事件番号平成30(ネ)247
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第3民事部
裁判年月日平成30年8月30日
結果棄却
原審裁判所神戸地方裁判所
原審事件番号平成28(ワ)1653
事案の概要本件は,控訴人Dが夫Eと別居したものの離婚手続を取らないままFとの間で控訴人Aを懐胎,出産し,控訴人Aの出生届を提出しなかったため,控訴人Aが無戸籍となり,控訴人Aが無戸籍のまま控訴人B及び控訴人Cを出産し,控訴人B及び控訴人Cも無戸籍となったことにつき,控訴人らが,父(夫)にのみ嫡出否認の訴えの提訴権を認める民法774条から776条までの規定(本件各規定)は,合理的な理由なく父と子及び夫と妻との間で差別的な取扱いをしており,憲法14条1項及び24条2項に違反すると主張し,本件各規定を改正する立法措置をとらなかった立法不作為の違法を理由に,被控訴人に対し,国家賠償法1条1項に基づき,各損害賠償金55万円(慰謝料50万円,弁護士費用5万円)並びにこれに対する控訴人A及び控訴人Dについては控訴人Aの出生の日から,控訴人B及び控訴人Cについては各人の出生の日からそれぞれ支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
判示事項の要旨1 父(夫)にのみ嫡出否認の訴えの提訴権を認める区別には一応の合理性があり,民法774条から776条までの規定(本件各規定)は,憲法14条1項,24条2項に違反しない。
2 無戸籍児の問題は,戸籍,婚姻,嫡出推定及び嫡出否認等の家族制度をめぐる制度全体の中で解決を図るべき問題であって,無戸籍児の存在を理由に,父(夫)にのみ嫡出否認権を認める本件各規定を憲法14条1項,24条2項に違反するということはできない。