事件番号平成22(ネ)397
事件名不当利得返還請求事件
裁判所大阪高等裁判所 第5民事部
裁判年月日平成22年6月17日
結果その他
原審裁判所和歌山地方裁判所
原審事件番号平成21(ワ)134
判示事項貸金業者と消費貸借取引をした債務者が,弁護士を代理人として,この貸金業者との間で,残債務の存在を確認して分割弁済を約し,清算条項を付して裁判外の和解契約をし,その際この弁護士が過払金が発生している可能性を認識していた事案において,この和解契約が強行法規違反若しくは公序良俗違反又は錯誤により無効であるとする債務者の主張を排斥した事例
裁判要旨貸金業者と消費貸借取引をした債務者が,平成12年に,弁護士を代理人として,上記貸金業者との間で,残債務の存在を確認して分割弁済を約し,清算条項を付して裁判外の和解契約をし,その際この弁護士が過払金が発生している可能性を認識していたなどの事実関係の下においては,?上記和解契約自体が強行法規たる利息制限法違反ないし公序良俗違反により無効となることはなく,?残債務や過払金の有無に関する錯誤は,民法696条にいう和解によってやめることを約した争いの目的たる権利についての錯誤にすぎず,その後最高裁平成18年1月13日第二小法廷判決(民集60巻1号1頁)によって,従前行われていた貸金業者の貸付取引の多くに貸金業法43条1項の適用が認められないことが事実上明らかになったとしても,和解の基礎ないし前提事実に関する錯誤となるものではなく,民法95条の適用はないから,真実は過払金が発生しているのに残債務が存在すると誤信したという錯誤によって,上記和解契約が無効となることはない。
事件番号平成22(ネ)397
事件名不当利得返還請求事件
裁判所大阪高等裁判所 第5民事部
裁判年月日平成22年6月17日
結果その他
原審裁判所和歌山地方裁判所
原審事件番号平成21(ワ)134
判示事項
貸金業者と消費貸借取引をした債務者が,弁護士を代理人として,この貸金業者との間で,残債務の存在を確認して分割弁済を約し,清算条項を付して裁判外の和解契約をし,その際この弁護士が過払金が発生している可能性を認識していた事案において,この和解契約が強行法規違反若しくは公序良俗違反又は錯誤により無効であるとする債務者の主張を排斥した事例
裁判要旨
貸金業者と消費貸借取引をした債務者が,平成12年に,弁護士を代理人として,上記貸金業者との間で,残債務の存在を確認して分割弁済を約し,清算条項を付して裁判外の和解契約をし,その際この弁護士が過払金が発生している可能性を認識していたなどの事実関係の下においては,?上記和解契約自体が強行法規たる利息制限法違反ないし公序良俗違反により無効となることはなく,?残債務や過払金の有無に関する錯誤は,民法696条にいう和解によってやめることを約した争いの目的たる権利についての錯誤にすぎず,その後最高裁平成18年1月13日第二小法廷判決(民集60巻1号1頁)によって,従前行われていた貸金業者の貸付取引の多くに貸金業法43条1項の適用が認められないことが事実上明らかになったとしても,和解の基礎ないし前提事実に関する錯誤となるものではなく,民法95条の適用はないから,真実は過払金が発生しているのに残債務が存在すると誤信したという錯誤によって,上記和解契約が無効となることはない。
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