事件番号平成29(行ケ)2
事件名選挙無効請求事件
裁判所大阪高等裁判所 第6民事部
裁判年月日平成30年1月31日
結果棄却
事案の概要本件は,平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)について,滋賀県第1区ないし第4区,京都府第1区ないし第6区,大阪府第1区ないし第19区,兵庫県第1区ないし第12区,奈良県第1区ないし第3区,和歌山県第1区ないし第3区の選挙人である原告らが,衆議院小選挙区選出議員の選挙(以下「小選挙区選挙」という。)の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した公職選挙法204条所定の選挙無効訴訟である。
判示事項の要旨1 憲法は,衆議院議員選挙の定数配分及び選挙区割り決定に際し,投票価値の平等を基本とするが,これを絶対の基準とはしていない。立法が具体的な選挙区を定めるに当たっては,都道府県を細分化した市町村その他の行政区画等を基本的な単位として,地域の面積,人口密度,住民構成,交通事情,地理的状況等の様々な要素を考慮することも立法裁量として許され,裁量権の限界を超えこれを是認することができない場合に,初めて違憲となる。
2 平成28年及び29年の公職選挙法改正法が定める衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定(本件区割規定)は,最高裁平成27年11月25日大法廷判決が,投票価値の不平等が違憲状態に達している旨指摘したことを踏まえ,投票価値の較差是正を図ったものであり,その結果,平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙(本件選挙)当日における選挙区間の選挙人数の較差が2倍以上になる選挙区は存在しなかった。本件区割規定は,投票価値の平等に反する状態の是正を最優先課題としながら,国会において考慮することができる上記諸要素を考慮しつつ,両者の調和を図ったものであり,その内容も一般に合理性を有するものと考えられるから,国会に許された立法裁量の範囲内で定められたものということができ,憲法に違反しない。
  よって,本件選挙のうち奈良県第4区を除く近畿2府4県の小選挙区選出議員選挙を無効とすることを求める原告らの請求は理由がない。
                               以 上
事件番号平成29(行ケ)2
事件名選挙無効請求事件
裁判所大阪高等裁判所 第6民事部
裁判年月日平成30年1月31日
結果棄却
事案の概要
本件は,平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)について,滋賀県第1区ないし第4区,京都府第1区ないし第6区,大阪府第1区ないし第19区,兵庫県第1区ないし第12区,奈良県第1区ないし第3区,和歌山県第1区ないし第3区の選挙人である原告らが,衆議院小選挙区選出議員の選挙(以下「小選挙区選挙」という。)の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した公職選挙法204条所定の選挙無効訴訟である。
判示事項の要旨
1 憲法は,衆議院議員選挙の定数配分及び選挙区割り決定に際し,投票価値の平等を基本とするが,これを絶対の基準とはしていない。立法が具体的な選挙区を定めるに当たっては,都道府県を細分化した市町村その他の行政区画等を基本的な単位として,地域の面積,人口密度,住民構成,交通事情,地理的状況等の様々な要素を考慮することも立法裁量として許され,裁量権の限界を超えこれを是認することができない場合に,初めて違憲となる。
2 平成28年及び29年の公職選挙法改正法が定める衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定(本件区割規定)は,最高裁平成27年11月25日大法廷判決が,投票価値の不平等が違憲状態に達している旨指摘したことを踏まえ,投票価値の較差是正を図ったものであり,その結果,平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙(本件選挙)当日における選挙区間の選挙人数の較差が2倍以上になる選挙区は存在しなかった。本件区割規定は,投票価値の平等に反する状態の是正を最優先課題としながら,国会において考慮することができる上記諸要素を考慮しつつ,両者の調和を図ったものであり,その内容も一般に合理性を有するものと考えられるから,国会に許された立法裁量の範囲内で定められたものということができ,憲法に違反しない。
  よって,本件選挙のうち奈良県第4区を除く近畿2府4県の小選挙区選出議員選挙を無効とすることを求める原告らの請求は理由がない。
                               以 上
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