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カテゴリー > 刑事事件裁判例集 (降順 ; 裁判年月日で整列)

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事件番号/事件名裁判年月日/裁判所判決書
[最高裁] [刑事] 平成29(医へ)20  249ViewsMoreinfo
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による医療の終了の申立て及び退院の許可の申立て各棄却決定に対する各抗告棄却決定に対する再抗告事件
平成29(医へ)20
1 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の再抗告事件において同法70条1項所定の理由以外の理由により原決定を取り消すことの可否
2 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による入院決定を受けた対象者からの同法による医療の終了の申立て及び指定入院医療機関の管理者からの退院の許可の申立てを棄却した各原々決定及びこれを維持した各原決定に審理不尽の違法があるとされた事例
判示事項
平成29年12月25日
最高裁判所第一小法廷
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[最高裁] [刑事] 平成27(し)587  233ViewsMoreinfo
再審請求棄却決定に対する即時抗告の決定に対する特別抗告事件
平成27(し)587
陳述書等の新証拠が無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たるとして再審開始の決定をした原判断に刑訴法435条6号の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
判示事項
平成29年12月25日
最高裁判所第一小法廷
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[最高裁] [刑事] 平成28(あ)137  325ViewsMoreinfo
殺人未遂幇助被告事件
平成28(あ)137
殺人未遂幇助被告事件について,第1審判決が説示する間接事実の積み重ねによって殺人未遂幇助の意思を認定できないとして事実誤認を理由に有罪の第1審判決を破棄し無罪とした原判決が是認された事例
判示事項
平成29年12月25日
最高裁判所第一小法廷
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[下級] [刑事] 平成29(わ)380Moreinfo  up!
強盗致傷,窃盗被告事件
平成29(わ)380
①被告人A,B,Cに対する強盗致傷,②被告人A,Cに対する窃盗,③被告人A,Bに対する窃盗の各事案であり,①では共謀内容に,②では共謀の存在に争いがあったが,全ての事件について有罪が認定され,被告人Aに懲役9年,被告人Bに懲役6年,被告人Cに懲役5年が言い渡された事案(裁判員裁判)。
判示事項の要旨
平成29年12月21日
札幌地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成29(わ)88  73ViewsMoreinfo
業務上過失傷害
平成29(わ)88
本件は,祭りに際し店主として唐揚げの露店を出していた被告人が,高温の油を入れたまま,ガスフライヤーを移動させようとして転倒させ,高温の油を周囲に飛散させて祭りの見物客9名に傷害を負わせた事案である。
事案の概要
平成29年12月20日
福岡地方裁判所 小倉支部
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[最高裁] [刑事] 平成28(あ)190  343ViewsMoreinfo
現住建造物等放火被告事件
平成28(あ)190
現住建造物等放火罪に該当する行為により生じた人の死傷結果を量刑上考慮することの可否
判示事項
平成29年12月19日
最高裁判所第三小法廷
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[最高裁] [刑事] 平成29(医へ)16  383ViewsMoreinfo
医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定に対する抗告棄却決定に対する再抗告事件
平成29(医へ)16
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇制度と憲法14条,22条1項,31条
判示事項
平成29年12月18日
最高裁判所第三小法廷
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[下級] [刑事] 平成29(わ)629  76Views
窃盗
平成29年12月18日
福岡地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成29(う)535  245Views
過失運転致傷(変更後の訴因・危険運転致傷(予備的訴因・過失運転致傷)),傷害被告事件
平成29年12月14日
大阪高等裁判所 第3刑事部
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[下級] [刑事] 平成29(わ)512  182ViewsMoreinfo
関税法違反
平成29(わ)512
本件現金のうち1億8000万円(領番号は別紙第1記載のとおり)をキャリーバッグ内に入れて手荷物として携帯して福岡空港ターミナルビル手荷物検査場を通過した上,同ターミナルビル門司税関福岡空港税関支署税関出国検査場において,同支署職員に対し,同現金を輸出する旨その他必要な事項を申告せず,同税関出国検査場を経て出国審査を通過し,もって税関長の許可を受けないで同現金を輸出しようとしたが,同支署職員に同現金を発見されたため,その目的を遂げず2 被告人Bが,本件現金のうち1億8522万円(領番号は別紙第2記載のとおり)をキャリーバッグ内に入れて手荷物として携帯して同手荷物検査場を通過した上,同税関出国検査場において,同支署職員に対し,同現金を輸出する旨その他必要な事項を申告せず,同税関出国検査場を経て出国審査を通過し,もって税関長の許可を受けないで同現金を輸出しようとしたが,同支署職員に同現金を発見されたため,その目的を遂げず3 被告人Cが,同手荷物検査場において,本件現金のうち1億8000万円(領番号は別紙第3記載のとおり)を入れたキャリーバッグを手荷物として携帯し,同空港の保安検査員に対し,同キャリーバッグを検査品として提出し,もって税関長の許可を受けないで同現金を輸出しようとしたが,同保安検査員に同現金を発見されたため,無許可輸出の予備にとどまり4 被告人Dが,同手荷物検査場において,本件現金のうち1億9000万円(領番号は別紙第4記載のとおり)を入れたキャリーバッグを手荷物として携帯し,同保安検査員に対し,同キャリーバッグを検査品として提出し,もって税関長の許可を受けないで同現金を輸出しようとしたが,同保安検査員に同現金を発見されたため,無許可輸出の予備にとどまった。(事実認定の補足説明)1 関係証拠によれば,判示第1のとおり,Eが本件金地金の密輸入の実行に着手したがこれを遂げなかったことが優に認められるところ(以下「本件密輸入」という。),各弁護人はいずれも,各被告人とE及びFこと氏名不詳者らとの間の本件密輸入に係る共謀等について,合理的な疑いを超えた立証はされていないから無罪である旨主張するが,当裁判所は,関係証拠に照らし判示第1のとおり事実を認定したので,その理由を必要な限度で補足して説明する。2 Eの本件密輸入への関与の経緯等及びその検討⑴ 関係証拠(甲58)によれば,Eは,①平成29年4月初め頃(以下,日付は「平成29年」を指す。),金塊を日本に持ち運べば報酬を得ることができるとのインターネット上の書き込みを見て,これに表示された案内に従い,金塊の運び屋を教育・指導する場所として指定された場所に行き,そこにいた金塊の密輸に関係すると思われる者と接触して,以後連絡を取り合っていたところ,本件密輸入の数日前に,同月13日(以下,本補足説明においては「本件当日」という。)明け方に仁川空港に来るように指示されるとともに,ティーウェイ航空291便(以下「本件航空便」ともいう。)のチケット画像が送信されてきたこと,②同日,同空港に行き,そこで声を掛けてきた男から,中に入って待つよう指示され,同チケット画像で航空券の発券を行うなどして出国手続を終え,搭乗口に行ったところ,そこで若い男から本件金地金及びこれを隠匿するためのポーチ2個を渡され,「日本に入国する際,金塊を持っていることを申告しないでいい」,「日本に無事入国してゲートを出たら,暗号を言う人に本件金地金を渡してください」などと言われた後,判示第1のとおり本件密輸入に及んだことが認められる。⑵ 検討前記のEの本件密輸入に至る経緯等からは,本件密輸入には,本件金地金を韓国から日本に持ち込んで本件密輸入を実行する同人のほか,同人に対し,本件密輸入の具体的実行方法等につき指示を与えたり,その航空券を手配したり,本件金地金等を渡したりする者,更にはEから本件金地金を回収する者など,複数名が関与したことが推認される。3 被告人Bと本件密輸入との結び付きを示す画像データの存在及びその検討⑴ 関係証拠(甲58,63,122,136)によれば,①被告人Bから差し押さえたスマートフォン内に,次のアないしウのデータが保存されていたこと,②同データは,いずれも日本時間の4月12日から本件当日にかけて,同被告人のスマートフォンに他者から送信されたものであることが認められる。ア 「<4月13日 木曜日>」との表題で,1から30までの通し番号順に30名の氏名及びその性別が記載され,各人の「連絡先」欄には8桁の数字が,「出発時間」欄には航空機の便の略称と出発時刻を意味すると思しき「KE787(08:00)」等が,さらに,上記氏名等が記載された欄の上部に「KE787(1陣 6名 08:00)」等と記載された韓国語表記の一覧表(以下「本件一覧表」という。)なお,本件一覧表の番号20の欄には,「E(男)」と記載され,「連絡先」として「3291(略)」,「出発時間」として「TW291(10:05)」と記載されているところ,Eの携帯電話の番号は「010-3291-(略)」であり,同人が搭乗した航空機の便は前記のとおりティーウェイ航空291便であって,上記記載と合致するものである。イ 冒頭に「・・・福岡空港の外にいる・・・場所で指定された回収者にだけ物件を渡すことを約束します。万一,指定された回収者ではない人に物件を渡したときにはそこに発生するすべての被害に対する民・刑事上の責任を負います。本人は上記内容を正確に熟知したのなら下にこれを確認するサインをいたします。日付:2017年4月13日」と記載され,その下に1から30までの通し番号順に「氏名」,「数量」,「物件サイン」,「円貨サイン」の各欄が設けられ,「氏名」欄には本件一覧表と同じ番号順に同一の氏名が記載されており,このうち番号5,19及び26以外の27名について,その対応する「数量」,「物件サイン」及び「円貨サイン」の各欄に手書きの記載がされた韓国語表記の一覧表(以下「本件誓約書」という。)なお,本件誓約書の番号20の「氏名」欄には「E」と記載され,「数量」欄には手書きで「6」と記載されているところ,前記のとおりEが密輸入した本件金地金の個数は6個である(甲49,51)。また,本件誓約書の番号12,13,15,21,23及び24の「氏名」欄及び「数量」欄の各記載は,本件当日,税関検査で金地金を発見された6名の韓国人の氏名及び所持に係る金地金の個数(各6個)と一致している(甲63)。ウ 本件誓約書の番号5,19及び26を除く27名を1ないし2名ごとにその容姿を撮影し,その画像上に氏名,本件一覧表の番号に対応する「出発時間」欄の記載及び本件誓約書の番号に対応する「数量」欄の記載が印字された写真画像なお,その中には,Eの容姿を撮影した写真に「TW291」「10時5分」「E6」と印字されたもの(以下「本件写真」という。)がある。⑵ 検討ア 前記のとおり,本件誓約書には,Eの氏名に加え,同人が本件密輸入により日本に持ち込もうとした本件金地金の個数と一致する数字が記載され,さらに,本件当日に税関検査で金地金を発見された6名の韓国人の氏名及びその所持に係る金地金の個数と一致する数字が記載されており,さらに,前記3⑴イの冒頭の記載内容を併せ見れば,本件誓約書は,金地金を韓国から日本に持ち込んで密輸入を実行する者らの氏名が印刷され,これをEを含む同実行者らの面前に示して,同人らに必要な記載をさせることで,同人らが確実に本件金地金を事前に指示された者に渡すように仕向けるために作成されたものであることが強く推認される(実際,Eは,取調官から本件誓約書を示された際,本件密輸入関係者から指示された場所とは異なる場所に行ってしまったためか,同書を実際に見たことはないが,同書番号20の「数量」欄の「6」との記載は,自分が本件密輸入により日本に持ち込もうとした金塊の個数のほかに心当たりはなく,同書冒頭の「物件」とは金塊の意味以外に考えられない旨述べている。甲58)。イ また,前記のとおり,本件写真は,Eの容姿と氏名だけでなく,航空機の便の略称や本件金地金の個数を示すと思しき本件誓約書の「数量」欄の記載の数字を併せて明らかにするものであることからすると,Eを本件密輸入の実行犯であると把握する者が,Eの容姿とその所持に係る本件金地金の個数を確認できるようにするために作成されたものであることが強く推認される。ウ そして,本件誓約書及び本件写真は,その内容に照らし,Eが本件密輸入の実行行為に至るまでにEと接触した者又はこのような者からEに関する情報を提供された者が作成したことが推認されるところ,上記の本件誓約書及び本件写真の作成目的に加え,本件密輸入が犯罪行為であることにも照らすと,これらの画像データが本件密輸入と全く無関係の者に提供されることは考え難いといえる。このことは,Eの氏名,性別,携帯電話番号の一部という個人識別情報に加え,本件航空便の略称やその出発時刻という本件密輸入と関係する情報が記載されている本件一覧表についても,同様である。そうすると,これらの画像データを被告人Bのスマートフォンに送信した者及びこれを受信した被告人Bは,本件密輸入に関係する者であり,被告人Bは,本件密輸入について氏名不詳の共犯者らと意思を通じ合っていたことが推認される。4 被告人D及び同Aと本件密輸入との結び付きを示す画像データの存在及びその検討関係証拠(甲120,126,136)によれば,①被告人Dから差し押さえたスマートフォン内に,本件一覧表及び本件写真の各画像データ並びに本件誓約書類似の韓国語表記の一覧表(「氏名」欄と「数量」欄の間に「会社」欄が設けられ,「KE787(08:00)」等の記載があること及び日付や手書きの記載がないこと以外は,本件誓約書と概ね同内容である。)の画像データが保存されていたこと,同データは,いずれも日本時間の本件当日に,同被告人のスマートフォンに他者から送信されたものであること,②被告人Aから差し押さえたスマートフォン内にも,本件一覧表の画像データが保存されていたこと(なお,同画像データは粗く,一部判読困難な部分があるが,他の判読可能な部分や文書の体裁の同一性に照らすと,同データは,被告人Bのスマートフォン内に保存された本件一覧表と同一であると認められる。),同データは,本件当日に,同被告人のスマートフォンに他者から送信されたものであることが認められる。そうすると,被告人B画像データを被告人D及び被告人Aのスマートフォンに送信した者並びにこれらを受信した両被告人も,本件密輸入に関係する者であり,両被告人も,本件密輸入について氏名不詳の共犯者らと意思を通じ合っていたことが推認される。5 被告人Cと本件密輸入との結び付きを示すメッセージの存在及びその検討⑴ 関係証拠(甲67)によれば,被告人Cは,被告人Bに対し,本件当日午前11時17分頃,スマートフォンで「今,4次のティウェイ航空着陸したんだけど」などのメッセージを送信し,これに対し,被告人Bは,「引率者向かわせて」などと返信したことが認められる。Bのスマートフォン内に保存された本件一覧表には「TW291(4陣 6名 10:05)」との記載があるところ(甲122),この記載を併せ見れば,被告人Cの上記メッセージは,本件航空便が福岡空港に到着したことを被告人Bに伝えるものであることが強く推認人Bが,上記メッセージを受け,被告人Cに対し,本件航空便に搭乗した者を引率する者を向かわせるよう指示したものと見られる返信をしたことに照らすと,被告人Cもまた,本件密輸入に関係する者であり,本件密輸入について被告人B及び氏名不詳の共犯者らと意思を通じ合っていたことが推認される。⑵ また,関係証拠(甲95)によれば,被告人Cは,本件当日午後零時40分頃,Gこと氏名不詳者に対し,自己のスマートフォンのアプリケーションソフトを用いて,「今日の入管,税関の状況は最悪です」,「現時点,7チーム捕まって」とのメッセージを送信し,さらに,同日午後零時59分頃,「7名」,「総42個」とのメッセージを送信し,これに対し同人から「あEほか6名が,本件当日に金地金合計42個を税関職員に発見されており,この事実を併せ見れば,被告人Cの上記メッセージは,Eらが金地金の密輸入に失敗したことをGこと氏名不詳者に伝えるものであると強く推認され,このことは,前記56 本件密輸入の前日から当日にかけての被告人4名の行動及びその検討関係証拠(甲59)によれば,被告人4名は,本件密輸入の前日夜,福岡市博多区内のホテルに共に入ってチェックインし,本件当日朝は,共に同ホテルを出て,同じタクシーに乗って移動したことが認められるところ,前記のとおり被告人4名は,いずれも本件密輸入について氏名不詳の共犯者らと意思を通じ合っていたことが推認され,このような被告人4名が本件当日の前後に上記被告人Bと被告人Cとの間のメッセージの内容を併せると,被告人4名は,本件密輸入を共通の目的として,行動を共にしていたことが推認される。このことは,本件当日に先立ち,被告人4名のために,本件当日の夕方に福岡空港を出発予定の航空便の航空券が同時に予約されていたこと(甲61),被告人Bが,被告人Cに対し,本件当日午後零時12分頃,この予約内容を明らかにする画像データを同人のスマートフォンに送信したこと(甲67)を併せ見ると,尚更である。7 結論以上を総合すれば,被告人4名が,本件密輸入につき,E及びその他の共犯者らと意思を通じ合い(なお,被告人Cが,本件当日午後4時48分頃,「F代表」と登録した者に対し,スマートフォンで「回収終わりました?」,「回収終わった!」とのメッセージを送信したこと(甲71)も併せ見ると,被告人4名がFこと氏名不詳者とも本件密輸入につき意思を通じ合っていたことも認められる。),また,被告人4名相互間でも意思を通じ合った上で,本件密輸入につき,実行犯であるEを出迎え,これを監視・誘導するなどした上,本件金地金を回収するという役割等を担っていたと認められる。以上のとおりであり,各弁護人が種々主張するところを子細に見ても,共謀を含め判示第1のとおり認めることができ,事実を認定するには合理的疑いが存するという各弁護人の主張は採用できない。(法令の適用)(被告人4名共通)罰 条第1税関長の許可を受けず貨物を輸入しようとしたが遂げなった点刑法60条,関税法111条3項,1項1号,67条消費税を免れようとした点刑法60条,消費税法64条1項1号地方消費税を免れようとした点刑法60条,地方税法72条の109第1項第2各税関長の許可を受けず貨物を輸出しようとしたが遂げなった点(1及び2)いずれも刑法60条,関税法111条3項,1項1号,67条各税関長の許可を受けず貨物を輸出しようとしてその予備をした点(3及び4)いずれも刑法60条,関税法111条4項,1項1号,67条包括一罪(第2) 刑法10条(混合した包括一罪として刑及び犯情の最も重い2の貨物無許可輸出未遂罪の刑で処断)科刑上の一罪の処理(第1)刑法54条1項前段,10条(1罪として刑及び犯情の最も重い消費税法違反の罪の刑で処断)刑種の選択(第1及び第2)いずれも懲役刑を選択併合罪の処理 刑法45条前段,47条本文,10条(重い第1の罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の本刑算入 刑法21条刑の執行猶予 刑法25条1項没 収 刑法19条1項1号,2項本文(本件金地金は第1の犯罪行為を,別紙第1ないし第4記載の各現金は第2の1ないし4の各犯罪行為をそれぞれ組成した物)訴訟費用(不負担) 刑事訴訟法181条1項ただし書(没収の補足説明)検察官が刑法19条に基づき本件金地金及び本件現金の没収を求刑したのに対し,各弁護人は,本件現金は,①同条1項1号の犯罪組成物件に該当せず,②同条2項本文の「犯人以外の者に属しない物」にも該当しない,③仮に,同条1項1号,2項本文に該当するとしても,本件現金を没収するのは,裁量の範囲を逸脱して違法であり許されないなどと主張して,その没収について争うが,当裁判所は,本件現金を同条により没収することとしたので,その理由を必要な限度で補足して説明する(なお,判示第1の事実について無罪主張をした各弁護人は,本件金地金の没収について特段の主張をしてはいないが,事案の内容に鑑み,本件金地金を没収する理由のうち,②の点については併せて言及することとする。)。1 ①(犯罪組成物件該当性)について各弁護人は,判示第2の各貨物無許可輸出未遂ないし予備(以下これらを併せて「本件密輸出」という。)において実質的に処罰される行為は,申告して許可を受けなかったという義務違反行為であり,本件現金は同義務違反行為を組成する物ではなく,ひいては刑法19条1項1号の犯罪組成物件に該当しないと主張する。しかしながら,関税法111条1項1号の規定から,同条が処罰対象として定めているのは「許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出」する行為であることは明らかであり(さらに,同条3項によりその未遂が,同条4項によりその予備が処罰される。),本件現金は本件密輸出の犯罪行為を組成するといえ,そのほか各弁護人が主張するところを検討しても,犯罪組成物件に該当しないとの主張は採用の限りではない。2 ②(「犯人以外の者に属しない物」の要件該当性)について⑴ 金地金等の密輸出入組織の存在についてア 4月13日の金地金の密輸入の状況被告人4名は,判示第1のとおり,E及び氏名不詳者らと共謀して,本件密輸入に及んだことが認められ,さらに,(事実認定の補足説明)3⑵アで検討したとおり,本件誓約書は,密輸入実行者の氏名及びその密輸入に係る金地金の個数を記載したものと推認されることから,4月13日には,Eを含む27名を実行犯とした金地金の密輸入が計画・実行され,同7のとおり,同日午後4時48分頃に被告人CがFこと氏名不詳者に「回収終わった!」とのメッセージを送信していること等に照らし,摘発されたEほか6名以外の者については,金地金合計122個の密輸入を遂げた(以下「本件密輸入等」という。)ものと推認される。イ 本件密輸入等後の状況関係証拠によれば,次の事実が認められる。被告人B及び同Dは,4月13日午後4時40分頃,福岡空港から同一航空便で香港国際空港に向けて出発した(甲61,78)。両被告人とも,100万円を超える現金の輸出について,特段申告はしていないところ(甲133),被告人Bのスマートフォンには,同日午後8時21分頃(香港時間),香港国際空港付近で,現金約5億3100万円を置いた状態で撮影した写真が保存されていた(甲115)。さらに,被告人Bのスマートフォンには,①同日午後9時58分頃(日本時間),男が合計約5億3100万円の一万円札の束を数えながら,キャリーバッグに詰め込む様子を撮影した動画(甲117)及び②同日午後10時6分頃(前同)に撮影された,「Mic 13/04/17 日本円で531,000,000円受け取り 2017年4月17日の月曜日に,116キログラムを渡す Michael」などと記載されたメモ(在香港のホテル名が印字)の写真(甲116)が保存されていた。なお,被告人Cは,同月18日,自己のスマートフォンのアプリケーションソフトを用いて,Gこと氏名不詳者らに対し,「香港に到着して。金を直接購入しに注意しながら移動」,「とりあえず,日本円を持ってきたら,香港ドルに換金して,金の購買可能」,「今,香港本島で174,000,000円両替中」,「両替所で円を両替して,金の会社に入金すれば,その後,金の会社に行って,金を受け取ればいい」などのメッセージを送信し,また,Gこと氏名不詳者からの「円から香港ドルに両替して,金塊をマイケルから購入する?それとも,他のところで購入する?」とのメッセージに対し,「マイケルの方で両替をして,金を買ってもらうというシステム」と返信等している(甲102)ところ,前記メモ及び前記メッセージの内容並びに名の同一性等に照らし,被告人Cのいう「マイケル」と前記「Michael」は同一人物と目される。ウ 検討以上によれば,被告人4名及びその共犯者らは,4月13日,適宜役割を分担して,大量の金地金を日本に密輸入(本件密輸入等)した直後,多額の現金を香港に密輸出し,同現金を元手に香港において金地金を買い付けようとしており,そこからすると,本件密輸入等に係る金地金の換価金そのものを同日密輸出したとまでいえるかは措くとしても,金地金の密輸入と現金の密輸出を循環させていることが推認される。このことは,他日ではあるものの,被告人Cのスマートフォンにインストールされたアプリケーションソフトで,①1月25日,Hこと氏名不詳者が「今日はお金の回収があると必ず伝えてください」,「GB(金塊)回収後円回収だけよろしくお願いします」というメッセージを「(引率者)」と付記された氏名不詳者に送ったり(甲82),②4月1日,被告人Cが,「日本から香港に現金を持って出国するとき,入管で現金に対する出所を聞かれることがあります。現金に対する出所を話せる程度には,準備してください」との内容の添付ファイル(「(香港チーム)」と付記された氏名不詳者が送信元のもの)をGこと氏名不詳者らに送ったり(甲91)していること等からも裏付けられる。そして,このように金地金の密輸入と現金の密輸出を循環させる動機としては,密輸入に係る金地金を換金する際,支払を免れた消費税等相当額を上乗せして,不当な利益を得,それを重ねることにあると強く推認できる。そして,被告人らのスマートフォンには,異なる日付が記載された本件一覧表類似の一覧表等が多数保存されている上,複数日にわたり,氏名不詳者らがアプリケーションソフトを通じて,客の搭乗,到着,入管通過状況,客からの「回収」状況等を報告し合う多数のやりとりがされていること(甲79ないし96,120,122,124ないし127)に照らせば,被告人らがそのすべてに関わったかは措くとしても,被告人らが関係する組織が,多数回にわたって金地金の密輸入を行ったことが推認され,ひいては,大規模に前記2⑴を行ったものと推認することができる。⑵ 本件現金についての分析アとは容易に推認できる(付言すると,本件密輸入についても同様である。)ところ,実際,①被告人らが,本件密輸出当日にも,自ら「1次総36個持ってラウンジで待機中」,「2次5名29個回収完了」などと金地金を回収したとみられるやりとりをした(甲109)後,本件密輸出に及んでいること,②被告人A及び同Bが本件密輸出の際に所持していた現金には,4月19日にa銀行本店営業部が作成・封印した一千万円束全9個のうちの5個が含まれるところ,同9個は同日から翌20日にかけて現金を引き出した福岡市博多区内の株式会社bc支店(金などの貴金属を取り扱う古物商)従業員にすべて交付され,そのうちの5個は,同日,金地金20キログラムの売却代金として男性に交付されているが(甲20,25,45,46),その個数に照らし,被告人A及び同Bが所持した前記一千万束5個と前記売却代金との同一性が肯定されることは,いずれも上記推認を強めるものといえる。イ 被告人らが意思を通じていた氏名不詳者らは,相当期間にわたって,組織的に金地金の密輸入及び現金の密輸出を大規模かつ多数回にわたって繰り返していたと推認できるところ,密輸入及び密輸出のいずれも国境を跨ぐ違法行為であって,摘発されれば大量の金地金や多額の現金を失う危険がある中,数億円にも及ぶ巨額の現金等を情を知らない者から募り,大量の金地金ないし多額の現金を密輸入及び密輸出により循環させるのは困難とみるべきで,そのような循環を繰り返していたという状況自体,その密輸に係る金地金及び現金が被告人ら又は共犯者らに属し処分可能なものであること,ないし,情を知った者から被告人ら又は共犯者らに託されたものであることを推認させ,そのことは前記循環の一環と推認される本件現金についても妥当するといえる(さらには本件金地金についても同様である。)。この点,各弁護人はいずれも,本件現金につき,被告人4名の属する組織外の第三者が適法に運用されると思って資金提供している可能性があるなどと主張するが,本件全証拠によってもそのような可能性を窺わせる事情は見出せず,前記のとおり,金地金の密輸入及び現金の密輸出の循環の規模の大きさ,相当期間にわたり反復されていることに照らし,各弁護人指摘の可能性は抽象的なものにとどまるというべきである。ウ 以上によれば,本件金地金及び本件現金のいずれも,「犯人以外の者に属しない物」と認められる。3 ③(本件現金の没収の相当性)について各弁護人は,㋐被告人らから本件現金を没収することは,関税法上の必要的没収規定(同法118条)の改正(昭和42年法律第11号。従前,輸入禁制品の密輸入犯,関税ほ脱犯,無許可輸出入犯及び贓物故買犯に係る貨物は,善意の第三者の所有物である場合を除き,すべて必要的没収・追徴とされていたのを,没収対象貨物を犯則貨物のうち輸入制限貨物等に限ることとし,社会・公共の秩序に有害なもの及び不正輸入が我が国の産業経済に非常に悪影響のあるもののみを必要的没収の対象とすると改めたもの)の趣旨に照らして許されない,㋑刑法19条の趣旨や,罪刑の均衡及び責任主義の要請から,犯罪行為と没収を含めた刑罰との均衡が図られなければならず,本件において,本件現金の没収を行えば,実質的に関税法が定める罰金額の上限を上回る刑罰を科すことになり,許されないなどと主張する。しかしながら,㋐については,同改正は,犯則貨物を常に関税法118条による必要的没収の対象とすると過酷な場合があること等を慮ってなされたものと解されるところ,同改正によっても,必要的没収の対象外とされた貨物について刑法19条の適用を排除する規定は設けられておらず,同改正の趣旨を踏まえても,もとより同条による任意的没収が妨げられるものではない。そして,㋑については,そもそも刑法19条1項1号が犯罪組成物件を没収の対象としたのは,同物件を没収することなく犯人に戻した場合,再度それを基に犯罪に及ぶことを防止する趣旨も含むと解されるところ,本件密輸出は,前記2で検討したとおり,組織による金地金の密輸入,換金,現金の密輸出,金地金の購入という循環の一部を構成し,大規模な消費税等のほ脱の準備行為としてなされた組織犯罪の側面を有しており,本件現金を没収しなければ,まさに同組織によって,再度これを基にした同種犯罪が敢行される可能性が高いといえ,没収の必要性は高度に認められる。そして,本件密輸出の規模の大きさ及び計画性の高さに基づく事案の重大性・悪質性に鑑みれば,これを没収することが犯罪行為との均衡を欠くとはいえない。加えて,近時,金地金の密輸入事案が増加し,本件同様,金地金の密輸入及び現金の密輸出を循環させる者も存在すると目される中,一般予防の観点からも本件現金を没収するべきである。この点,各弁護人は,現金はそもそも禁製品には該当せず,本件密輸出は,単に本件現金の輸出の申告をして許可を受けなかっただけの極めて軽い部類の事案という趣旨の主張をするが,国際的な資金洗浄やテロ資金供与対策として支払手段の不正な輸出入に係る取締りの強化がされる中,前記のとおり本件密輸出がまさに循環型の犯罪スキームの一環としてなされ,送金による不都合回避の意図も含んでいると目されることに照らせば,本件密輸出が極めて軽い部類の事案などといえないことは明らかである。そのほか各弁護人が種々主張するところを検討しても,本件現金の全部を没収することが相当性を欠くとはいえない。4 結論以上の次第で,当裁判所は,本件現金を没収することとする。(量刑の理由)本件は,被告人らの共犯者において約6キログラムの金地金を密輸入してこれに対する消費税及び地方消費税を免れようとしたが未遂に終わった事案及び被告人4名において合計7億3000万円余の現金を密輸出しようとしたが一部につき未遂に,残余につき予備にとどまった事案である。
事案の概要
平成29年12月13日
福岡地方裁判所
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[最高裁] [刑事] 平成29(あ)1079  417ViewsMoreinfo
詐欺未遂被告事件
平成29(あ)1079
共犯者による欺罔行為後にだまされたふり作戦開始を認識せずに共謀の上被害者から発送された荷物の受領行為に関与した者が詐欺未遂罪の共同正犯の責任を負うとされた事例
判示事項
平成29年12月11日
最高裁判所第三小法廷
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[下級] [刑事] 平成29(わ)35  128ViewsMoreinfo
無免許過失運転致傷,道路交通法違反
平成29(わ)35
被告人が無免許運転により人身事故を引き起こした上,救護義務及び報告義務を怠った犯罪事実について,被告人を懲役刑に処した上で全部につき執行猶予が言い渡されたもの。
判示事項の要旨
平成29年12月11日
岐阜地方裁判所 御嵩支部
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[下級] [刑事] 平成29(わ)437  166ViewsMoreinfo
傷害,暴行被告事件
平成29(わ)437
本件は,障害者施設において,職員であった被告人両名が,指導に従わない重度の知的障害者Aに対し,厳しく注意するうちに感情を高ぶらせ,その背中を蹴ったり踏みつけるなどの強度の暴力をふるって,重傷を負わせたという傷害の事件(判示第1の事実)と,別の障害者施設において,職員であった被告人乙が,聞こえないふりをして指示に従おうとしない精神障害者Bに対し,床に横たわって動こうとしない同人の腰部に膝を押し当てて体重をかけるなどの暴力をふるったという暴行の事件(判示第2の事実)とからなる事案である。
事案の概要
平成29年12月8日
宇都宮地方裁判所 刑事部
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[下級] [刑事] 平成28(う)838  157Views
現住建造物等放火被告事件
平成29年12月7日
大阪高等裁判所 第1刑事部
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[最高裁] [刑事] 平成28(あ)1731  732ViewsMoreinfo
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件
平成28(あ)1731
強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
判示事項
平成29年11月29日
最高裁判所大法廷
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[下級] [刑事] 平成28(く)119  164Views
再審開始決定に対する即時抗告事件
平成29年11月29日
福岡高等裁判所
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[下級] [刑事] 平成28(わ)327  191ViewsMoreinfo
覚せい剤取締法,関税法違反被告事件
平成28(わ)327
本件の争点は,①覚せい剤営利目的輸入及び関税法違反の各罪に関し,被告人3名がいずれも正犯としての刑事責任を負うと評価できるか,あるいは幇助犯の責任を負うにとどまるか,②被告人Aにつき,本件公訴事実第1の覚せい剤営利目的輸入罪とは別に本件公訴事実第2の覚せい剤営利目的所持罪が成立するか否かの2点であり,以下それぞれ検討する。第2 前提事実関係各証拠によれば,本件犯行の経緯等につき,当事者間に争いのない事実及び証拠によって容易に認められる事実として,以下の事実が認められる。分離前相被告人D(以下「D」という。)は,a組系暴力団の元幹部組員,分離前相被告人E(以下「E」という。)は,b組系暴力団の幹部組員,被告人A及び同Cは,b組系暴力団の組員(犯行当時),被告人Bは,a組系暴力団の元組員であり,被告人A,同B及び同Cは,いずれもEを親分とする親分子分の関係にあった。Dは,知人であるb組系暴力団組長の指示を受け,相当量の覚せい剤を調達するために関係者への指示や連絡をしていたところ,Eとの間で,遅くとも平成27年10月頃までには,Eが用意した船舶で覚せい剤を運搬し陸揚げする方法で覚せい剤を密輸入する計画(以下,この密輸入を「本件密輸入」という。)が立てられた。被告人Aは,同年11月にEの指示で中国へ渡航し,Dから渡された覚せい剤の密輸入代金の一部である現金700万円とEから渡された海図を中国側の人物に渡し,同年12月にもEの指示で中国へ渡航し,Eから渡された緯度や経度のような数字が記載されたメモを中国側の人物に渡し,代わりに中国側の人物から聞いた日程をDらに伝えるなどし,こうした関わりの中で,覚せい剤を含む違法な薬物等の取引に関わっているかもしれないと認識した。同月頃,被告人Bは,Eから,船に乗って物を取ってくるよう指示され,一方,被告人Cも,EからEの船を高知港から徳之島まで運ぶよう指示され,両名ともEが所有する漁船X丸(以下「漁船X丸」という。)に乗船することとなった。その後,被告人B及び同Cは,Eから,洋上で荷物を受け取ることのほか,万が一のときには受け取った荷物に重りをつけて海に沈めるよう指示されたため,両被告人は,洋上で受け取るのが覚せい剤を含む違法な薬物等であろうことを認識した。被告人B及び同Cは,平成28年1月15日,漁船X丸に乗船し,高知県所在の高知港から宮崎県所在の油津港を経て,同月28日頃,鹿児島県所在の枕崎港に入港した。この間,被告人Bは,自らEに依頼して洋上で必要となる衛星電話やGPSのデータなどを入手し,被告人Cも,被告人Bと共に土嚢袋を準備したり,知人を通じて,受け取った物を投棄する際の重りに使用するための砂利を入手するなどした。被告人B及び同Cは,同年2月3日,被告人Bが漁船X丸を操船し,同港を出港して東シナ海公海上の定められたポイントに向かい,同月6日,上記ポイントにおいて,国籍不明の相手船から複数の段ボール箱に入った覚せい剤(以下「本件覚せい剤」という。)を受け取り,被告人Cが本件覚せい剤を段ボール箱から砂利入りの土嚢袋10袋(以下「本件土嚢袋」という。)に移し替えたが,その後,漁船X丸の機関の故障により,鹿児島本土を目指すという当初の予定を変更して徳之島に向かった。この間,被告人Cは,漁船X丸の船内において,上記行為のほか,Eと衛星電話で連絡をとったり,船の機関の状態の確認や応急措置等を行ったりしていた。被告人B及び同Cは,同月8日,徳之島南東の領海上において,Eらが乗船する漁船Y丸(以下「漁船Y丸」という。)に本件覚せい剤を積み替えた。そして,Eに命じられて徳之島に来ていた被告人Aは,同日,Eの指示を受け,徳之島の山漁港に接岸した漁船Y丸からEの軽トラックに本件覚せい剤を積み替えて陸揚げし,さらに,これを上記軽トラックから軽自動車(以下「本件レンタカー」という。)に積み替えた。なお,被告人Bは,徳之島到着後,自らの判断で,漁船X丸の船内に放置されていたメモなどを廃棄し,GPSの航路データも消去した。被告人Aは,同月9日,Eから指示を受け,本件土嚢袋に入った状態の本件覚せい剤を積んだ本件レンタカーを運転してフェリーに乗船し,鹿児島県所在の鹿児島新港に向かった(なお,同港に到着するまでの間,本件レンタカーを停めた場所に人が立ち入ることはできなかった。)が,同月10日,鹿児島新港に停泊中のフェリー内に駐車中の本件レンタカー内において本件覚せい剤を営利目的で所持したとして現行犯逮捕された。第3 被告人3名がいずれも正犯としての刑事責任を負うと評価できるか,あるいは幇助犯の責任を負うにとどまるか(争点①)1 被告人Aについて被告人Aは,Eの指示で中国への渡航を重ね,その際に現金や洋上のポイントが記載されたメモを中国側の人物に交付することなどを通じて,自身が覚せい剤を含む違法な薬物等の取引に関与しているのではないかとの認識を持つに至り,その後,本件密輸入を実行する段階では,本件覚せい剤の陸揚げという密輸入の核心部分の行為を行い,さらに,本件レンタカーに本件覚せい剤を積み替えて,鹿児島新港まで運搬するという役割も担っている。このように,被告人Aは,本件密輸入の計画を具体化する段階から本件犯行に関与し,核心部分の行為等も行っているのであって,本件密輸入において,自分たちの犯罪を犯したといえる程度に重要な役割を果たしたものと認められる。以上によれば,被告人Aは,幇助犯ではなく正犯としての刑事責任を負うものと評価すべきである。2 被告人B及び同Cについて被告人Bは,Eから当初洋上での荷物の受取を指示された時点で,自身が覚せい剤を含む違法な薬物等の密輸入に関与することになるのではないかと認識し,その後徐々にその認識を深めながらも,本件密輸入が発覚した場合に備えて,被告人Cと共に土嚢袋や砂利などを準備した上で,漁船X丸の操船を行うことで本件覚せい剤を国籍不明船から受け取り運搬し,漁船Y丸への積替えも行っている。一方,被告人Cも,Eから洋上での荷物の受取を指示されて以降は,自身が覚せい剤を含む違法な薬物等の密輸入に関与することになるのではないかと認識しながらも,被告人Bと共に出港の準備をした上で,漁船X丸に乗船し,操船以外の船上での作業全般を行い,本件覚せい剤の漁船Y丸への積替えも行っている。被告人B及び同Cによる洋上での本件覚せい剤の受取・運搬等の行為がなければ,本件密輸入が完遂することはなかったのであり,両被告人は,いずれも,自分たちの犯罪を犯したといえる程度に重要な役割を果たしたものと認められる。以上によれば,被告人B及び同Cは,いずれも幇助犯ではなく正犯としての刑事責任を負うものと評価すべきである。3 これに対し,各弁護人は,被告人3名は,Eと絶対服従の関係にあり,その指示を断ることができずにやむを得ず本件密輸入に関与しただけであり,果たした役割も重要ではなかったなどとして,いずれも自分たちの犯罪として本件密輸入を行ったものではないと主張している。確かに,被告人3名は,Eの指示に従って終始行動していたものであるが,被告人A及び同Cは,暴力団組員として活動する中でEと濃密な関係を保ち,被告人Bは,暴力団から脱退した後もEとの関係を継続する中で,いずれも報酬等の何らかの見返りをも期待しつつ,Eの子分として親分であるEと一体となって行動し,それぞれが与えられた役割を果たすことで本件密輸入の犯行を実現させているのであって,各被告人が果たした役割も前述したように重要であったと認められる。したがって,各弁護人の主張は理由がない。第4 被告人Aにつき,覚せい剤営利目的輸入罪とは別に覚せい剤営利目的所持罪が成立するか否か(争点②)覚せい剤の密輸入者が密輸入した覚せい剤を所持する場合の両者の罪数関係については,その所持が輸入行為に伴う必然的結果として一時的になされるにすぎないと認められるときは密輸入の罪に吸収されて所持の別罪を構成しないが,その所持が輸入行為の必然的結果を離れて社会通念上別個独立の行為として評価し得る場合には別罪を構成し,両者は併合罪の関係に立つと解すべきである。そこで検討すると,本件覚せい剤はもともと鹿児島本土に陸揚げすることが計画されており,徳之島に陸揚げすることになったのは,漁船X丸の機関の故障という偶発的な事情によること,徳之島に陸揚げされて以降,本件覚せい剤は本件土嚢袋に入れられた状態のままで所持の形態に実質的な変化がなかった上,徳之島から鹿児島新港までのフェリー内では,本件覚せい剤を積んだ本件レンタカーは人の立入りができない場所に停められており,鹿児島新港に到着するまでの間に本件覚せい剤が拡散する現実的危険もなかったこと,本件覚せい剤は,鹿児島新港に停泊中のフェリー内で押収されるに至っており,鹿児島新港に陸揚げすらされていないことなどといった本件の事実関係のもとでは,徳之島から鹿児島までの距離が長距離であり,フェリーでの移動に2日間を要したことなど,検察官指摘の事情を踏まえても,本件覚せい剤の所持は輸入行為に伴う必然的結果として一時的になされたにすぎず,輸入行為の必然的結果を離れて社会通念上別個独立の行為であるとまでは評価することができないので,本件覚せい剤営利目的所持罪は,本件覚せい剤営利目的輸入罪に吸収されて別罪を構成しないと解すべきである。(量刑の理由)本件は,b組系暴力団の組員(犯行当時)の被告人A及び同C並びにa組系暴力団の元組員の被告人Bの3名が,b組組員や暴力団関係者らと共謀の上,覚せい剤約100キログラムを船舶で日本国内に密輸入したという事案である。
事案の概要
平成29年11月22日
福岡地方裁判所
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[下級] [刑事] 平成28(く)149  186Views
再審請求棄却決定に対する即時抗告申立事件
平成29年11月15日
東京高等裁判所
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[下級] [刑事] 平成29(わ)68  201ViewsMoreinfo
業務上失火
平成29(わ)68
本件は,ラーメン店の店主である被告人が,厨房内で開店準備のための仕込み作業中,鍋に火をかけたまま店を離れたため,鍋の内容物等が発火して壁や換気ダクトに燃え移り,その結果,自己の店舗及び周辺の店舗住宅等合計147棟の建物を焼損した業務上失火の事案である。
事案の概要
平成29年11月15日
新潟地方裁判所 高田支部
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[下級] [刑事] 平成29(う)238  201Views
殺人
平成29年11月14日
福岡高等裁判所
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