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2018/04/17 13:00 更新

事件番号平成29(行ケ)1
事件名選挙無効請求事件
裁判所広島高等裁判所 岡山支部 第2部
裁判年月日平成30年2月15日
結果棄却
事案の概要本件は,平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)について,岡山県第1区ないし第5区の選挙人である原告らが,衆議院小選挙区選出議員の選挙(以下「小選挙区選挙」という。)の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の前記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した選挙無効訴訟である。
判示事項の要旨1 平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙について,岡山県の各選挙区の選挙人が提起した選挙無効訴訟について,同選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反するとは認められないとして,請求が棄却された事例。
2 憲法は,投票価値の平等を要求しているものの,投票価値の平等は,選挙制度の仕組みを決定する唯一,絶対の基準ではなく,国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものであり,選挙制度の仕組みの決定について,国会に広範な裁量が認められている。
3 最高裁平成23年3月23日大法廷判決以降になされた公職選挙法等の改正により,投票価値の較差は2倍以内にまで是正されたが,なお投票価値に較差があることは,同大法廷判決で指摘された1人別枠方式の構造的な問題がなお解消されないまま残っていることによるものである。
4 公職選挙法の改正により,選挙区間の較差が2倍以上となる選挙区が0となったことは,累次の大法廷判決の趣旨に沿って,較差の是正が図られつつあるものとみることができ,その改定の手法についても,一応の合理性があるというべきである。
5 加えて,区画審設置法3条が,大規模国勢調査の度に,アダムズ方式による都道府県別定数の配分を行うこと等を義務付けるに至ったことは,更なる較差の是正を指向するものと評価することができる。
6 他方,選挙区毎の人口の均衡を図るためには,分割市区町村が生じることが避けられず,自治体の一体性を損なう等の批判が生じることも,容易に想像できる。
7 そうすると,上記選挙に至るまでの公職選挙法の改正は,投票価値の平等の要請に配慮した合理的な選挙制度の実現に向けた漸次的な見直しとして,国会の裁量権の範囲内にあるというべきであって,同選挙における投票価値の不均衡は,違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったものということはできず,憲法に違反するということはできない。

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