事件番号平成25(行ウ)66
事件名作業中止命令処分取消等請求事件
裁判所名古屋地方裁判所
裁判年月日平成27年3月12日
事案の概要本件は,砂利採取業等を営む株式会社である原告が,別紙「物件目録1」記載の各土地を掘削して砂利を採取しようとしたところ,α町地下水の水質保全に関する条例(平成12年α町条例第47号。以下「本件条例」という。)10条の2が定める禁止作業に当たることを理由として,α町長から,本件条例11条5項に基づき,平成24年11月12日付けで上記掘削作業の中止命令(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分の取消しを求めるとともに,違法な本件処分により損害を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,532万4815円及びこれに対する平成24年11月12日(本件処分の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
判示事項地方公共団体の条例(地下水の水質保全に関する条例)が禁止する掘削作業であることを理由として砂利採取作業の中止命令を受けた砂利採取業者が上記命令の取消しを求めた請求が棄却された事例
裁判要旨掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を行う場合には,その掘削跡全部につき,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂で埋め戻すことを要することとし,在来の土砂以外の土砂を使って掘削跡の全部又は一部を埋め戻す作業を伴う掘削を行うことを禁止する内容の条例の定めにつき,その規制措置が憲法22条1項にいう公共の福祉のために要求されるものとして是認されるかどうかは,これを一律に論ずることができず,具体的な規制措置について,規制の目的,必要性,内容,これによって制限される営業の自由の性質,内容及び制限の程度を検討し,これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならないとした上で,上記規制には,土砂の掘削後の埋め戻しに使用される土砂を介して地下水の水質が汚染されることを防止して住民の健康を保持するという規制目的を達成するための規制手段としての必要性と合理性を認めることができ,憲法94条に基づく条例の制定権限を有する地方公共団体としての合理的裁量の範囲内にあるというべきであるから,憲法22条1項に違反するとはいえないとした事例
事件番号平成25(行ウ)66
事件名作業中止命令処分取消等請求事件
裁判所名古屋地方裁判所
裁判年月日平成27年3月12日
事案の概要
本件は,砂利採取業等を営む株式会社である原告が,別紙「物件目録1」記載の各土地を掘削して砂利を採取しようとしたところ,α町地下水の水質保全に関する条例(平成12年α町条例第47号。以下「本件条例」という。)10条の2が定める禁止作業に当たることを理由として,α町長から,本件条例11条5項に基づき,平成24年11月12日付けで上記掘削作業の中止命令(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分の取消しを求めるとともに,違法な本件処分により損害を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,532万4815円及びこれに対する平成24年11月12日(本件処分の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
判示事項
地方公共団体の条例(地下水の水質保全に関する条例)が禁止する掘削作業であることを理由として砂利採取作業の中止命令を受けた砂利採取業者が上記命令の取消しを求めた請求が棄却された事例
裁判要旨
掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を行う場合には,その掘削跡全部につき,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂で埋め戻すことを要することとし,在来の土砂以外の土砂を使って掘削跡の全部又は一部を埋め戻す作業を伴う掘削を行うことを禁止する内容の条例の定めにつき,その規制措置が憲法22条1項にいう公共の福祉のために要求されるものとして是認されるかどうかは,これを一律に論ずることができず,具体的な規制措置について,規制の目的,必要性,内容,これによって制限される営業の自由の性質,内容及び制限の程度を検討し,これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならないとした上で,上記規制には,土砂の掘削後の埋め戻しに使用される土砂を介して地下水の水質が汚染されることを防止して住民の健康を保持するという規制目的を達成するための規制手段としての必要性と合理性を認めることができ,憲法94条に基づく条例の制定権限を有する地方公共団体としての合理的裁量の範囲内にあるというべきであるから,憲法22条1項に違反するとはいえないとした事例
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