事件番号平成26(行コ)51
事件名更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成24年(行ウ)第183号)
裁判所大阪高等裁判所
裁判年月日平成27年3月6日
事案の概要本件は,亡A(以下「被相続人」という。)の相続に関し,相続人である控訴人ら及びBが,Bが被相続人の遺産を全部相続した上で控訴人らに対して各5000万円の代償金を支払う旨の遺産分割協議を行い,控訴人らはこれに基づいて相続税の申告をし,上記代償金各5000万円に対応する相続税を納付したところ,その後,Bが上記代償金を支払わない上,自己の相続税を滞納したため,連帯納付義務の履行を求められるに至った控訴人らが,Bとの間で上記遺産分割協議を解除した上で再度遺産分割協議を行い,その結果,控訴人らはいずれも相続財産を取得しないことになったと主張して,それぞれ相続税の更正の請求(以下「本件各更正請求」という。)をしたのに対し,八尾税務署長から,いずれも更正をすべき理由がない旨の各通知処分(以下「本件各通知処分」という。)を受けたことから,本件各通知処分の取消しを請求した事案である。
判示事項遺産分割に係る代償債務の不履行を理由として,その成立後にされた遺産分割協議の合意解除が,国税通則法施行令6条1項2号にいう「当該契約の成立後生じたやむを得ない事情」による解除に当たるとはいえないとされた事例
裁判要旨遺産分割に係る代償債務の不履行を理由として,その成立後にされた遺産分割協議の合意解除は,遺産分割協議が何らの錯誤や誤信等もなく成立したが,長年にわたって遺産分割に係る代償債権の回収が図られず,その結果,経済事情の変動等が原因で上記債権が経済的に無価値となった上,そのような事態が生じてから更に3年以上が経過した後,相続税の連帯納付義務を免れる目的をもって遺産分割協議が合意解除されたという事情の下では,国税通則法施行令6条1項2号にいう「当該契約の成立後生じたやむを得ない事情」による解除に当たるとはいえない。
事件番号平成26(行コ)51
事件名更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成24年(行ウ)第183号)
裁判所大阪高等裁判所
裁判年月日平成27年3月6日
事案の概要
本件は,亡A(以下「被相続人」という。)の相続に関し,相続人である控訴人ら及びBが,Bが被相続人の遺産を全部相続した上で控訴人らに対して各5000万円の代償金を支払う旨の遺産分割協議を行い,控訴人らはこれに基づいて相続税の申告をし,上記代償金各5000万円に対応する相続税を納付したところ,その後,Bが上記代償金を支払わない上,自己の相続税を滞納したため,連帯納付義務の履行を求められるに至った控訴人らが,Bとの間で上記遺産分割協議を解除した上で再度遺産分割協議を行い,その結果,控訴人らはいずれも相続財産を取得しないことになったと主張して,それぞれ相続税の更正の請求(以下「本件各更正請求」という。)をしたのに対し,八尾税務署長から,いずれも更正をすべき理由がない旨の各通知処分(以下「本件各通知処分」という。)を受けたことから,本件各通知処分の取消しを請求した事案である。
判示事項
遺産分割に係る代償債務の不履行を理由として,その成立後にされた遺産分割協議の合意解除が,国税通則法施行令6条1項2号にいう「当該契約の成立後生じたやむを得ない事情」による解除に当たるとはいえないとされた事例
裁判要旨
遺産分割に係る代償債務の不履行を理由として,その成立後にされた遺産分割協議の合意解除は,遺産分割協議が何らの錯誤や誤信等もなく成立したが,長年にわたって遺産分割に係る代償債権の回収が図られず,その結果,経済事情の変動等が原因で上記債権が経済的に無価値となった上,そのような事態が生じてから更に3年以上が経過した後,相続税の連帯納付義務を免れる目的をもって遺産分割協議が合意解除されたという事情の下では,国税通則法施行令6条1項2号にいう「当該契約の成立後生じたやむを得ない事情」による解除に当たるとはいえない。
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