事件番号平成15(行ウ)33
事件名原子爆弾被爆者認定申請却下処分取消等請求事件
裁判所仙台地方裁判所
裁判年月日平成19年3月20日
判示事項原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の各申請に対し,厚生労働大臣がした同申請を却下する旨の各処分は,各申請者の疾病の要医療性又は放射線起因性についての判断を誤り違法であるなどとしてされた前記各処分の取消請求が,認容された事例
裁判要旨原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の各申請に対し,厚生労働大臣がした同申請を却下する旨の各処分は,各申請者の疾病の要医療性又は放射線起因性についての判断を誤り違法であるなどとしてされた前記各処分の取消請求につき,放射線起因性の判定にあたって,原子爆弾被爆者医療分科会が策定した「原爆症認定に関する審査の方針」に従って被曝線量を推定し,原因確率によるリスク評価をその判断資料とすることは一定の合理性を有しているものといえるが,被曝線量の推定については,残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響を過少評価している疑いを否定できないこと,原因確率については,あくまで初期放射線による被曝が特定の疾病の原因となった可能性の程度を表したものであって,残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響は別途考慮する必要があること等の誤差を生じさせる要因を内包しているから,前記「原爆症認定に関する審査の方針」に基づいて放射線起因性の判断を行うに際しては,これによる被曝線量の推定値及び原因確率を一つの要素として考慮しつつも,これを機械的に適用することなく,個々の被爆者の具体的な被爆状況,被爆後の行動,被爆直後に現れた身体症状の有無とその態様,被爆後の生活状況,病歴,申請にかかる疾病の症状や発症に至る経緯,治療の内容及び治療後の状況等を総合的に考慮した上で,原爆放射線による被曝の事実が当該疾病の発生を招来した関係を是認できる高度の蓋然性が認められるか否かを検討すべきものであるとした上,前記処分時,前記各申請者の申請に係る疾病である膀胱がん又は胃切除後障害(早期及び後期ダンピング障害,栄養障害,貧血)については放射線起因性及び要医療性が認められることから,前記各処分は違法であるとして,前記各請求を認容した事例
事件番号平成15(行ウ)33
事件名原子爆弾被爆者認定申請却下処分取消等請求事件
裁判所仙台地方裁判所
裁判年月日平成19年3月20日
判示事項
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の各申請に対し,厚生労働大臣がした同申請を却下する旨の各処分は,各申請者の疾病の要医療性又は放射線起因性についての判断を誤り違法であるなどとしてされた前記各処分の取消請求が,認容された事例
裁判要旨
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定の各申請に対し,厚生労働大臣がした同申請を却下する旨の各処分は,各申請者の疾病の要医療性又は放射線起因性についての判断を誤り違法であるなどとしてされた前記各処分の取消請求につき,放射線起因性の判定にあたって,原子爆弾被爆者医療分科会が策定した「原爆症認定に関する審査の方針」に従って被曝線量を推定し,原因確率によるリスク評価をその判断資料とすることは一定の合理性を有しているものといえるが,被曝線量の推定については,残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響を過少評価している疑いを否定できないこと,原因確率については,あくまで初期放射線による被曝が特定の疾病の原因となった可能性の程度を表したものであって,残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響は別途考慮する必要があること等の誤差を生じさせる要因を内包しているから,前記「原爆症認定に関する審査の方針」に基づいて放射線起因性の判断を行うに際しては,これによる被曝線量の推定値及び原因確率を一つの要素として考慮しつつも,これを機械的に適用することなく,個々の被爆者の具体的な被爆状況,被爆後の行動,被爆直後に現れた身体症状の有無とその態様,被爆後の生活状況,病歴,申請にかかる疾病の症状や発症に至る経緯,治療の内容及び治療後の状況等を総合的に考慮した上で,原爆放射線による被曝の事実が当該疾病の発生を招来した関係を是認できる高度の蓋然性が認められるか否かを検討すべきものであるとした上,前記処分時,前記各申請者の申請に係る疾病である膀胱がん又は胃切除後障害(早期及び後期ダンピング障害,栄養障害,貧血)については放射線起因性及び要医療性が認められることから,前記各処分は違法であるとして,前記各請求を認容した事例
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