事件番号 | 平成25(受)1989 |
---|---|
事件名 | 不当利得返還請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
裁判年月日 | 平成27年9月15日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | その他 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成25(ネ)2127 |
原審裁判年月日 | 平成25年6月19日 |
事案の概要 | 本件は,被上告人が,貸金業者である株式会社A(以下「A」という。)外1社及び両社を吸収合併した上告人との間の継続的な各金銭消費貸借取引に係る各弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)1条1項所定の制限利率を超えて利息として支払われた部分を各元金に充当するといずれも過払金が発生していると主張して,上告人に対し,不当利得返還請求権に基づき,過払金合計354万4715円及び民法704条前段所定の利息(以下「法定利息」という。)の支払を求める事案である。 |
判示事項 | 過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取引の当事者間で特定調停手続において成立した調停であって,借主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項及びいわゆる清算条項を含むものが公序良俗に反するものとはいえないとされた事例 |
裁判要旨 | 過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取引に関し,借主と貸金業者との間で特定調停手続において成立した調停であって,借主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項及び調停条項に定めるほか何らの債権債務がないことを確認する旨のいわゆる清算条項を含むものは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,全体として公序良俗に反するものということはできない。 (1) 上記調停における調停の目的は,上記の継続的な金銭消費貸借取引のうち特定の期間内に借主が貸金業者から借り受けた借受金等の債務であると文言上明記され,上記確認条項及び上記清算条項もこれを前提とするものである。 (2) 上記確認条項は,上記(1)の借受金等の残債務として,上記特定の期間内の借受け及びこれに対する返済を利息制限法所定の制限利率に引き直して計算した残元利金を超えない金額の支払義務を確認する内容のものである。 (3) 上記清算条項に,上記の継続的な金銭消費貸借取引全体によって生ずる過払金返還請求権等の債権を特に対象とする旨の文言はない。 |
事件番号 | 平成25(受)1989 |
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事件名 | 不当利得返還請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
裁判年月日 | 平成27年9月15日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | その他 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成25(ネ)2127 |
原審裁判年月日 | 平成25年6月19日 |
事案の概要 |
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本件は,被上告人が,貸金業者である株式会社A(以下「A」という。)外1社及び両社を吸収合併した上告人との間の継続的な各金銭消費貸借取引に係る各弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下同じ。)1条1項所定の制限利率を超えて利息として支払われた部分を各元金に充当するといずれも過払金が発生していると主張して,上告人に対し,不当利得返還請求権に基づき,過払金合計354万4715円及び民法704条前段所定の利息(以下「法定利息」という。)の支払を求める事案である。 |
判示事項 |
過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取引の当事者間で特定調停手続において成立した調停であって,借主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項及びいわゆる清算条項を含むものが公序良俗に反するものとはいえないとされた事例 |
裁判要旨 |
過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取引に関し,借主と貸金業者との間で特定調停手続において成立した調停であって,借主の貸金業者に対する残債務の存在を認める旨の確認条項及び調停条項に定めるほか何らの債権債務がないことを確認する旨のいわゆる清算条項を含むものは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,全体として公序良俗に反するものということはできない。 (1) 上記調停における調停の目的は,上記の継続的な金銭消費貸借取引のうち特定の期間内に借主が貸金業者から借り受けた借受金等の債務であると文言上明記され,上記確認条項及び上記清算条項もこれを前提とするものである。 (2) 上記確認条項は,上記(1)の借受金等の残債務として,上記特定の期間内の借受け及びこれに対する返済を利息制限法所定の制限利率に引き直して計算した残元利金を超えない金額の支払義務を確認する内容のものである。 (3) 上記清算条項に,上記の継続的な金銭消費貸借取引全体によって生ずる過払金返還請求権等の債権を特に対象とする旨の文言はない。 |