事件番号 | 平成26(受)1351 |
---|---|
事件名 | 保証債務請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
裁判年月日 | 平成28年1月12日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄差戻 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成25(ネ)3489 |
原審裁判年月日 | 平成26年3月12日 |
事案の概要 | 本件は,主債務者から信用保証の委託を受けた上告人と保証契約を締結していた被上告人が,上告人に対し,同契約に基づき,保証債務の履行を求める事案である。 |
判示事項 | 1 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結されて融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,信用保証協会の保証契約の意思表示に要素の錯誤がないとされた事例 2 金融機関による融資の主債務者が反社会的勢力であったときにおける信用保証協会と金融機関との間の信用保証に関する基本契約に定められた保証債務の免責条項にいう「保証契約に違反したとき」に当たる場合 |
裁判要旨 | 1 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,上記保証契約の当事者がそれぞれの業務に照らし,上記の場合が生じ得ることを想定でき,その場合に信用保証協会が保証債務を履行しない旨をあらかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であったにもかかわらず,上記当事者間の信用保証に関する基本契約及び上記保証契約等にその場合の取扱いについての定めが置かれていないなど判示の事情の下では,主債務者が反社会的勢力でないことという信用保証協会の動機は,明示又は黙示に表示されていたとしても,当事者の意思解釈上,上記保証契約の内容となっていたとは認められず,信用保証協会の上記保証契約の意思表示に要素の錯誤はない。 2 金融機関が,主債務者が反社会的勢力であるか否かについて相当な調査をすべきであるという信用保証協会との間の信用保証に関する基本契約上の付随義務に違反して,その結果,反社会的勢力を主債務者とする融資について保証契約が締結された場合には,上記基本契約に定められた保証債務の免責条項にいう金融機関が「保証契約に違反したとき」に当たる。 |
事件番号 | 平成26(受)1351 |
---|---|
事件名 | 保証債務請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
裁判年月日 | 平成28年1月12日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄差戻 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 平成25(ネ)3489 |
原審裁判年月日 | 平成26年3月12日 |
事案の概要 |
---|
本件は,主債務者から信用保証の委託を受けた上告人と保証契約を締結していた被上告人が,上告人に対し,同契約に基づき,保証債務の履行を求める事案である。 |
判示事項 |
1 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結されて融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,信用保証協会の保証契約の意思表示に要素の錯誤がないとされた事例 2 金融機関による融資の主債務者が反社会的勢力であったときにおける信用保証協会と金融機関との間の信用保証に関する基本契約に定められた保証債務の免責条項にいう「保証契約に違反したとき」に当たる場合 |
裁判要旨 |
1 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,上記保証契約の当事者がそれぞれの業務に照らし,上記の場合が生じ得ることを想定でき,その場合に信用保証協会が保証債務を履行しない旨をあらかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であったにもかかわらず,上記当事者間の信用保証に関する基本契約及び上記保証契約等にその場合の取扱いについての定めが置かれていないなど判示の事情の下では,主債務者が反社会的勢力でないことという信用保証協会の動機は,明示又は黙示に表示されていたとしても,当事者の意思解釈上,上記保証契約の内容となっていたとは認められず,信用保証協会の上記保証契約の意思表示に要素の錯誤はない。 2 金融機関が,主債務者が反社会的勢力であるか否かについて相当な調査をすべきであるという信用保証協会との間の信用保証に関する基本契約上の付随義務に違反して,その結果,反社会的勢力を主債務者とする融資について保証契約が締結された場合には,上記基本契約に定められた保証債務の免責条項にいう金融機関が「保証契約に違反したとき」に当たる。 |