事件番号平成27(ネ)157
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所札幌高等裁判所 第2民事部
裁判年月日平成28年5月20日
事案の概要本件は,被控訴人が,札幌市豊平区所在の全天候型多目的施設である「札幌ドーム」(以下「本件ドーム」という。)において平成22年8月21日に行われたプロ野球の試合(以下「本件試合」という。)を1塁側内野自由席18番通路10列30番の座席(以下「本件座席」という。)で観戦中に,打者の打ったファウルボールが被控訴人の顔面に直撃して右眼球破裂等の傷害を負った事故(以下「本件事故」という。)について,本件ドームには通常有すべき安全性を備えていない瑕疵があった,控訴人らは観客をファウルボールから保護するための安全設備の設置及び安全対策を怠ったなどと主張して,①本件試合を主催し,本件ドームを占有していた控訴人ファイターズに対しては,(a)工作物責任(民法717条1項)(b)不法行為(民法709条)又は(c)債務不履行(野球観戦契約上の安全配慮義務違反)に基づき,②指定管理者として本件ドームを占有していた控訴人札幌ドームに対しては,(d)工作物責任(民法717条1項)又は(e)不法行為(民法709条)に基づき,③本件ドームを所有していた控訴人札幌市(以下「控訴人市」という。)に対しては,(f)営造物責任(国家賠償法2条1項)又は(g)不法行為(民法709条)に基づき,損害賠償金4659万5884円及びこれに対する平成22年8月21日(本件事故の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
判示事項の要旨プロ野球の試合を観戦中,打者の打ったファウルボールが被控訴人の顔面に直撃し右眼球破裂により失明した事故について,球場に設けられていた安全設備等に工作物責任ないし営造物責任上の瑕疵があったとは認められないが,球団運営会社は野球観戦契約に信義則上付随する安全配慮義務を尽くしたとは認められないとして,原審の判断を変更し,被控訴人の控訴人らに対する上記各責任に基づく損害賠償請求をいずれも棄却する一方,球団運営会社に対する債務不履行(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償請求を一部認容した事案
事件番号平成27(ネ)157
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判所札幌高等裁判所 第2民事部
裁判年月日平成28年5月20日
事案の概要
本件は,被控訴人が,札幌市豊平区所在の全天候型多目的施設である「札幌ドーム」(以下「本件ドーム」という。)において平成22年8月21日に行われたプロ野球の試合(以下「本件試合」という。)を1塁側内野自由席18番通路10列30番の座席(以下「本件座席」という。)で観戦中に,打者の打ったファウルボールが被控訴人の顔面に直撃して右眼球破裂等の傷害を負った事故(以下「本件事故」という。)について,本件ドームには通常有すべき安全性を備えていない瑕疵があった,控訴人らは観客をファウルボールから保護するための安全設備の設置及び安全対策を怠ったなどと主張して,①本件試合を主催し,本件ドームを占有していた控訴人ファイターズに対しては,(a)工作物責任(民法717条1項)(b)不法行為(民法709条)又は(c)債務不履行(野球観戦契約上の安全配慮義務違反)に基づき,②指定管理者として本件ドームを占有していた控訴人札幌ドームに対しては,(d)工作物責任(民法717条1項)又は(e)不法行為(民法709条)に基づき,③本件ドームを所有していた控訴人札幌市(以下「控訴人市」という。)に対しては,(f)営造物責任(国家賠償法2条1項)又は(g)不法行為(民法709条)に基づき,損害賠償金4659万5884円及びこれに対する平成22年8月21日(本件事故の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
判示事項の要旨
プロ野球の試合を観戦中,打者の打ったファウルボールが被控訴人の顔面に直撃し右眼球破裂により失明した事故について,球場に設けられていた安全設備等に工作物責任ないし営造物責任上の瑕疵があったとは認められないが,球団運営会社は野球観戦契約に信義則上付随する安全配慮義務を尽くしたとは認められないとして,原審の判断を変更し,被控訴人の控訴人らに対する上記各責任に基づく損害賠償請求をいずれも棄却する一方,球団運営会社に対する債務不履行(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償請求を一部認容した事案
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