)9989  326ViewsMoreinfo
商標権侵害行為差止等請求事件(商標権・民事訴訟)
平成29(ワ)9989
本件は,妊産婦用商品の製造販売を業とする原告が,育児用品等の製造販売を業とする被告が,別紙被告商品パッケージ目録記載の各商品パッケージ(以下,番号に応じて「被告商品パッケージ1」などといい,被告商品パッケージ1及び被告商品パッケージ2を併せて「被告各商品パッケージ」という。)を商品パッケージとする妊産婦用腹帯(以下,商品パッケージが被告商品パッケージ1である妊産婦用10腹帯を「被告商品1」,商品パッケージが被告商品パッケージ2である妊産婦用腹帯を「被告商品2」といい,上記各商品を併せて「被告各商品」という。)を販売する行為に関し,以下の請求をする事案である。
事案の概要
平成30年7月19日
大阪地方裁判所
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[行政] 平成29(行ウ)112  253ViewsMoreinfo
上陸基準省令違反処分取消等請求事件
平成29(行ウ)112
本件は,原告が,名古屋入国管理局長(以下「名古屋入管局長」という。)から平成29年8月24日付けで,平成29年法務省令第19号による改正前の25「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」(平成2年法務省令第16号。以下「上陸基準省令」という。)の表の「法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第1号ロに掲げる活動」の項の下欄16号の表のヲに掲げる外国人の適正な技能実習を妨げる不正行為(以下「ヲ号不正行為」という。)を行ったと認定したなどとの通知(以下「本件通知」といい,本件通知に係る認定を「本件認定」といい,両者を併せて「本件通知等」という。)を5受けたところ,本件通知等は行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(以下「行政処分」という。)であるとして,主位的に本件通知の取消しを,本件通知が行政処分に当たらない場合に予備的(第1次)に本件認定の取消しを,本件認定も行政処分に当たらない場合に予備的(第2次)に原告がヲ号不正行為を行っていない10ことの確認を求める事案である。
事案の概要
平成30年7月19日
名古屋地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成29(わ)1483  300Views
住居侵入,器物損壊
平成30年7月19日
名古屋地方裁判所 刑事第1部
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[下級] [刑事] 平成29(う)249  301Views
業務上過失致死
平成30年7月18日
福岡高等裁判所 第1刑事部
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[知財] [民事] 平成30(ネ)10010  328ViewsMoreinfo
特許権侵害差止等請求控訴事件(特許権・民事訴訟/加熱処理システム,加熱調理器および換気ファン装置)
平成30(ネ)10010
本件は,発明の名称を「加熱処理システム,加熱調理器および換気ファン装置」とする発明についての本件特許1(特許第3797900号)に係る本件特許権1及び発明の名称を「加熱調理器」とする発明についての本件特許2(特許第3797904号)に係る本件特許権2並びに本件各特許権に基づく被控訴人(一審被告)に対する一切の請求権の譲渡を受けたと主張する控訴人(一審原告)が,被控訴人(一審被告)の製造,販売する被告製品A(原判決別紙1被告製品目録A記載の各製品)及び被控訴人が過去に製造し,販売していた被告製品B(原判決別紙2被告製品目録B記載の各製品)につき,①被告各製品(被告製品A及びB)は,本件発明1-1(本件特許1に係る本件明細書等1の特許請求の範囲の請求項1記載の発明)又は本件発明1-2(同請求項5記載の発明)の技術的範囲に含まれる物の生産にのみ用いる物であるから,被控訴人が被告各製品を製造し,販売する行為は本件特許権1を侵害するものとみなされる行為である(特許法101条1号),②被告各製品は,本件発明1-1又は同1-2の技術的範囲に含まれる物の生産に用いる物であってこれらの発明の課題の解決に不可欠なものであるから,被控訴人が本件発明1-1及び同1-2が特許発明であることを知りながら被告各製品を製造し,販売する行為は本件特許権1を侵害するものとみなされる行為である(特許法101条2号),③被告各製品と別紙訂正後被告製品目録C記載の各レンジフードファン(以下,併せて「対応レンジフードファン」という。)とを併せた加熱調理システムは,本件発明1-1又は同1-2の技術的範囲に属するから,被告各製品と対応レンジフードファンを併せて販売する行為は本件特許権1を侵害する行為である,④被告各製品は,本件発明2-1(本件特許2に係る本件明細書等2の特許請求の範囲の請求項2記載の発明)又は本件発明2-2(同請求項4記載の発明)の技術的範囲に属するから,被控訴人が被告各製品を製造し,販売する行為は本件特許権2を侵害する行為である,と主張して,被控訴人に対し,①特許法100条1項に基づき,被告製品Aの製造及び販売の差止め,②同条2項に基づき,被告製品Aの廃棄,③特許権侵害の不法行為による損害賠償請求権(対象期間は,平成19年1月1日から平成28年12月31日までである。また,本件特許権1の侵害を原因とする損害賠償請求と,本件特許権2の侵害を原因とする損害賠償請求とは,選択的併合の関係にある。)に基づき,損害賠償金6億6000万円(逸失利益8億8500万円の一部である6億円及び弁護士費用6000万円)及びこれに対する不法行為後の日である平成29年4月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
事案の概要
平成30年7月18日
知的財産高等裁判所
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[知財] 平成29(行ケ)10114  350Views
審決取消請求事件(特許権・行政訴訟/ICU鎮静のためのデクスメデトミジンの用途)
平成30年7月18日
知的財産高等裁判所
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[下級] [刑事] 平成29(わ)714  360Views
保護責任者遺棄,同致死(予備的訴因重過失致死),死体遺棄被告事件
平成30年7月18日
大阪地方裁判所 第15刑事部
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[下級] [刑事] 平成30(わ)65  363ViewsMoreinfo
建造物侵入,現住建造物等放火未遂被告事件
平成30(わ)65
被害ビル内で飲食店を経営する被告人が,同店従業員と共謀の上,同店の火災保険金を取得しようとして,同ビルに侵入し,同店舗付近の通路にガソリンをまいた上で火を放ったものの,スプリンクラーの放水によって消火され,同ビルの焼損には至らなかった建造物侵入,現住建造物等放火未遂被告事件において,被告人に懲役6年を言い渡した事例
判示事項の要旨
平成30年7月18日
札幌地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成27(わ)793  277ViewsMoreinfo
所得税法違反被告事件
平成27(わ)793
本件各公訴事実の要旨は,被告人両名が共謀の上,平成22年分ないし平成26年分の被告人N1の所得税の各確定申告(以下,これらの確定申告を併せて「本件各申告」という。)において,いずれも総所得金額を偽り,正規の所得税額等と申告税額との差額(ほ脱税額合計約3億2000万円)を免れたとするものであり,検察官は,建設業者等から被告人らが所属する暴力団組織に対して上納された金銭のうち被告人N1に分配される金銭をもって被告人N1のほ脱所得に当たると主張している。これに対して,被告人両名の弁護人らは,検察官がほ脱所得と主張しているものは,被告人N1の所得ではなく,被告人両名が所属する暴力団組織のものであるから,被告人N1は,本件各申告において虚偽過小の申告をした事実はなく,被告人両名はいずれも無罪である旨主張している。第2 前提事実証拠によれば,前提事実として,以下の事実が容易に認められ,当事者も争っていない。1 暴力団N3會と被告人両名の地位等N3會(以下,時期名称を問わないときは単に「N3會」という。)は,北九州市a 区に主たる事務所を,北九州市,中間市,行橋市,豊前市及び宮若市に事務所を置く指定暴力団である。平成12年1月,四代目N3會が発足したが,その際,序列1位の総裁にN5(以下「N5」という。),序列2位の会長に被告人N1が就任し,平成15年2月には服役を終えたN6(以下「N6」という。)が序列3位の理事長に就任した。平成20年7月1日にN5が死亡し,平成23年7月には五代目N3會が発足したが,その際,総裁に被告人N1,会長にN6,理事長にN7(以下「N7」という。)が就任した。被告人N2は,平成16年12月にN3會事務局長,平成17年12月にはN3會総務委員長に就任し,N3會の資金全般の管理を任されていた。2 被告人N1による本件各申告等被告人N1は,平成23年2月16日に平成22年分の所得税について別紙2の,平成24年3月6日に平成23年分の所得税について別紙3の,平成25年3月5日に平成24年分の所得税について別紙4の,平成26年3月13日に平成25年分の所得税について別紙5の,平成27年3月9日に平成26年分の所得税について別紙6の,それぞれ各申告額欄のとおり記載された確定申告書をいずれもN4税務署長に対して提出した(本件各申告)。本件各申告では,いずれも不動産賃貸料等による不動産所得が申告され,平成23年分については,それに加えて,不動産の譲渡に伴う分離課税の所得も申告されているが,その他に所得の申告はない。被告人N1の本件各申告については,被告人N2が,知人の保険事務所経営者に関係資料を渡し,同経営者において,会計データを作成するなどした上,税理士又は税理士法人に確定申告書の作成を依頼し,完成した確定申告書を受け取った前記保険事務所経営者が,これを税務署に提出する方法により行われていた。被告人N2は,平成22年分から平成25年分の確定申告については,確定申告書の提出前に,前記保険事務所経営者が作成した会計データに基づき,被告人N1に申告予定の内容を報告していた。3 被告人両名の逮捕等被告人N1は,別事件により平成26年9月11日に逮捕された後,所得税法違反事件により平成27年6月16日に逮捕され,一方,被告人N2は,所得税法違反事件により同日逮捕され,以後,被告人両名については,身柄を拘束され,接見等が禁止された状態が続いている(なお,被告人N2は,弁論終結後である平成30年4月5日に保釈許可決定に基づき釈放された。)。本件各申告に関しては,国税当局により,被告人N1が保有していた銀行口座に対して,合計8億1847万2500円の預貯金の差押えがされ,国税の徴収は確保されている。4 被告人N2の管理口座(N8銀行関係)被告人N2は,N3會の活動に関して,以下のとおり,遅くとも平成17年5月30日以降,被告人N2及びその親族の名義で,株式会社N8銀行に開設された複数の口座を管理していた。具体的には,①平成17年5月30日以降被告人N2名義の記号番号××-××の口座で管理していた貯金の残高のうち1億円を除いた2957万6122円を同年9月2日にN9名義の記号番号××-××の口座に移し,その後,同口座で管理していた貯金の残高全額(1億4283万2566円)を平成19年8月1日にN10名義の記号番号××-××の口座に移し,同口座で管理していた貯金の残高のうち236円を除いた1億0644万4000円を平成20年7月7日に引き出すまで,これらの口座を一連のものとして管理しており(以下,①の各口座を併せて「第1系列口座」という。),②平成17年5月30日以降N11名義の記号番号××-××の口座で管理していた貯金の残高のうち515円を除いた52万6000円を平成24年5月30日にN10名義の記号番号××-××の口座に移し,その後,同口座で管理していた貯金の残高のうち1102円を除いた5012万6000円を同年11月1日に被告人N2名義の記号番号××-××の口座に移し,これらの口座を一連のものとして管理しており(以下,②の各口座を併せて「第2系列口座」という。),③平成17年5月30日以降N12名義の記号番号××-××の口座で管理していた貯金の残高全額(3億2868万9101円)を平成20年9月1日にN10名義の記号番号××-××の口座に移して,これらの口座を一連のものとして管理していた(以下,③の各口座を併せて「第3系列口座」という。)。第3 争点に対する判断検察官は,N3會に上納された金銭のうち被告人N1に分配される収入を被告人N2が第2系列口座に入金して管理していたと主張しており,被告人両名の弁護人らは,この金銭は,被告人N1の分配収入ではなく,N3會の金銭であると主張しているので,争点は,第2系列口座に入金された金銭が実質的にみて被告人N1に帰属するか否かである。以下,検討する。1 第1系列口座ないし第3系列口座の入金状況等第1系列口座ないし第3系列口座は,いずれも被告人N2及びその親族の名義で被告人N2が管理する口座であったところ,証拠によれば,平成17年5月30日以降の各口座の入金状況について,次のような傾向が認められる。まず,平成20年6月30日以前についてみると,第1系列口座ないし第3系列口座には,いずれも1回につき10万円程度から1000万円を超える金額が頻繁に入金され(同じ日に複数回入金されていることもある。),入金額は年間合計で数千万円ないし数億円の規模に及んでいるが,その入金のほとんどは,いずれも同一の郵便局においてほぼ同時刻か十数分以内の差で行われており,口座ごとの入金額の比率は,ごくわずかの例外を除き,第1系列口座,第2系列口座,第3系列口座の順に3対3対1となっている。次に,平成20年7月1日以降についてみると,第1系列口座への入金はなくなる一方で,第2系列口座及び第3系列口座へは,それ以前と同様に,いずれも1回につき10万円程度から1000万円を超える金額が頻繁に入金されており,入金額は年間合計で数千万円ないし数億円の規模に及んでいるが,その入金のほとんどは,いずれも同一の郵便局においてほぼ同時刻か十数分以内の差で行われており,かつ,第2系列口座と第3系列口座への入金額の比率の多くが5対1,それ以外も第2系列口座が概ね3ないし6に対し,第3系列口座が1となっている。このように,被告人N2が管理していた第1系列口座ないし第3系列口座,あるいは第2系列口座及び第3系列口座には,頻繁に高額の金銭が入金されていたところ,同一機会に各口座へ一定の比率で繰り返し入金がされているという特異な入金状況があることに照らすと,N3會の経理全般の責任者である被告人N2が,N3會に関して得た巨額の金銭を何らかの明確な目的・法則の下で継続的に管理していたことが推察される。2 N3會の経理及び第3系列口座の管理状況等証拠(項目ごとに掲記する。)(記載省略)によれば,次の事実が認められる。N3會の経理全般の状況N3會には複数の二次団体が存在し,これらの二次団体は,各組員から徴収する運営費のほか,飲食店等から受け取るみかじめ料を収入として活動を行っているが,幹事と呼ばれる役職以上の組員からは,二次団体に納める運営費とN3會に納める運営費(月1万円の共済費を含む。以下「會運営費」という。)を併せて徴収していた。N3會には,組織全体の経理を含め,その運営に関わる事務作業全般を扱う事務局が設けられており,事務局には複数の事務局員が所属している。被告人N2は,遅くとも平成16年12月以降,N3會事務局長ないしは総務委員長として,事務局を統括し,経理全般の責任を負う立場にあった。N3會事務局は,毎月9日の事務局会議と呼ばれる場において,各二次団体が徴収した會運営費を集めていたところ,毎月集められる會運営費の合計額は,多いときには2000万円を超えていたこともあったが,平成23年以降は1500万円を下回ることも少なくなかった。被告人N2は,その中から長期服役者のための積立金として一定額を取りのけた上で,N3會事務局の手持ち現金として500万円を事務局員に預け,その残りのうち,概ね250万円を共済金として株式会社N13銀行の被告人N2名義の預金口座(以下「N14口座」という。)に入金し,その余をN15信用組合北九州支店に開設された被告人N2の親族名義の預金口座(以下「N16口座」という。)に入金するなどして管理していた。そして,事務局員は,被告人N2から預かった500万円の現金でN3會本体の運営に必要な光熱費等を支出し,それが不足すると被告人N2に補填を依頼しており,被告人N2は,100万円単位の現金をN16口座から引き出すなどして準備し,事務局員に渡していた。N3會の運営に必要な経費としては,前記の積立金や共済金のほか,他団体との慶弔費,N3會内の祭事の費用などがあり,それらを含めると毎月2000万円ないし2500万円程度に及び,會運営費のみの収入では到底賄えない状態が続いていた。⑵ 第3系列口座の管理状況等被告人N2が管理する第3系列口座については,平成17年5月30日から平成26年12月末までの間,44回の出金がある(出金後数日内に出金額と同額が同口座に戻されているものを除く。)が,このうち34回の出金(合計7億3200万円)については,概ね出金後数分から1時間以内に,同額又はその大部分に当たる金額(合計6億4560万円)がN16口座に入金されている。つまり,被告人N2は,第3系列口座内の金銭を,いったんN16口座に移してから,前記のとおり100万円単位でこれを引き出し,N3會の経費に充てていたものであるが,第3系列口座から出金した現金を自宅の金庫にプール金として保管したり,このプール金をN16口座へ入金することもあった。このように,被告人N2は,第3系列口座に入金された金銭を,N16口座や自宅金庫を経由するなどして,N3會の経費のために利用していた。3 N3會に対する上納金の存在とその分配状況等N3會に対する上納金一般ア 証拠によれば,N3會は,従来より,二次団体の組長や仲介者を経由するなどして建設業者,ぱちんこ店等の事業者から,事業活動を行うことを容認するなどといった名目で金銭を受け取ってきたこと(以下,このような趣旨でN3會に供与される金銭を「上納金」という。),このうち建設業界では,遅くとも平成8年頃以降,少なくとも平成23年頃まで,下請けに入った建設業者が,受注金額に一定の比率を乗じた額の上納金をN3會に支払ってきており,この金額は少なくとも年間数千万円に及ぶものであったことが認められる。イ この点に関し,N17(以下「N17」という。)は,捜査段階において,N18のN19(以下「N19」という。)から,回数としては20回くらい,金額としては合計数億円のみかじめ料を受け取っているほか,N19以外にも,建設関係,土木関係,解体関係の業者の窓口となり,それらの業者から数え切れないくらいの回数みかじめ料を受け取っており,その合計金額は数十億円にはなると思う,これらのみかじめ料はすべてN3會に上納していたと供述しているところ(甲214・N17の検察官調書),被告人両名の弁護人らは,①甲214号証は,刑訴法321条1項2号前段の供述不能の要件を欠くもので,これを証拠採用した決定は違法であるから,証拠排除されるべきである,②甲214号証において,N17が,これまでN19からみかじめ料を20回くらい受け取っており,その金額の合計は数億円であった旨述べている部分については,結論のみを語っており,結論を導く具体的な事実を供述しておらず,信用できないなどと主張している。①については,N17は,当公判廷において,建設業者からみかじめ料を受領していたこと自体は証言したものの,その回数や総額については答えたくないと述べて,一貫して証言を拒絶しているのであって,供述不能の要件を満たしている。②については,N3會二次団体の組長であるN17が,捜査段階であったとしても,被告人N1やN3會にとって不利益となるような虚偽の供述をするとは考え難く,また,その内容も,N3會が組織として継続的に多額のみかじめ料を二次団体を経由するなどして建設業者から受け取っていたとする具体的なものであり,DやHの供述とも符合していることから,信用性に疑念は生じない。よって,被告人両名の弁護人らの主張は採用できない。N3會における上納金の管理・分配状況ア H供述の概要Hは,甲239号証(別事件の公判廷における尋問調書)及び期日外尋問において,次のように供述している。「平成一桁の頃から当時N3會N20組のN21(以下「N21」という。)と付き合いがあり,N21の周りで動く中で,建設会社等から上納金を回収し,被告人N1,N6,N21に届けるという形でN3會の資金調達に関わったことがある。最初に上納金の仲介をしたのは平成13年頃で,N18のN19から話があり,大手ゼネコンから総額30億円の工事を下請けするため,その0.5パーセントの現金をN3會に持って行ってほしいと依頼された。N21にこれを報告し,その指示に従い,被告人N1の自宅に行き,被告人N1に対し,『上納金のパーセントでございますが,0.5パーセントでいかがでしょうか。』と話をしたところ,『馬鹿。0.5じゃなくて1パーセントだ。』と言われたため,その旨N19にも伝え,その後,N19の自宅で30億円の1パーセントに当たる3000万円くらいの現金を受け取って,被告人N1の自宅へ持って行き,被告人N1に直接渡した。その後,平成19年までの間,建設会社から現金を受け取ってN3會に渡すという仲介をしていた。本来であれば,N21に現金を渡すべき立場だったが,当時,N21が病気で動けない状況だったので,N21に直接現金を渡したのは数回だった。平成15年2月にN6が出所してすぐにN3會理事長になってからは,被告人N1の指示でN6に渡すようになった。平成13年頃から平成19年までの間に,被告人N1とN6にそれぞれ五,六回上納金を渡した。業者から預かったお金がある程度まとまったところで被告人N1やN6に渡しており,渡した上納金の額は1回当たり1000万円から数千万円であった。上納金の金額は,工事代金総額に対して,建設工事については10億円未満の場合3パーセント,10億円以上の場合1パーセント,土木工事については2パーセント,解体工事については3パーセントだった。上納金の仲介をした業者は,N18以外に二,三社あった。上納金を渡す手順は毎回同じで,建設業者から上納金の仲介を頼まれた場合,業者の名前,工事の場所・金額,建設か土木かの種別を被告人N1に報告していた。建設業者から回収した現金は,銀行の帯封は外して輪ゴムで100万円単位にして,手提げ袋や紙袋に入れて被告人N1の自宅に持参し,自宅の1階奥の応接室で,現金を紙袋のまま渡していた。被告人N1は,中から現金を取り出してテーブルの上で総額の確認をした後,『この1割がN3會のやけの。この3割は総裁のやけの。これは俺ので,これはN21のやけの。』などと言いながら,現金を四つの山に分けていた。全体を10とすると,N3會が1,総裁のN5が3,会長の被告人N1が3,みかじめ料をもらってくる当事者のN21が3という比率であり,その比率はいつも同じであった。被告人N1が現金を分けるときに電卓で計算したり,輪ゴムを外して端数を数えたりする作業を手伝ったこともある。被告人N1からN21の分として3割の現金を受け取り,残りの7割については,被告人N2が応接室に取りに来ていた。そのように被告人N2が現金を持って帰るところを複数回見たことがある。N21に3割を届けた際に,その中から自分の取り分をもらっていた。また,N6が出所してN3會理事長に就任した後は,被告人N1から今後N6に報告するように言われたため,以後建設業者からの上納金をN6に持っていくようになった。その際,被告人N1から,上納金の分け方について,N3會が1,総裁が3,会長が3,理事長が3で,理事長の3の中からN21の取り分が発生すると言われた。N6に上納金を渡す手順は被告人N1のときとほぼ同じで,場所は被告人N1の自宅近くのファミリーレストランの駐車場で車対車で渡すことが多かった。N6からも上納金の分け方について『N3會が1割,総裁が3割,会長が3割,残りが自分の分だ。その中から半分N21に渡す。』と聞いており,N6自身がN1の自宅の応接室で現金を分けているのを1度見たことがある。」イ H供述の信用性Hは,上納金の取りまとめの経緯,被告人N1らへの受渡し状況等を詳細に供述しているが,その供述には,被告人N1の親族の内情,被告人N1の自宅応接室の家具や調度品の状況など,体験した者でなければ語り得ない内容が少なからず含まれており,Hが述べる事実経緯にも特段不自然な点は見当たらない。H供述のうち,当時N21の体調が悪く入退院を繰り返していたことは動かし難い事実であり,建設業者から,その窓口となる者を通じてN3會へ多額の上納金が支払われていたとする部分については,DやN17の供述と符合している。そして,H供述の核心部分,すなわち,建設業者からの上納金がN3會最高幹部等の間で3対3対3対1の比率で分配されて,被告人N2がその7割を管理していたという部分は,第3の1で見たような第1系列口座ないし第3系列口座への特異な入金状況とよく整合し,これを合理的に説明するものといえる。証拠上,このような上納金以外で,第1系列口座ないし第3系列口座への継続的かつ巨額の入金について説明できる金銭の存在は窺われない。また,Hは,平成19年に何者かに銃撃されるという経験をし,これにN3會関係者が関与していると考え,以後,N3會との関わりを絶って生活しているというのであり,N3會総裁である被告人N1らにとって不利益となる虚偽の供述をあえてすることも考え難い。以上からすれば,H供述の信用性は高いというべきである。ウ H供述の信用性に関する被告人両名の弁護人らの主張被告人両名の弁護人らは,H供述が信用できない理由として,①当時,被告人N1はN3會会長の地位にあり,一方,Hは,被告人N1の子分であるN21の企業舎弟にすぎないのであり,違法不当な犯罪収益である上納金の分配という,いわばトップシークレットに属する事項を被告人N1がHに教える必要はなく,H供述はそれ自体不自然・不合理であるし,被告人N1がHを信頼していたとするH供述は,ことごとく虚偽である,②H供述は捜査段階から変遷している,具体的には,ⅰ)Hは,公判廷では,最初に受け取った上納金を被告人N1に渡したと供述しているが,捜査段階では,N21に渡したと供述していた,ⅱ)Hは,公判廷では,N18のN19から地元対策費として30億円の0.5パーセントを持って行くよう話をしてもらえないかと依頼された旨供述しているが,捜査段階では,自ら0.5パーセントという数字を持ち出したと供述していた,ⅲ)Hは,公判廷では,N19から最初に受け取った金額は30億円の1パーセントで3000万円くらいであった旨供述しているが,捜査段階では,その金額について,当初約2000万円と,その後,2000万円から3000万円程度と供述していたなどと主張している。まず,①についてみると,被告人N1とHとの関係等に関して,証拠によれば,N21は,N6が不在の際にN3會N22組(以下「N22組」という。)の組長代行を命ぜられるなど被告人N1の信頼が厚く,被告人N1の自宅に出入りする存在であったこと,Hは,以前から,N21と親しくし,N3會に所属しないものの,N21やN20組のために活動するようになっていたこと,Hは,平成9年か平成10年頃,N21を通じて被告人N1の依頼を受け,被告人N1の現在の妻であるN23がマンションを購入する際に,新築物件を探したり,売買契約に立ち会ったりしたこと,そのことに恩義を感じた被告人N1は,平成13年に開いた自宅の新築祝いのパーティーにHを招待し,Hが同パーティーに出席したこと,被告人N1は,平成17年に当時の交際相手であるN24(以下「N24」という。)がマンションを購入する際に,その手続を手伝うようHに頼み,それを受けてHは,不動産の調査等を行い,振込依頼書の記載を代筆するなどしたこと,また,Hは,被告人N1の姪が平成一桁くらいの時期に暴行事件に関わったり,被告人N1の別の姪(N25)が離婚後に居住していたマンションが,同人の前夫の住宅ローン不払により競売にかけられたり,被告人N1の甥が多額の借金を負っていたりしたといった出来事を,その当時から知っていたことが認められる。このように,Hは,被告人N1とN3會組員としての関係を築いていたわけではないが,N21を介して,被告人N1と知り合い,被告人N1の妻が購入するマンションを探したり,被告人N1の交際相手のマンション購入に関する契約手続を手伝うなどしている上,被告人N1の親族の他人に知られたくないような内情までをも知っていたのであり,平成13年から平成19年頃の時点において,Hが被告人N1から一定の信頼を得ていたことは疑いないといえる。このような被告人N1,N21,Hの関係性からすれば,Hが,病気で動けない状態のN21に頼まれて,建設業者から受け取った上納金を被告人N1に直接渡していたことや,その際に被告人N1がHに対してN3會内で上納金がどのように分配されるかを説明したことが,不自然・不合理であるとはいえない。次に,②についてみると,ⅰ)については,Hは,平成26年から平成27年にかけて受けた取調べにおいて,警察や検察から,上納金だけではなく,N26が殺害された事件など多方面にわたって話を聞かれたが,古い出来事なのですぐには思い出すことができず,記憶をたどりながら話していった,上納金については,N21の下で取り扱っていたし,N21に渡したこともあったので,N21に渡していたと話していたが,実際には,N21が病気で動けない時期があり,その際に被告人N1やN6に直接上納金を渡していたのを思い出したなどと供述している。体験時から供述を求められるまで長期間が経過していることに加え,被告人両名の本件逮捕勾留時には,N3會の運営費の一部を被告人N1が私的に流用していることが所得税法違反の内容とされていたのであり,Hから上納金を実際に受け取った人物が誰であるかに焦点を当てた取調べが行われなかったために,当初Hの記憶の喚起が十分に行われなかったとも考えられる。N21の下で長らく活動していたHとしては,上納金がすべてN21を経由していたことからN21を強く意識し,上納金をすべてN21に持っていっていたものと勘違いして,捜査段階でそのような供述をしていたとしても不自然・不合理とはいえない。また,ⅱ)については,ニュアンスや表現の違いにすぎないと考えられ,供述に実質的な変遷があるとまではいえないし,上納金の分配状況というH供述の核心部分に影響を与えるものともいえない。ⅲ)についても,ⅰ)と同様,時間の経過に加え,上納金の金額に焦点を当てた取調べが行われなかったことなどから,記憶が蘇るのに時間を要したとしても不自然・不合理とはいえない。その他,被告人両名の弁護人らが指摘する点を考慮しても,H供述の信用性は揺らがない。エ 小括そうすると,信用性の高いH供述によれば,N3會においては,平成19年まで,組織的・継続的に建設業者等から上納金を受け取り,それを総裁のN5や,会長の被告人N1ら最高幹部等の間で分配していたこと,上納金の具体的な分配・管理状況としては,N5,被告人N1,上納金の仲介者(N6が出所した平成15年2月以降は,N6及び仲介者)がそれぞれ全体の3割を,N3會が全体の1割を受け取るように分配し,N5の取り分,被告人N1の取り分,N3會の取り分を併せた全体の7割の現金を被告人N2が受け取って管理していたことが認められる。具体的な上納金の存在と口座入金状況ア 平成17年12月のN27店出店に関する上納金証拠によれば,株式会社N28(以下「N28」という。)がぱちんこ店N27店を出店するに際し,N3會N29組組長のN30(以下「N30」という。)の指示で,B,C,N31(以下「N31」という。)がN28側の人物であるAに対し,挨拶料との名目で4000万円を支払うよう要求し,Aは,地権者の一人から拠出してもらった現金4000万円を,平成17年12月29日又は30日にC又はN31を通じてN30に渡し,N30はこの4000万円をN3會の上位者に渡したことが認められる。この点,被告人両名の弁護人らは,①A,B,Cの各供述は,Aが現金を渡した場所やその相手,金額において食い違うなどしており,Aが4000万円を平成17年12月29日又は30日にC又はN31を通じてN30に渡したとは認められない,また,②そもそも,これらの供述等によっても,Aが支払ったとする現金4000万円がその後N3會に上納されたことまでは立証されておらず,当時の福岡県警本部において,N30,C,N31がN3會の名前を使ってN28に金銭要求をしているという見立てを持っていたことからすると,4000万円がN30ら3名の間で分配された可能性は否定できないなどと主張している。そこで検討すると,まず,①については,A,B,Cの各供述は,現金受渡しの相手・場所,金額などいくつか相互に食い違う点もある。しかしながら,各証人は10年以上前の出来事を供述していること,現金受渡しの相手・場所については,B,CとAとの間の複数回の折衝の過程ではいずれもホテルやレストランなどが利用されていたというのであり,現金を実際に受け渡した場所には数名の人がおり,現金の受渡し以外に特段時間を要する出来事があったとは窺われないことなども踏まえれば,その場所や相手の記憶が他の折衝場面での記憶と混同したとしても不自然・不合理とはいえず,むしろ,Aが用意した現金がN30に渡ることになったという根幹部分では各供述は一致しているとみるべきである。金額についても,A及びCは4000万円と供述しているのに対し,Bのみ5000万円と供述しているが,B自身は直接現金を扱ったものではなく,他者から伝え聞いた金額を供述しているのみであるから,その金額が正確ではないことは説明が可能である。そして,現金が受け渡された日については,A及びBが相応の根拠とともにその日にちを供述しており,これに特段疑いを挟む余地はないから,その日は平成17年12月29日又は30日であると認定できる。また,②についてみると,Cは,N31から4000万円の現金を受け取ったN30が,その場で携帯電話機で電話をかけ,「どこにおられますか。」と言った後すぐに現金を持って出ていった様子を供述しており,N30は,受け取った現金4000万円を直ちにN3會上位者に渡していると考えるのが合理的である。こうしたN30らの具体的な行動状況に加え,N3會の二次団体の組長であるN30の立場からすれば,N30らがN3會と無関係にN28に対して金銭要求行為をしたとは考えられず,4000万円がN3會に渡ることなくN30ら3名の間で分配された疑いは生じない。その他,被告人両名の弁護人らが指摘する点を検討しても,前記 認定は揺るがない。以上からすれば,N28のぱちんこ店出店に関する上納金として平成17年12月29日又は30日に4000万円がN3會に納められたといえるところ,第1系列口座ないし第3系列口座の入金状況をみると,いずれもN39郵便局において,平成17年12月30日午前9時41分に第1系列口座に1200万円,同日午前9時47分に第2系列口座に1200万円,同日午前9時48分に第3系列口座に400万円の入金があり,3対3対1の割合で合計2800万円の入金がされていることが認められる。既に認定したN3會における上納金の分配状況を踏まえれば,N28のぱちんこ店出店に関してN3會に支払われた上納金4000万円は,最高幹部等の間で3対3対3対1の比率で分配され,そのうち3対3対1の部分が第1系列口座ないし第3系列口座に入金されたものと推認できる。イ 平成18年1月頃のU社の工事に関する上納金証拠によれば,U社が請け負った建築工事の現場事務所所長であったKは,平成17年12月頃,N3會を名乗る人物から金銭の支払を要求されたため,U社から下請け業者への支払を水増しするなどして2000万円の現金を準備し,平成18年1月頃,Eを介して,建設会社会長であるN32に対し,準備した2000万を渡したこと,前記建設会社会長はN3會構成員と面識があったことが認められる。しかしながら,この2000万円が最終的にN3會側に渡ったかどうかやその日時は他の証拠を併せても認定することはできないのであり,U社の関係の2000万円の支払をN3會への上納金とみることはできない。J供述Jは,期日外尋問において,概ね次のように供述している。「平成24年2月頃から平成26年4月頃までの間,N22組の組長付として,N3會理事長兼N22組組長のN7のかばん持ちや運転手を担い,6日のうち3日の頻度でN7に随行していたが,その際に,N7がN3會直轄組長(二次団体組長)やN6から現金を受け取り,被告人N2に渡しているのを見た。具体的には,N7は,本家(被告人N1の自宅)駐車場や喫茶店等でN3會直轄組長らから紙袋入りの現金を受け取り,ホテルやまあじゃん屋でN6から同様に紙袋入りの現金を受け取り,移動用の自動車内でその現金を半分ずつくらいの二つの山に分けていた。その現金の合計は多いときで2000万円くらい,少ないときで100万円くらいだった。その後,N7は,被告人N2に電話をした上で,被告人N2の自宅近くの路上や本家駐車場で,車内で二つに分けた現金のうち一つを紙袋に入れてN7が書いたメモと一緒に被告人N2に渡していた。さらに,N7は,N6に電話をしてまあじゃん屋に行き,紙袋に入れた現金を渡していた。この現金は,当日N7が直轄組長等から現金を受け取る前に,N7の指示でN7の自宅に行き,N7の妻から100万円単位の新札の現金を受け取っていたものであるが,その現金にN7が財布の中から出した100万円未満の現金を足していたこともあった。N6に渡す現金は,自動車内で分けた現金の一山の半分くらいの金額だった。その後,N7は,N22組の事務所に戻り,N22組事務局長のN33(以下「N33」という。)を呼び出し,自動車内の残りの現金を紙袋に入れて渡して,新札に交換するよう指示しており,N33は銀行や郵便局で旧札を新札に替え,N22組事務所でN7に渡していた。その後,N7は,本家へ挨拶に行っていたが,本家の建物に入るときも戻ってくるときもN7は手ぶらだった。N7がN3會直轄組長から現金を受け取り被告人N2に渡すなどするという出来事は,月に一,二回の頻度であったが,徐々に減っていき,減った後は二,三か月に1回くらいの頻度になっていた。」このようなJ供述は,具体的かつ詳細であり,N7がN22組事務局長のN33に対して新札への両替を指示していたとする点などは,N33の供述と整合する上,現在N3會を脱退し,一般人として生活しているJがあえてN3會や被告人N1らにとって不利益となる虚偽の供述をする動機も窺われず,その信用性は高いといえ,J供述のとおりの事実が認められる。この点,被告人両名の弁護人らは,J供述について,①検察官によるJの取調べの際に,録音録画が検察官の提案により違法に中断されており,その際の検察官調書と同内容の公判廷における供述の信用性も担保されていないというべきである,②Jは本件とは別の二つの事件への関与が疑われる状況にあるのに,両事件とも起訴されておらず,両事件の不起訴と引換えに本件に関する供述をすることを約束した疑いがある,③Jの見た金銭分配の回数は,第2系列口座への入金回数という客観的証拠と合致せず,上納金分配に関する検察官の主張とも合致しないなどとして,信用できない旨主張している。しかしながら,①については,そもそもJの取調べの際に検察官の提案によって録音録画が中断されたとしても,そのことがJの公判廷における供述の信用性に直接影響を与えるわけではない。また,かつてN3會の組員であったJが,総裁の地位にある被告人N1の犯罪への関与を疑わせるような供述をすることについて葛藤があるのは当然であり,その様子を見た検察官において被疑者が十分な供述をすることが困難であると認めて録音録画の中断を提案したことを不当とまでいうことはできない。②については,たしかに,Jは,N18会長のN19が殺害された事件の関係で逮捕勾留され,別の事件でも刑事から事情聴取を受けたことを認めているが,N18の事件については,不起訴とする約束があったことを明確に否定し,事情聴取を受けた別の事件については,刑事訴追を受けるおそれがあることを理由に自己の関与の有無についての供述を拒否しており,その他本件と別の事件について利益誘導がされた形跡は窺われない。③については,J供述によれば,N7への随行の頻度は6日のうち3日というもので,JがN3會内での金銭の受渡しのすべてを現認したわけではないことは明らかであって,J自身が現認した回数と第2系列口座への入金回数が合致しないとしても,J供述の信用性が否定されることにはならない。小括① 以上をまとめると,まず,N3會に対しては,従前より建設業者等から組織的・継続的に多額の上納金が支払われてきており,その上納金は,少なくとも平成19年頃までは,当時の総裁であるN5,会長であるN1,上納金の仲介者(平成15年2月以降は,理事長であるN6及び仲介者)がそれぞれ3割を,N3會が1割を受け取るように分配され,被告人N2は,N5,被告人N1及びN3會の取り分として上納金の7割を受け取って管理していたものである。そして,前記のとおり,被告人N2が管理していた第1系列口座ないし第3系列口座には,平成17年5月30日以降,平成20年6月30日までの間,1回につき10万円程度から1000万円を超える金額が頻繁に入金され,その入金のほとんどは,いずれも同一の郵便局においてほぼ同時刻か十数分以内の差で行われ,ごくわずかの例外を除き,その入金額の比率は,第1系列口座,第2系列口座,第3系列口座の順に3対3対1となっていたのであるから,被告人N2は,建設業者等から受け取った上納金のうち7割の現金につき,第3系列口座にはN3會の取り分としての全体の1割を,第1系列口座と第2系列口座にはN5及び被告人N1の取り分としての全体の各3割をそれぞれ入金して管理していたと推認するのが合理的である。このことは,平成17年12月29日又は30日頃,N28のぱちんこ店出店に関して4000万円の上納金がN3會に渡り,同月30日,4000万円の10分の7に当たる金銭が,同じ郵便局において第1系列口座ないし第3系列口座に3対3対1の比率で入金されているという事実によって裏付けられているといえる。加えて,N3會総裁であったN5が死亡した平成20年7月1日以降は,第1系列口座に入金がなくなり,同口座が使われなくなっていることからすれば,上納金に関し,第1系列口座にはN5の取り分が入金されていたものと認められ,そのことと対比すれば,少なくとも平成20年6月30日までの間,第2系列口座には当時N3會会長であった被告人N1の取り分が入金されていたものと優に推認できる。② また,N17やJの供述によれば,五代目N3會が発足した後も,被告人N2が,二次団体の組長等を介して,建設業者等から組織的・継続的に上納金を受け取り,N3會最高幹部等の間で分配していたことが窺われるところ,前記のとおり,N5が死亡した平成20年7月1日以降も,第2系列口座としては,平成24年5月30日にN10名義の口座へと引き継がれるまで,N11名義の口座が引き続き用いられていた上,第2系列口座,第3系列口座ともに,1回につき10万円程度から1000万円を超える金額が頻繁に入金され,その入金のほとんどは,いずれも同一の郵便局においてほぼ同時刻か十数分以内の差で行われており,かつ,こうした同一機会による第2系列口座と第3系列口座への入金額の比率の多くが5対1,それ以外も概ね第2系列口座が3ないし6に対し,第3系列口座が1となっていたものである。こうした上納金の存在及び分配状況,被告人N2による口座の管理及び入金の状況に加え,第2系列口座と同一機会に入金が繰り返されていた第3系列口座がN5の死亡後もN3會の経費を管理するために利用されていた事実(前記2⑵)は,平成20年7月1日以降も第2系列口座に上納金からの被告人N1の取り分が入金されていたことを一定程度推認させる事情ということができる。被告人N2の弁解について被告人N2は,第1系列口座ないし第3系列口座について,これらの口座には支援者がN3會の運営の足しにしてほしいと持ってきた金銭を入れており,当時のN3會事務局次長のN34から引継ぎを受け,支援者から受け取った金銭の1割をN3會の経費として第3系列口座に入金し,その残りのうち,第1系列口座にはN5の公務費を,第2系列口座には被告人N1の公務費をそれぞれ入金していた,N5が死亡した後も,第2系列口座には被告人N1の公務費を,第3系列口座にはN3會の経費を入金していたが,いずれもN3會の資金であるので,入金比率は適当に自分で決めていた,複数の口座を使っていたのは,ペイオフ対策のためであるとか,銀行の成績が落ちるので継続して使うよう銀行員から頼まれたためであるなどと供述している。しかしながら,被告人N2によれば,公務費とは,N3會の特別の功労者であるN5及び被告人N1の交際費のことを指すが,功労者本人も自由に使うことができず,その金額すら本人に知らされていないというのであり,それ自体不自然・不合理である。N5が死亡した後は入金比率を適当に決めていたとする点も,第2系列口座と第3系列口座の入金額の比率は,その多くが5対1,それ以外も第2系列口座が3ないし6に対し,第3系列口座が1の比率となっており,これらが被告人N2によって一定の明確な目的・法則の下で継続的に管理されていたものと推察されることと整合しない。また,ペイオフ対策のために複数の口座を使っていたという点についても,被告人N2自身,平成20年9月1日に第3系列口座の名義を変えたのは,預金全額の保障を受けられる通帳(決済用通帳)ができたためであると説明しており,ペイオフ対策をとる必要がなくなった後も複数の口座を使い続けているのは不合理である。銀行員から頼まれたことが,複数の口座を使い続ける理由になるのかも疑わしく,被告人N2は,複数の口座へほぼ同時刻に入金している理由について重ねて尋ねられても,何ら合理的な説明をすることができていない。むしろ,被告人N2が,N3會の支援者から受け取った金銭のうち,その1割をN3會の経費として第3系列口座に,その残りのうちN5のために使われるべき金銭を第1系列口座に,被告人N1のために使われるべき金銭を第2系列口座に入金して管理していたという趣旨を述べ,あるいは,平成20年7月1日以降第1系列口座への入金が止まり,第2系列口座への入金が増えているのは,N5が死亡したからであり,第2系列口座にはそれまでと同様に被告人N1のために使われるべき金銭を入金していたという趣旨を述べる部分は,前記3⑸における推認とよく整合し,これを強く裏付けるものといえる。以上からすれば,第2系列口座内の金銭がN3會のものであるとの被告人N2の弁解は信用できない。4 第2系列口座からの出金等(認定に用いた証拠は適宜掲記する。)(記載省略)被告人N1の資産と収入支出等被告人N1は,平成22年初めから平成26年末までの間,不動産賃貸等により年間実額1000万円から2000万円程度の収入を得ており,そのほか,平成23年に不動産を売却したことにより約7400万円の譲渡所得を得た。また,被告人N1の個人名義での平成21年末時点での預貯金額合計は10億円強で,平成26年末時点での預貯金額合計は14億円強に及んでいた。なお,同年10月6日に被告人N1宅の捜索が行われた際,同宅からは1億円強の現金が発見された。被告人N1は,元妻や子らのために,毎月一定額(10万円ないし100万円)を生活費・養育費として送金し,積み立てるなどしていたほか,百貨店の友の会の会費,寺のお布施等を支払っていたが,こうした私的な支払等に被告人N2を関与させていた。これらの支出は毎月合計約500万円に及んでいた。第2系列口座からの具体的な出金とその使途ア 平成17年7月19日の2324万0150円の出金被告人N1の交際相手であったN24が下関市内のマンションを購入することとなったため,被告人N2は,被告人N1の依頼により,平成17年7月19日,N40郵便局において,第2系列口座から2324万0150円を出金し,この現金を原資として,同日,N24名義で,売主の銀行口座に2150万円,仲介業者の銀行口座に66万0150円を振込入金した(入金額合計2216万0150円)。N24は,同日,前記マンション購入を申し込み,同月23日付けで売買契約が締結された。イ 平成25年5月29日の5000万円の出金被告人N1は,平成24年6月20日,被告人N1名義のT社の普通預金口座(以下「T社N1口座」という。)から2億円を出金し,その結果,T社N1口座の同日の残高が約59万円となった。その後,T社N1口座は取引のない状態が続いていたが,平成25年5月27日午前,被告人N1は,T社に電話をかけ,振込があるんでなどと述べた上,以前T社N1口座から引き出した2億円の一部を同口座に戻すつもりである旨を告げ,振込先となるT社N1口座の支店名を確認した。同月29日,被告人N2は,N40郵便局において,午前9時10分に第2系列口座から5000万円を現金出金し,午前9時18分頃にはそれとは別に第2系列口座内の5000万円をT社N1口座に振込入金した。ウ 平成27年1月30日の3000万円,同年2月3日の4000万円の出金被告人N2は,平成26年9月11日に被告人N1が逮捕された後も,被告人N1の私的な支払に関与しており,その支払のための残金が同年末時点で3687万3240円にまで減少した(この残金の原資が何であるかにつき,第2系列口座からの出金であるとする検察官の主張と,被告人N1宅の金庫内の現金であるとする被告人両名の弁護人らの主張が対立している。)ため,第2系列口座から,平成27年1月30日に3000万円を,同年2月3日に4000万円をそれぞれ引き出した。そして,平成27年1月から同年5月末までの間に,前記の残金約3687万円及び前記出金に係る現金合計7000万円の中から,被告人N1の親族の生活費・養育費といった被告人N1の個人的な支出のほか,N3會組員の裁判費用等の支出(1950万円。なお,この金額は,甲55のうち「平成27年総裁本家」と題する書面中,日付「2月13日」内訳「N35(N36先生)」とされている1000万円と,「平成27年弁護士費用」と題する書面記載の計950万円の合計額である。)として,合計約6854万円が使われた。エ 被告人両名の弁護人らの主張についてこの点,被告人両名の弁護人らは,平成17年7月19日の2324万0150円の出金(①),平成25年5月29日の5000万円の出金(②),平成27年1月30日,同年2月3日の合計7000万円の出金(③)について,被告人両名及びN36弁護士(以下「N36弁護士」ともいう。)の各供述等に基づき,これらの出金は,いずれも第2系列口座に入金された金銭が被告人N1に帰属することを示すものではないと反論している。具体的には,①については,被告人N1は,平成17年7月19日,N24が購入するマンションの購入代金に充てるための現金約2300万円を用意し,被告人N2に自宅に取りに来るように告げたが,急用で外出したため落ち合えず,立替払を頼んだところ,被告人N2は,現金の持ち合わせがなかったため,第2系列口座から現金を引き出してN24に渡し,その日のうちに被告人N1から現金を渡してもらった,②については,被告人N1は,T社N1口座から出金した2億円の残りの現金5000万円を同口座に戻そうと思っており,当初,自ら入金手続をするつもりだったが,平成25年5月29日当日になって現金入金が面倒になり,たまたま被告人N1宅を訪れていた被告人N2に現金5000万円とT社N1口座の預金通帳を渡して入金を頼んだ,第2系列口座から1億円を現金出金する予定があった被告人N2は,N40郵便局へ行き,現金入金後に送金をしようとしたところ,郵便局員から振込入金の方が手続が簡単であると言われたため,第2系列口座から5000万円を下ろし,さらに,第2系列口座からT社N1口座へ5000万円を振込入金し,被告人N1から受け取っていた現金5000万円については,下ろした5000万円とともに持ち帰った,③については,被告人N2は,被告人N1の逮捕後,被告人N1の金庫内の現金7000万円を預かり,被告人N1の個人的な支出に充てていたが,平成26年末頃にその残高が3600万円程度まで減ったため,被告人N2が管理しているN3會の資金で立て替えることにし,第2系列口座から合計7000万円を出金した,その後,被告人N1が,N36弁護士を通じて,被告人N1名義の口座から2億円を引き出し,そこから3000万円を被告人N2に返却し,残りの4000万円については,2億円の残金からN3會の経費を出していき,順次返還ないし相殺した,といった被告人両名及びN36弁護士の各供述は,事実経緯を合理的に説明するものであり,その信用性を否定することはできないと主張している。2324万0150円の出金(①)について被告人両名が供述する経緯,すなわち,被告人N1が被告人N2に対し,N24のマンション購入資金を自宅に取りに来るように伝えておきながら,部屋住み組員に現金を預けるなどすることもなく急用のため外出をしてしまい(その急用が何であったかは思い出せないという。),被告人N2に急遽立替払を頼むことになったという流れは,そもそも被告人N1において,不動産の調査や契約手続への協力をHに依頼するなど,当時の交際相手であるN24のマンション購入の件に高い関心を寄せていたことにそぐわないし,契約日まで数日の猶予があったことなどに照らすと,被告人N1が急用を終えてから被告人N2に改めて現金を取りに来てもらったとしても支障はないのではないかと思われる点からも,やや不自然といえる。しかも,被告人N2がN3會の経理全般の責任者という立場にあったことからすれば,N3會に属するとされる第2系列口座から約2300万円もの金銭を被告人N1の個人的な用途のために借用したというのであれば,被告人N1から返却を受けたという現金を直ちに元の第2系列口座へ入金して戻すか,あるいは別途記録を残すなどして,貸付け及び返済の経過を明確にしておくのが当然といえる(実際に被告人N2は被告人N1の個人的な支出を「本家経費」と名付けて別途メモに残すなどしていた。)が,そのような入金履歴や貸借を記録した書面等が残されていないのは不自然・不合理である。なお,第2系列口座からの出金額と,売主及び仲介業者への振込入金額の合計との間に108万円の差がある理由について,被告人N2は,被告人N1から電話で金額を伝えられた際に聞き間違えたと述べるが,「2324」万円と「2216」万円では金額の数字が大きく異なることから,これも不自然といえる。したがって,この点に関する被告人両名の供述は信用できない。5000万円の出金(②)について被告人N1は,当日になって現金入金が面倒になったと述べるけれども,被告人N1名義の他の銀行口座から振込入金をすれば目的は達することから疑問が残るし,被告人N1が,被告人N2に対し,委任状や本人確認書類などを用意することもなく,5000万円の現金と預金通帳を渡したのみで入金を依頼している点も,不自然な印象を拭えない。事態の推移もかなり場当たり的であるが,とりわけ,5000万円の現金出金の手続が行われたのは前記のとおり平成25年5月29日午前9時10分であるところ,被告人N2の説明を前提とすれば,当日の郵便局の窓口業務が始まってごくわずかの時間内で,郵便局員とのやり取りがあり,被告人N2があらかじめ郵便局側に依頼していたとされる現金出金の額が当初の1億円から5000万円へと急遽変更され,変更後の内容により払戻請求書が記載され,出金手続が行われたことになるが,現実にはたやすく想定し難いというべきである。振込入金の手続を含めて同日午前9時18分頃までに処理が終わっていることや,もともと被告人N1はT社N1口座に振込入金する意向であったことも踏まえれば,当初からこのような形での出金及び振込入金の手続を行うことが予定されていたと考えるのが合理的である。更に言えば,①と同様,被告人N2がN3會の経理全般の責任者という立場にあったことからすれば,N3會に属するとされる第2系列口座から5000万円もの多額の金銭を被告人N1名義の口座に振込入金するというのであれば,被告人N1から交付を受けた現金を直ちに第2系列口座へ入金して戻すか,あるいは別途記録を残すなどするのが当然といえるが,そのような入金履歴や貸借を記録した書面等が残されていないのは不自然・不合理といえる。したがって,この点に関する被告人両名の供述は信用できない。合計7000万円の出金(③)についてa この点に関し,証拠によれば,次の事実が認められる。被告人N1は,自身の弁護人を務めるN36弁護士に株式会社N37銀行北九州支店の預金の払戻手続を依頼し,その後,被告人N1の妻を代理人とする委任状を作成し,平成27年3月,接見等禁止一部解除決定を受けて書類の発信をするなどして前記預金の払戻手続を進めた。同年4月3日,同支店の被告人N1名義の口座から2億円の現金が出金され,これをN36弁護士が管理することとなり,同日,N36弁護士の二口の預り金口座に1億円ずつ入金された。なお,前記の合計7000万円が出金された平成27年2月3日時点で,第2系列口座の残高は約182万円,第3系列口座の残高は約20万円,N16口座の残高は約7700円,N14の残高は約539万円であった。b そこで,第2系列口座から出金された合計7000万円は,N3會が被告人N1の個人的使途に充てるために立て替えたものにすぎない旨の被告人両名の弁護人らの主張について検討する。まず,N36弁護士及び被告人N2は,被告人N1名義の口座から引き出した2億円のうちから3000万円を,立替金7000万円の一部の返済として支払ったとし,この事実を裏付けるものとして領収証の存在を指摘しているが,同領収証には,日付(H27(年)5(月)27(日)),金額(¥30,000,000)の記載のほか,被告人N2の署名があるものの,宛名及び但し書の欄には記載がない。N36弁護士は,被告人N1から預かった2億円を管理していた二口の預り金口座の通帳に,法律事務所の事務員に指示して出金の使途等を手書きで記載させているところ,両口座からの平成27年5月27日の合計3000万円の出金については,いずれの通帳にも「諸経費」と記載があるのみで,立替金の返済であることを示す記載はない。この3000万円が真実立替金の返済に充てられたのであれば,弁護士として被告人N1の個人資産を預かるという立場に照らし,領収証や通帳にその旨正確な記載を残すのが当然といえる(実際に立替金の精算である旨を明記している箇所もある。N36弁護士の株式会社N38銀行の預かり金口座の通帳の平成27年10月9日の出金欄を参照)が,そのような記載がないことは,3000万円の出金が立替金の一部返済である旨の主張に重大な疑問を投げかける。また,N36弁護士は,3000万円を返済した後,残りの4000万円については,預り金口座の預金からN3會の経費を出していき順次返還ないし相殺という形をとることにしたとも述べるが,具体的にどの経費が返還ないし相殺の対象となったのかを把握しておらず,前記のようなN36弁護士の職責を考えれば,やはり不自然・不合理といわざるを得ない。一方,被告人N2は,被告人N1の個人的支出に充てるための現金について,「平成26年残金¥36873240」などと記載したメモを残しているところ,同じメモ用紙の中で,第2系列口座からの合計7000万円の出金について記録しており,その備考欄に「通帳から」とだけ記載し,「借入れ」や「立替え」といった記載は残していないことに照らすと,被告人N2は,被告人N1の個人的支出に充てるために所持していた現金と,第2系列口座からの出金とを特に区別せずに併せて管理し,それらの使途を明らかにするためにメモを残しておこうとしたものとみられ,出金された合計7000万円の金銭を被告人N1の個人資産と捉えていたことが窺われる。そもそも,第2系列口座から合計7000万円が引き出された平成27年2月3日当時,被告人N2の手元には,被告人N1の個人的支出に充てるための現金が数か月分は残されていたと見込まれる一方,第3系列口座の残高は約20万円,N16口座の残高は約7700円,N14の残高は約539万円となっており,N3會の経済状態はかなり逼迫していたとみられるのに,N3會の経理全般の責任者である被告人N2が,N3會に帰属するとされる第2系列口座から合計7000万円もの金銭を被告人N1のために立て替えてN3會の資産状態を更に悪化させた理由は明らかでない。また,被告人N1には,平成26年末時点で14億円強の預金など潤沢な資産がありながら,なぜ立て替えてもらったとする7000万円の一部である3000万円しか返済しないのかについても,被告人N1本人から納得できる説明はない。したがって,この点に関するN36弁護士及び被告人両名の各供述は信用できない。小括以上のとおり,第2系列口座からの4件(実質3件)の出金の使途については,被告人N1の交際相手のマンション購入資金に使われ,被告人N1名義の預金口座に振り込まれ,あるいは出金の多くが被告人N1の親族の生活費・養育費等に使われたことが判明している。また,使途が判明していない第2系列口座からの出金についても,被告人N1の個人的支出以外の用途に使われたものは見当たらない。使途が判明している出金の一つ一つが数千万円単位に上ることも踏まえれば,これらは,第2系列口座に入金された金銭を被告人N1が私的に使用することが可能であったことを,出金という側面から強く推認させる事情といえる。5 被告人両名の弁護人らのその他の主張について被告人両名の弁護人らは,第2系列口座からの出金は数十回以上あるにもかかわらず,わずか4回(実質的には3回)の出金をもって,第2系列口座に入金された金銭が被告人N1に帰属していたとの認定に結び付けるのは無理があると主張する。しかしながら,第2系列口座からの多数回の出金のうち,被告人N1個人の使途との結びつきが判明しているのは実質的には3回のみであるものの,一つ一つの出金は数千万円単位であり,被告人N1の個人的支出以外の用途に使われた出金は見当たらないのであるし,所得の帰属については,実質により判断すべきであって(所得税法12条),単にその出金の回数のみを取り上げて認定の適否を論じることは相当とはいえない。次に,被告人両名の弁護人らは,第2系列口座,第3系列口座及びN16口座の入出金状況を比較しつつ,第2系列口座から出金された金銭については,直接又は被告人N2の自宅金庫を経由して,N3會の経費に用いるために利用されていたN16口座へ入金されていた高度の蓋然性があり,そうすると,第2系列口座への入金分が被告人N1の個人所得である旨の検察官の主張には合理的な疑いが残るなどと主張している。しかしながら,第2系列口座には,ほぼ同時刻に第3系列口座とは別に(平成20年6月30日までは第1系列口座もほぼ同時刻に)入金することが繰り返されていたことからすれば,第3系列口座と第2系列口座の使途あるいは目的は異なるものと考えるのが合理的であり,第3系列口座に入金された金銭がN3會の経費に充てられていたと認められる以上,第2系列口座に入金された金銭もN3會の経費に充てられるためのものであったとはそもそも考え難い。現に,第3系列口座からの平成17年5月30日から平成26年12月末までの44回の出金のうち34回の出金(合計7億3200万円)については,概ね出金後数分から1時間以内に,同額又はその大部分に当たる金額(合計6億4560万円)がN16口座に入金されているのに対し,第2系列口座からの出金で,N16口座への入金と時間的に接近し,かつ金額的にも近似するなど,直ちにN16口座へ入金されているといえるものは見当たらない。この点,弁護人は,第2系列口座からの出金とN16口座への入金とに有意の結びつきが認められるものとして,六つの入出金を指摘しているが,出金の額と入金の額にいずれも相当の差がある上,そのうち五つは日付も異にしており,有意の結びつきは認められない。思うに,第2系列口座からN16口座への資金流入の有無の問題は,第2系列口座へ入金された金銭が被告人N1に実質的に帰属するか否かという観点から検討されるべきものであり,その際には,第2系列口座から出金された金銭がN16口座へ入金された抽象的な可能性の有無ではなく,第2系列口座内の金銭の帰属に関する前記推認を破るような事情,具体的には,第2系列口座からの出金でN3會経費が賄われているといった事情が存するか否かが判断の分岐点になると考えられる。こうした観点から記録を精査しても,第2系列口座からの出金とN3會経費の支出とを具体的に結びつける事情は窺われず,N3會経費が第2系列口座からの出金により賄われていたとの疑いは生じない。一方で,第3系列口座からの出金の大半はN16口座へ入金されていることが明らかである。もっとも,出金のすべてが直ちにN16口座へ入金されているわけではないことは前記のとおりであるが,被告人N2自身が認めているように,第3系列口座からの出金は,そのままN16口座に入金される場合のほかに,いったん現金出金されて被告人N2の自宅金庫等で保管された後に,N3會経費として使われ,あるいはN16口座へ入金される場合もあったというのである。また,平成22年初めから平成26年末までの第3系列口座からの出金合計は5億9400万円であるのに対し,同期間のN16口座への入金合計は約4億2700万円であり,その総額をみても,第3系列口座からの出金や會運営費に由来するもの以外の金銭がN16口座に入金されていないとしても十分に説明がつくものである。6 総合判断これまで検討したところをまとめると,本件で問題とされている第2系列口座については,平成20年6月30日までは,上納金からの被告人N1の取り分が入金されていたものと優に推認され,N5が死亡した同年7月1日以降についても,口座の管理や入金の状況等に照らせば,引き続き上納金からの被告人N1の取り分が入金されていたものと一定程度推認することができる。一方,第2系列口座からの4件(実質3件)の出金の使途については,いずれも専ら被告人N1の個人的な支出に充てられており,使途が判明していない出金についても,被告人N1の個人的支出以外の用途に使われたものは見当たらない。使途が判明している出金の数は決して多くはないが,一つ一つの出金が多額であることからすると,この点は,第2系列口座に被告人N1が私的に使用することが可能な金銭が入金されていたことを強く推認させる事情といえる。しかるに,被告人両名の弁護人らの指摘を踏まえて慎重に検討しても,こうした推認を妨げる事情は見出せない。かえって,関係証拠に照らすと,被告人N1の個人資産の増加状況と第2系列口座への入金状況は概ね符合していることが窺われ,前記推認の正しさが裏付けられている。すなわち,平成21年末から平成26年末までの間,被告人N1の資産としては,前記のとおり預金残高が約4億円増えているほか,被告人N1の供述によれば,その間,被告人N1は,少なくとも9000万円程度の絵画,1億円程度の車両,1億6000万円強の不動産を購入したというのであり,その他にも,これまで認定したように,被告人N1には,親族の生活費・養育費,百貨店の友の会の会費,寺のお布施等の個人的支出が毎月500万円程度(5年間とすると合計3億円程度)あったのである。そうすると,本件各申告に係る平成22年から平成26年までの間,被告人N1には,不動産賃貸等による収入(年間実額1000万円から2000万円程度であり,5年間で多くても合計1億円程度)や,平成23年の不動産売却による利益(被告人N1の供述によれば利益は5000万円程度)以外にも大まかにみて9億円程度の収入があったと推定される。一方,第2系列口座の入出金状況等をみると,平成22年初めにはその残高が50万円程度であったところ,平成22年初めから平成26年末までの入金額の合計は9億円程度に及び,平成26年末時点での残高は約7000万円となっている。これらの事実は,被告人N1が第2系列口座の出金を自らのものにしてきたとすれば合理的に説明が可能である(この点,被告人N1は,本件各申告に係る年,すなわち平成22年ないし平成26年中の収入に関するものとしては,他人に無利子で貸し付けた多額の金銭に謝礼を付けて返してもらったものがあるという趣旨の供述をするが,貸し付けた相手や金額の詳細は明らかではなく,また何らの裏付けもなく,前記のような個人資産の著しい増加を合理的に説明するものとは到底いえない。)。以上を総合して判断すると,上納金からの分配金のうち第2系列口座に入金された金銭は,実質的にみて被告人N1に帰属するものと認めるほかはないというべきである。これに反する被告人両名の弁護人らの主張は採用できない。第4 所得税法違反の成否について1 所得区分について平成22年から平成26年までの各年の第2系列口座に入金された金銭のうち,第3系列口座と同一機会に入金がされ,かつ,その額が第3系列口座への入金額に対して一定の比率となっているものについては,N3會への上納金から被告人N1の取り分として分配され,第2系列口座に入金されたものと考えられる(以下,このようにして被告人N1のために上納金から分配され,入金された金銭を「本件分配収入」という。)。ところで,この一定の比率については,第3の1で認定したとおり,平成20年7月1日以降,第2系列口座と第3系列口座への入金比率の多くが5対1,それ以外も概ね3ないし6対1となっていること,同年6月30日以前には第1系列口座ないし第3系列口座に3対3対1の比率で上納金が分配・入金されていたが,同年7月1日以降は第1系列口座が使われなくなり,これに応じて第2系列口座への入金比率が増していることも併せ考えれば,第2系列口座への入金のうち,第3系列口座への入金額の3倍ないし6倍の範囲のものが本件分配収入であると認定するのが相当である。そして,本件分配収入は,N3會が,建設業者等の事業者から,事業活動を行うことを容認するなどといった名目で,工事の受注金額の一定割合等のN3會が定めるルールに従って継続的に供与を受けてきた金銭(上納金)の一部について,被告人N1が私的に分配を受けていた金銭であることからすると,その所得区分は,一時所得や事業所得に該当するものではなく,雑所得に該当すると解される。2 ほ脱所得の金額について本件分配収入が頻繁に第2系列口座に入金されており,時には同じ日に複数回入金がされているという状況に照らすと,被告人N2は,上納金を現実に受領した後,被告人N1への具体的な分配比率と金額が決まったら速やかに第2系列口座への入金手続を行っていたものと推認できる。そうすると,本件分配収入は,前記の法則に従った第2系列口座への各入金日が属する暦年の所得となるというべきであり,その具体的金額としては,別紙7入金状況一覧表の平成22年から平成26年までの第2系列口座への各入金額のとおり,平成22年分が1億4935万円,平成23年分が1億8765万円,平成24年分が1億3320万円,平成25年分が1億5895万円,平成26年分が1億8075万円となる(ただし,別紙7のうち,平成23年8月26日の第3系列口座への入金時刻を「11:10」と,平成23年10月5日の第3系列口座への入金時刻を「12:26」と訂正する。)。なお,本件分配収入については,特段費用の負担を伴うものとは考えられず,また,証拠上も本件分配収入に関して支出した費用が窺われないことからすれば,本件分配収入に関する雑所得の金額を計算するに当たり,必要経費はないものと認める。3 ほ脱の犯意及び被告人両名の共謀について本件各申告のうち,平成22年分から平成25年分については,被告人N2は,確定申告書の提出前に被告人N1に申告予定の内容を報告していたものであり,被告人N1も,第2系列口座に関する所得について記載のない確定申告書が提出されることを把握していたものといえる。平成26年分については,確定申告書提出当時,被告人N1は身柄を拘束されていたが,それ以前と同様の手順を経て第2系列口座に関する所得について記載のない確定申告書が提出されているのであるから,被告人N1は,当該確定申告を被告人N2に一任し,そのような内容の確定申告書が提出されることを容認していたものといえる。もとより,被告人N1において,被告人N2が被告人N1の所得を秘匿するため不正の行為を行っていることを認識・認容していたことも明らかである。そうすると,被告人両名がほ脱の犯意を有し,かつ,これについて共謀していたことが優に認められる。第5 結論以上のとおりであり,本件各申告におけるほ脱額等は,別紙2ないし6のとおりと認められるから,罪となるべき事実記載のとおりの犯罪事実を認定した(なお,判示第5については,申告納税額に含まれる復興特別所得税額が150万8834円であることから,ほ脱税額は7184万9266円と認められるが,公訴事実の範囲内で認定した。)。【法令の適用】(記載省略)【量刑の理由】本件は,暴力団四代目N3會会長・五代目N3會総裁の被告人N1が,N3會総務委員長の被告人N2と共謀して,N3會への上納金から被告人N1に分配された収入を秘匿し,これに対する平成22年から平成26年まで5年分の所得税を免れたという所得税法違反の事案である。
事案の概要
平成30年7月18日
福岡地方裁判所
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[下級] [民事] 平成24(ワ)1447  339Views
損害賠償請求事件
平成30年7月18日
福岡地方裁判所
詳細/PDF
HTML/TEXT
[最高裁] [民事] 平成29(受)2212  1415ViewsMoreinfo
放送受信料請求事件
平成29(受)2212
本件は,被上告人が,遅くとも平成7年6月末までに被上告人の放送の受信についての契約を締結した上告人に対し,同契約に基づき,平成23年4月分から平成29年5月分までの受信料合計9万6940円及び遅延損害金の支払を求める事案である。
事案の概要
平成30年7月17日
最高裁判所第三小法廷
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[最高裁] 平成28(行ヒ)406  1082ViewsMoreinfo
固定資産評価審査決定取消請求事件
平成28(行ヒ)406
固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格について,当該土地に接する街路が建築基準法42条1項3号所定の道路に該当するための要件を満たすか否かは明らかでないとしながら,上記街路が同号所定の道路に該当する旨の市長の判定がされていること等を理由に,建築確認を受けることができないために当該土地上に建築物を建築することができない事態となる可能性はないとして,上記街路が同号所定の道路に該当することを前提とする上記価格の決定は適法であるとした原審の判断には,固定資産の評価等に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
裁判要旨
平成30年7月17日
最高裁判所第三小法廷
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[最高裁] [刑事] 平成29(あ)837  762ViewsMoreinfo
強盗殺人被告事件
平成29(あ)837
被告人を殺人及び窃盗の犯人と認めて有罪とした第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
判示事項
平成30年7月13日
最高裁判所第二小法廷
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