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2018/12/07 16:00 更新

事件番号平成29(受)1124
事件名不当利得返還等請求事件
裁判所最高裁判所第二小法廷
裁判年月日平成30年12月7日
裁判種別判決
結果棄却
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成28(ネ)2611
原審裁判年月日平成29年3月9日
事案の概要本件売買契約には,要旨次のような定めがある。ア 被上告人から美崎産業への目的物の引渡しは,原則として,美崎産業が被上告人の子会社から定期的に目的物を収集することにより行われる。イ 美崎産業は,被上告人から引渡しを受けた目的物を受領後速やかに確認して検収する。ウ 被上告人は,検収に係る目的物について,毎月20日締めで代金を美崎産業に請求し,美崎産業は,上記代金を翌月10日に被上告人に支払う。エ 目的物の所有権は,上記代金の完済をもって,被上告人から美崎産業に移転する(以下,この定めを「本件条項」という。)。(3) 被上告人は,美崎産業に対して,本件売買契約に基づき売却した金属スクラップ等の転売を包括的に承諾しており,美崎産業は,被上告人から当該金属スクラップ等の引渡しを受けた直後にこれを特定の業者に転売することを常としていた。(4) 上告人と美崎産業は,平成25年3月11日,極度額を1億円として,美崎産業からの個別の申込みに応じて上告人が美崎産業に融資を実行する旨の契約を締結し,上記契約により上告人が美崎産業に対して現在及び将来有する債権を担保するため,上告人を譲渡担保権者,美崎産業を譲渡担保権設定者とする集合動産譲渡担保設定契約(以下「本件設定契約」といい,これによって設定された譲渡担保権を「本件譲渡担保権」という。)を締結した。本件設定契約には,要旨次のような定めがある。ア 譲渡担保の目的は,非鉄金属製品の在庫製品,在庫商品,在庫原材料及び在庫仕掛品(以下,これらを併せて「在庫製品等」という。)で,美崎産業が所有し,静岡県御殿場市内の工場(以下「本件工場」という。)及び精錬部で保管する物全部とする。イ 本件設定契約の締結の日に美崎産業が所有し上記の保管場所で保管する在庫製品等については,占有改定の方法によって上告人にその引渡しを完了したものとする。ウ 上記の日以降に美崎産業が所有権を取得することになる在庫製品等については,上記の保管場所に搬入された時点で,当然に譲渡担保の目的となる。(5) 本件譲渡担保権に係る動産の譲渡につき,平成25年3月11日,動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律3条1項に規定する登記がされた。(6) 被上告人は,平成26年5月20日までに美崎産業に対して本件売買契約に基づき売却した金属スクラップ等については,一部を除いて,同年6月10日までに美崎産業から代金の支払を受けた。(7) 被上告人は,平成26年5月21日から同年6月18日までに,美崎産業に対し,本件売買契約に基づき,金属スクラップ等を売却した。(8) 美崎産業は,平成26年6月18日,被上告人を含む債権者らに対して,事業を廃止する旨の通知をしたが,被上告人は,同通知の時点で,上記(7)の期間に売却した金属スクラップ等について代金の支払を受けていなかった。(9) 被上告人は,平成26年11月,美崎産業を債務者として,本件工場で保管されている金属スクラップ等につき,本件条項に基づき留保している所有権に基づき,動産引渡断行の仮処分命令の申立てをし,平成27年1月13日,上記申立てを認容する旨の決定(以下「本件仮処分決定」という。)がされた。(10) 被上告人は,平成27年1月20日及び21日,本件仮処分決定に基づき,本件工場で保管されていた金属スクラップ等を引き揚げ,その頃これを第三者に売却した。なお,上記金属スクラップ等の一部には,美崎産業が被上告人に対して代金を完済したものが含まれていた(以下,上記金属スクラップ等のうち上記の代金の完済に係るものを除いたものを「本件動産」という。)。2 本件は,上告人が,被上告人に対し,上記1(10)記載の金属スクラップ等の引揚げ及び売却が上告人に対する不法行為に当たるとして5000万円の損害賠償金及び遅延損害金の支払を請求し,選択的に,これによって被上告人が得た利益は不当利得に当たるとして同額の不当利得金の返還及び民法704条前段所定の利息の支払を請求する事案である。
判示事項金属スクラップ等の継続的売買契約において目的物の所有権が代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に,買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者が代金完済未了の金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張できないとされた事例

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