事件番号平成24(行ウ)854
事件名更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成26年2月18日
事案の概要本件は,原告が,父である被相続人A(以下「亡A」という。)の平成16年 ▲ 月 ▲ 日死亡により開始した相続(以下「本件相続」という。)につき,亡Aの相続財産にB株式会社(以下「B」という。)の株式(以下「本件株式」という。)が含まれ,その価額が1株当たり1083円であるとして相続税の申告をしていたものの,その後,本件株式の譲渡をめぐって原告と株式会社C(以下「C」という。)等との間に係属した訴訟において東京地方裁判所が平成22年11月19日に言い渡した判決により,亡Aの相続財産に含まれていたのは本件株式ではなくCに譲渡された本件株式の売買代金請求権(1株当たり642円)であったことが確定したなどとして,国税通則法(平成23年法律第114号による改正前のもの。以下「通則法」という。)23条2項1号に基づき,平成23年1月18日付けで上記相続税に係る更正の請求をしたところ,渋谷税務署長から,更正をすべき理由がない旨の通知処分(本件通知処分)を受けたことから,その取消しを求める事案である。
判示事項相続財産に株式が含まれるとして相続税の申告をした相続人が,別件民事訴訟の判決において当該株式は相続財産に含まれていなかったことが確定したなどとしてした相続税に係る更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分が適法であるとされた事例
裁判要旨相続財産に株式が含まれるとして相続税の申告をした相続人が,別件民事訴訟の判決において当該株式は相続財産に含まれていなかったことが確定したなどとしてした相続税に係る更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分につき,当該民事訴訟の訴訟物は,不法行為に基づく損害賠償請求権及び不当利得返還請求権であって,①相続開始時における当該株式の帰属自体でも,それと表裏一体の関係にあるといい得る権利関係でもなく,当該判決は,その理由中にせよ,当該株式が相続開始時に相続財産に含まれないことを判示したものではなく,②また,相続開始時における当該株式の売買予約の存否自体でも,それと表裏一体の関係にあるといい得る権利関係でもなく,当該判決の理由中の判断が,当該売買予約が成立したことをいう趣旨のものであることが明らかであるとまでもいえず,いずれにせよ,当該判決によって,国税通則法23条2項1号にいう「更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた(略)事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定した」ということはできないなどとして,前記通知処分を適法とした事例
事件番号平成24(行ウ)854
事件名更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成26年2月18日
事案の概要
本件は,原告が,父である被相続人A(以下「亡A」という。)の平成16年 ▲ 月 ▲ 日死亡により開始した相続(以下「本件相続」という。)につき,亡Aの相続財産にB株式会社(以下「B」という。)の株式(以下「本件株式」という。)が含まれ,その価額が1株当たり1083円であるとして相続税の申告をしていたものの,その後,本件株式の譲渡をめぐって原告と株式会社C(以下「C」という。)等との間に係属した訴訟において東京地方裁判所が平成22年11月19日に言い渡した判決により,亡Aの相続財産に含まれていたのは本件株式ではなくCに譲渡された本件株式の売買代金請求権(1株当たり642円)であったことが確定したなどとして,国税通則法(平成23年法律第114号による改正前のもの。以下「通則法」という。)23条2項1号に基づき,平成23年1月18日付けで上記相続税に係る更正の請求をしたところ,渋谷税務署長から,更正をすべき理由がない旨の通知処分(本件通知処分)を受けたことから,その取消しを求める事案である。
判示事項
相続財産に株式が含まれるとして相続税の申告をした相続人が,別件民事訴訟の判決において当該株式は相続財産に含まれていなかったことが確定したなどとしてした相続税に係る更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分が適法であるとされた事例
裁判要旨
相続財産に株式が含まれるとして相続税の申告をした相続人が,別件民事訴訟の判決において当該株式は相続財産に含まれていなかったことが確定したなどとしてした相続税に係る更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分につき,当該民事訴訟の訴訟物は,不法行為に基づく損害賠償請求権及び不当利得返還請求権であって,①相続開始時における当該株式の帰属自体でも,それと表裏一体の関係にあるといい得る権利関係でもなく,当該判決は,その理由中にせよ,当該株式が相続開始時に相続財産に含まれないことを判示したものではなく,②また,相続開始時における当該株式の売買予約の存否自体でも,それと表裏一体の関係にあるといい得る権利関係でもなく,当該判決の理由中の判断が,当該売買予約が成立したことをいう趣旨のものであることが明らかであるとまでもいえず,いずれにせよ,当該判決によって,国税通則法23条2項1号にいう「更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた(略)事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定した」ということはできないなどとして,前記通知処分を適法とした事例
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