事件番号平成26(行ウ)113
事件名加入員減少に係る一括徴収金納入告知処分取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年4月28日
事案の概要本件は,光学機械器具及びレンズの製造を主たる業とする事業所等を設立事業所(厚生年金基金が設立された適用事業所をいう。以下同じ。)とする厚生年金基金(以下「基金」という。)である被告の設立事業所の事業主である原告が,事業の一部を設立事業所以外の会社に譲渡したところ,被告から,上記の事業譲渡により被告の加入員が減少したことを理由として,規約に基づき,加入員減少に係る一括徴収金の納入告知処分(以下「本件納入告知処分」という。)を受けたことから,上記規約の条項及びその根拠となる法令が憲法22条1項に違反して無効であること,上記の加入員減少が上記規約の条項の適用要件を充足しないこと,本件納入告知処分について裁量権の範囲の逸脱又は濫用があることなどを主張して,本件納入告知処分の取消しを求める事案である。
判示事項厚生年金基金の設立事業所の事業主による事業の一部譲渡により当該厚生年金基金の加入員が減少したことを理由として行われた一括徴収金の納入告知処分が適法とされた事例
裁判要旨厚生年金基金が,設立事務所の事業主が事業の一部を設立事業所以外の会社に譲渡したことによって当該厚生年金基金の加入員が減少したとして,厚生年金保険法(平成25年法律第63号による改正前のもの)138条5項,厚生年金基金規則(平成26年厚生労働省令第20号による廃止前のもの)32条の3の2に基づいて定めた規約の条項に基づいて当該事業主に対して行った一括徴収金の納入告知処分は,上記規約の条項及びその根拠となる法令の条項が憲法22条1項に違反するものではなく,また,上記規約の条項を適用するためには加入員を減少させることで掛金の負担を免れようという事業主の主観的意図は要件とならず,さらに,事業譲渡に伴う加入員減少という事実が発生した時点で,厚生労働省「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する特別本部」が厚生年金基金の代行制度については他の企業年金制度への移行を促進しつつ一定の経過期間をおいて廃止する方向で対応することを決定していたという事情や,納入告知処分がされた時点で当該厚生年金基金が既に解散の方針を決議していたという事情を考慮したとしても,「継続基準方式」によって特別掛金を計算したことが設立事業所間の負担の公平を著しく害するものではなく,上記納入告知処分を違法ならしめる瑕疵があるとはいえないから,適法である。
事件番号平成26(行ウ)113
事件名加入員減少に係る一括徴収金納入告知処分取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日平成27年4月28日
事案の概要
本件は,光学機械器具及びレンズの製造を主たる業とする事業所等を設立事業所(厚生年金基金が設立された適用事業所をいう。以下同じ。)とする厚生年金基金(以下「基金」という。)である被告の設立事業所の事業主である原告が,事業の一部を設立事業所以外の会社に譲渡したところ,被告から,上記の事業譲渡により被告の加入員が減少したことを理由として,規約に基づき,加入員減少に係る一括徴収金の納入告知処分(以下「本件納入告知処分」という。)を受けたことから,上記規約の条項及びその根拠となる法令が憲法22条1項に違反して無効であること,上記の加入員減少が上記規約の条項の適用要件を充足しないこと,本件納入告知処分について裁量権の範囲の逸脱又は濫用があることなどを主張して,本件納入告知処分の取消しを求める事案である。
判示事項
厚生年金基金の設立事業所の事業主による事業の一部譲渡により当該厚生年金基金の加入員が減少したことを理由として行われた一括徴収金の納入告知処分が適法とされた事例
裁判要旨
厚生年金基金が,設立事務所の事業主が事業の一部を設立事業所以外の会社に譲渡したことによって当該厚生年金基金の加入員が減少したとして,厚生年金保険法(平成25年法律第63号による改正前のもの)138条5項,厚生年金基金規則(平成26年厚生労働省令第20号による廃止前のもの)32条の3の2に基づいて定めた規約の条項に基づいて当該事業主に対して行った一括徴収金の納入告知処分は,上記規約の条項及びその根拠となる法令の条項が憲法22条1項に違反するものではなく,また,上記規約の条項を適用するためには加入員を減少させることで掛金の負担を免れようという事業主の主観的意図は要件とならず,さらに,事業譲渡に伴う加入員減少という事実が発生した時点で,厚生労働省「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する特別本部」が厚生年金基金の代行制度については他の企業年金制度への移行を促進しつつ一定の経過期間をおいて廃止する方向で対応することを決定していたという事情や,納入告知処分がされた時点で当該厚生年金基金が既に解散の方針を決議していたという事情を考慮したとしても,「継続基準方式」によって特別掛金を計算したことが設立事業所間の負担の公平を著しく害するものではなく,上記納入告知処分を違法ならしめる瑕疵があるとはいえないから,適法である。
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