事件番号 | 平成23(受)1493 |
---|---|
事件名 | 損害賠償請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 平成25年3月7日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
原審裁判所 | 福岡高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成20(ネ)658 |
原審裁判年月日 | 平成23年4月27日 |
事案の概要 | 本件は,被上告人が,銀行である上告人との間で行った金利スワップ取引(以下「本件取引」という。)に係る契約(以下「本件契約」という。)を締結した際,上告人に説明義務違反等があったと主張して,上告人に対し,不法行為等に基づく損害賠償を求める事案である。 |
判示事項 | 銀行と顧客との間で固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引に係る契約を締結した際に銀行に説明義務違反があったとはいえないとされた事例 |
裁判要旨 | 銀行と顧客企業との間で,変動金利が上昇した際のリスクヘッジのため,同一通貨間で,一定の想定元本,取引期間等を設定し,固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引が行われた場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記取引に係る契約締結の際,銀行が,顧客に対し,中途解約時の清算金の具体的な算定方法等について十分な説明をしなかったとしても,銀行に説明義務違反があったということはできない。 (1) 上記取引は,将来の金利変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右される基本的な構造ないし原理自体が単純な仕組みのものであって,企業経営者であれば,その理解が一般に困難なものではない。 (2) 銀行は,顧客に対し,上記取引の基本的な仕組み等を説明するとともに,変動金利が一定の利率を上回らなければ,融資における金利の支払よりも多額の金利を支払うリスクがある旨を説明した。 (3) 上記契約の締結に先立ち銀行が説明のために顧客に交付した書面には,上記契約が銀行の承諾なしに中途解約をすることができないものであることに加え,銀行の承諾を得て中途解約をする場合には顧客が清算金の支払義務を負う可能性があることが明示されていた。 |
事件番号 | 平成23(受)1493 |
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事件名 | 損害賠償請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 平成25年3月7日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
原審裁判所 | 福岡高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成20(ネ)658 |
原審裁判年月日 | 平成23年4月27日 |
事案の概要 |
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本件は,被上告人が,銀行である上告人との間で行った金利スワップ取引(以下「本件取引」という。)に係る契約(以下「本件契約」という。)を締結した際,上告人に説明義務違反等があったと主張して,上告人に対し,不法行為等に基づく損害賠償を求める事案である。 |
判示事項 |
銀行と顧客との間で固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引に係る契約を締結した際に銀行に説明義務違反があったとはいえないとされた事例 |
裁判要旨 |
銀行と顧客企業との間で,変動金利が上昇した際のリスクヘッジのため,同一通貨間で,一定の想定元本,取引期間等を設定し,固定金利と変動金利を交換してその差額を決済するという金利スワップ取引が行われた場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記取引に係る契約締結の際,銀行が,顧客に対し,中途解約時の清算金の具体的な算定方法等について十分な説明をしなかったとしても,銀行に説明義務違反があったということはできない。 (1) 上記取引は,将来の金利変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右される基本的な構造ないし原理自体が単純な仕組みのものであって,企業経営者であれば,その理解が一般に困難なものではない。 (2) 銀行は,顧客に対し,上記取引の基本的な仕組み等を説明するとともに,変動金利が一定の利率を上回らなければ,融資における金利の支払よりも多額の金利を支払うリスクがある旨を説明した。 (3) 上記契約の締結に先立ち銀行が説明のために顧客に交付した書面には,上記契約が銀行の承諾なしに中途解約をすることができないものであることに加え,銀行の承諾を得て中途解約をする場合には顧客が清算金の支払義務を負う可能性があることが明示されていた。 |