事件番号平成29(ワ)11667
事件名損害賠償請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第7民事部
裁判年月日平成31年3月14日
事案の概要本件は,原告が,近畿財務局長が本件不開示部分を不開示としたのは国家賠償法上違法であると主張して,同法1条1項に基づき,被告に対し,損害賠償25として111万9800円及びこれに対する違法行為である本件不開示決定がされた上記日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨【判示事項】
1 学校法人が作成した私立小学校の設置趣意書の表題の一部(小学校名)及び本文部分が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当しないとされた事例
2 近畿財務局長等が,学校法人が作成した私立小学校の設置趣意書の表題の一部(小学校名)及び本文部分について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当すると判断したことが国家賠償法上違法であるとされた事例

【判決要旨】
1 学校法人森友学園が作成した私立小学校の設置趣意書の本文部分記載の情報は,学校法人としての経営戦略に関する情報としては概括的かつ抽象的なものにとどまり,小学校の運営・経営上のノウハウというべきものではない上,既に,実質的に公にされていたと認められるから,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当するとはいえず,また,上記設置趣意書の表題の一部(小学校名)も,これを知った他の学校法人等が先んじてそれを使用し,又は商標登録するなどして,学校法人森友学園による上記名称の使用が妨げられるといった事態に至る可能性自体が抽象的なものにとどまっていたといえる上,仮にそのような事態に至ったとしても,そのことによって,上記学校法人の競争上の地位が害されることになるとは考えられないから,上記不開示情報に該当するとはいえない。
2 近畿財務局長等は,小学校をめぐる一般的な社会の状況や,新聞報道等によって知り得る学校法人森友学園に関する諸事情,公知の事実等を踏まえ,健全な社会通念に照らして合理的に判断しさえすれば,上記本文部分及び上記小学校名を開示したとしても,上記学校法人の権利,競争上の地位その他正当な利益が害される蓋然性がないとの判断に至ることができたというべきであるから,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と不開示決定をしたものであり,国家賠償法1条1項の違法があったものというべきである。
事件番号平成29(ワ)11667
事件名損害賠償請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第7民事部
裁判年月日平成31年3月14日
事案の概要
本件は,原告が,近畿財務局長が本件不開示部分を不開示としたのは国家賠償法上違法であると主張して,同法1条1項に基づき,被告に対し,損害賠償25として111万9800円及びこれに対する違法行為である本件不開示決定がされた上記日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
【判示事項】
1 学校法人が作成した私立小学校の設置趣意書の表題の一部(小学校名)及び本文部分が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当しないとされた事例
2 近畿財務局長等が,学校法人が作成した私立小学校の設置趣意書の表題の一部(小学校名)及び本文部分について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当すると判断したことが国家賠償法上違法であるとされた事例

【判決要旨】
1 学校法人森友学園が作成した私立小学校の設置趣意書の本文部分記載の情報は,学校法人としての経営戦略に関する情報としては概括的かつ抽象的なものにとどまり,小学校の運営・経営上のノウハウというべきものではない上,既に,実質的に公にされていたと認められるから,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報に該当するとはいえず,また,上記設置趣意書の表題の一部(小学校名)も,これを知った他の学校法人等が先んじてそれを使用し,又は商標登録するなどして,学校法人森友学園による上記名称の使用が妨げられるといった事態に至る可能性自体が抽象的なものにとどまっていたといえる上,仮にそのような事態に至ったとしても,そのことによって,上記学校法人の競争上の地位が害されることになるとは考えられないから,上記不開示情報に該当するとはいえない。
2 近畿財務局長等は,小学校をめぐる一般的な社会の状況や,新聞報道等によって知り得る学校法人森友学園に関する諸事情,公知の事実等を踏まえ,健全な社会通念に照らして合理的に判断しさえすれば,上記本文部分及び上記小学校名を開示したとしても,上記学校法人の権利,競争上の地位その他正当な利益が害される蓋然性がないとの判断に至ることができたというべきであるから,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と不開示決定をしたものであり,国家賠償法1条1項の違法があったものというべきである。
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