事件番号平成23(受)1107
事件名地位確認等請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日平成24年11月29日
裁判種別判決
結果棄却
原審裁判所大阪高等裁判所
原審事件番号平成22(ネ)3123
原審裁判年月日平成23年3月25日
事案の概要本件は,上告人において定年に達した後引き続き1年間の嘱託雇用契約により雇用されていた被上告人が,上告人に対し同契約終了後の継続雇用を求めたものの拒絶されたことから,被上告人は上告人が定めた高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「法」という。)9条2項所定の「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」(以下「継続雇用基準」という。)を満たす者を採用する旨の制度により再雇用されたなどと主張して,上告人を相手に,雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに同契約に基づき週40時間(予備的に週30時間)の労働時間に対応する額の賃金及びその遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に基づく再雇用の制度を導入した事業主とその従業員との間に,当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係の存続が認められた事例
裁判要旨高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め,継続雇用を希望する高年齢者のうち当該基準を満たす者を再雇用する旨の制度を導入した事業主が,継続雇用を希望する高年齢者たる従業員につき,当該基準を満たしていないとして再雇用しなかった場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,当該事業主と当該従業員との間に,従前の雇用契約の終了後も当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当である。
(1) 当該基準は,高年齢者の在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を所定の方法で点数化し,総点数が0点以上の高年齢者を再雇用するというものであり,当該制度においては,再雇用される高年齢者の継続雇用の最長期限及び労働時間の上限が定められ,従前の基本給の額及び再雇用後の労働時間から所定の計算式で算出される金額が本給の最低基準とされていた。
(2) 当該従業員は,在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を上記方法で点数化すると,総点数が1点となり,当該基準を満たす者であった。
(3) 従前の雇用契約の終期の到来により当該従業員の雇用が終了したものとすることをやむを得ないものとみるべき特段の事情はうかがわれない。
事件番号平成23(受)1107
事件名地位確認等請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日平成24年11月29日
裁判種別判決
結果棄却
原審裁判所大阪高等裁判所
原審事件番号平成22(ネ)3123
原審裁判年月日平成23年3月25日
事案の概要
本件は,上告人において定年に達した後引き続き1年間の嘱託雇用契約により雇用されていた被上告人が,上告人に対し同契約終了後の継続雇用を求めたものの拒絶されたことから,被上告人は上告人が定めた高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「法」という。)9条2項所定の「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」(以下「継続雇用基準」という。)を満たす者を採用する旨の制度により再雇用されたなどと主張して,上告人を相手に,雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに同契約に基づき週40時間(予備的に週30時間)の労働時間に対応する額の賃金及びその遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に基づく再雇用の制度を導入した事業主とその従業員との間に,当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係の存続が認められた事例
裁判要旨
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項所定の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め,継続雇用を希望する高年齢者のうち当該基準を満たす者を再雇用する旨の制度を導入した事業主が,継続雇用を希望する高年齢者たる従業員につき,当該基準を満たしていないとして再雇用しなかった場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,当該事業主と当該従業員との間に,従前の雇用契約の終了後も当該制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当である。
(1) 当該基準は,高年齢者の在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を所定の方法で点数化し,総点数が0点以上の高年齢者を再雇用するというものであり,当該制度においては,再雇用される高年齢者の継続雇用の最長期限及び労働時間の上限が定められ,従前の基本給の額及び再雇用後の労働時間から所定の計算式で算出される金額が本給の最低基準とされていた。
(2) 当該従業員は,在職中の業務実態及び業務能力に係る査定等の内容を上記方法で点数化すると,総点数が1点となり,当該基準を満たす者であった。
(3) 従前の雇用契約の終期の到来により当該従業員の雇用が終了したものとすることをやむを得ないものとみるべき特段の事情はうかがわれない。
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