事件番号平成18(ネ)229
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所福岡高等裁判所 第3民事部
裁判年月日平成19年3月20日
結果破棄自判
原審裁判所福岡地方裁判所 小倉支部
原審事件番号平成17(ワ)236
原審結果棄却
判示事項の要旨1 X1は,妻A,子X2とともに,Yの父Bの所有するアパートを賃借りして生活していた。そのアパートは,2階建てであり,Aは,洗濯物を干すときには,2階の本件窓(窓までの腰高は約73センチメートルで,手すりはない。)の外に取り付けてあった竿受け金具に物干し竿を渡し,その竿に干していた。ところが,ある日,Aは,洗濯物を干している時に本件窓から転落し,病院に運ばれたものの,脳死の状態になっており,結局死亡した。
2 Xらは,本件窓に手すりがないことが建物の欠陥であると主張して,Bを相続したYに対して,Aが死亡したことによる損害賠償を請求した。これに対して,Yは,本件窓の腰高は十分で,手すりがなくても危なくはないから,本件窓に欠陥はないなどと反論した。
  原判決は,アパートができて30年近くになるが,これまで無事故であること,入居者から特に危険であるとの指摘もなかったこと,A自身も入居後2年以上生活をしていて,洗濯物を干してきたことなどの理由により,本件窓には欠陥はなかったとして,Xらの請求を棄却した。
3 これに対し,本判決は,本件窓の腰高は約73センチメートルあることから,それ自体は欠陥とはいえないが,本件窓を洗濯物を干すために利用しており,しかも,竿受け金具が錆び付いて伸縮できなくなっていたところから,身体を戸外に伸び出す姿勢を取ることになるので,一定の危険があることは否定できず,そうであれば,本件窓には手すりを備えるべきであったとして,Yの責任を認めた。ただし,Aにも重大な過失があったことを考えると,その損害については90パーセントの過失相殺(減額)をすべきであるとして,結局Yに対し,Xらに合計約350万円とその遅延損害金を支払うよう命じた。
事件番号平成18(ネ)229
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所福岡高等裁判所 第3民事部
裁判年月日平成19年3月20日
結果破棄自判
原審裁判所福岡地方裁判所 小倉支部
原審事件番号平成17(ワ)236
原審結果棄却
判示事項の要旨
1 X1は,妻A,子X2とともに,Yの父Bの所有するアパートを賃借りして生活していた。そのアパートは,2階建てであり,Aは,洗濯物を干すときには,2階の本件窓(窓までの腰高は約73センチメートルで,手すりはない。)の外に取り付けてあった竿受け金具に物干し竿を渡し,その竿に干していた。ところが,ある日,Aは,洗濯物を干している時に本件窓から転落し,病院に運ばれたものの,脳死の状態になっており,結局死亡した。
2 Xらは,本件窓に手すりがないことが建物の欠陥であると主張して,Bを相続したYに対して,Aが死亡したことによる損害賠償を請求した。これに対して,Yは,本件窓の腰高は十分で,手すりがなくても危なくはないから,本件窓に欠陥はないなどと反論した。
  原判決は,アパートができて30年近くになるが,これまで無事故であること,入居者から特に危険であるとの指摘もなかったこと,A自身も入居後2年以上生活をしていて,洗濯物を干してきたことなどの理由により,本件窓には欠陥はなかったとして,Xらの請求を棄却した。
3 これに対し,本判決は,本件窓の腰高は約73センチメートルあることから,それ自体は欠陥とはいえないが,本件窓を洗濯物を干すために利用しており,しかも,竿受け金具が錆び付いて伸縮できなくなっていたところから,身体を戸外に伸び出す姿勢を取ることになるので,一定の危険があることは否定できず,そうであれば,本件窓には手すりを備えるべきであったとして,Yの責任を認めた。ただし,Aにも重大な過失があったことを考えると,その損害については90パーセントの過失相殺(減額)をすべきであるとして,結局Yに対し,Xらに合計約350万円とその遅延損害金を支払うよう命じた。
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