事件番号 | 平成31(ネ)535 |
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事件名 | 損害賠償等請求控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第3民事部 |
裁判年月日 | 令和2年2月4日 |
原審裁判所 | 大阪地方裁判所 |
原審事件番号 | 平成27(ワ)6338 |
事案の概要 | 本件は,中国又は中華人民共和国の国民であり,第二次世界大戦中,被控訴人により中国から日本に強制連行され,日本各地の事業場で強制労働に従事させられたと主張する者又はその権利義務を相続により承継した者である控訴人らが,被控訴人に対し,これらの強制連行,強制労働及びその後の被控訴人の対応により精神的損害を被ったと主張して,①ヘーグ陸戦条約3条,②不法行為(中華民国民法,日本国民法)又は③国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償の一部として,別紙2「請求金額一覧表」の請求金額欄記載の金額の慰謝料(遺族固有の慰謝料を含む。)及び弁護士費用の合計額並びにこれに対する訴状送達の日の翌日(原審第1事件の控訴人らについては平成27年9月9日,原審第2事件の控訴人らについては平成28年8月16日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,謝罪文の交付並びに日本及び中華人民共和国で発行されている新聞への謝罪広告の掲載を求めた事案である。 |
判示事項の要旨 | 1 第二次世界大戦中,日本国により中国から日本に強制連行され,日本各地の事業場で強制労働に従事させられたことを原因とする控訴人らの被控訴人に対する慰謝料請求を,最高裁平成19年4月27日第二小法廷判決の考え方に則り,日中共同声明5項によって裁判上訴求する権能を失ったとした原判決の判断は,相当である。 2 強制連行・強制労働という先行行為があったとしても,戦後,侵害の回復という作為義務(とりわけ,金銭支払義務)が別個に生ずるとはいえず,その不履行が別個独立の損害賠償請求権の発生根拠となることはない。 3 昭和29年から昭和35年にかけての国会における外務省アジア局長及び内閣総理大臣の答弁は,具体的な事実を摘示したものではなく,それ自体で被害者らの社会的評価を低下させたとは認められないから,いずれも被害者らに対する名誉棄損とはならない。 |
事件番号 | 平成31(ネ)535 |
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事件名 | 損害賠償等請求控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第3民事部 |
裁判年月日 | 令和2年2月4日 |
原審裁判所 | 大阪地方裁判所 |
原審事件番号 | 平成27(ワ)6338 |
事案の概要 |
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本件は,中国又は中華人民共和国の国民であり,第二次世界大戦中,被控訴人により中国から日本に強制連行され,日本各地の事業場で強制労働に従事させられたと主張する者又はその権利義務を相続により承継した者である控訴人らが,被控訴人に対し,これらの強制連行,強制労働及びその後の被控訴人の対応により精神的損害を被ったと主張して,①ヘーグ陸戦条約3条,②不法行為(中華民国民法,日本国民法)又は③国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償の一部として,別紙2「請求金額一覧表」の請求金額欄記載の金額の慰謝料(遺族固有の慰謝料を含む。)及び弁護士費用の合計額並びにこれに対する訴状送達の日の翌日(原審第1事件の控訴人らについては平成27年9月9日,原審第2事件の控訴人らについては平成28年8月16日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,謝罪文の交付並びに日本及び中華人民共和国で発行されている新聞への謝罪広告の掲載を求めた事案である。 |
判示事項の要旨 |
1 第二次世界大戦中,日本国により中国から日本に強制連行され,日本各地の事業場で強制労働に従事させられたことを原因とする控訴人らの被控訴人に対する慰謝料請求を,最高裁平成19年4月27日第二小法廷判決の考え方に則り,日中共同声明5項によって裁判上訴求する権能を失ったとした原判決の判断は,相当である。 2 強制連行・強制労働という先行行為があったとしても,戦後,侵害の回復という作為義務(とりわけ,金銭支払義務)が別個に生ずるとはいえず,その不履行が別個独立の損害賠償請求権の発生根拠となることはない。 3 昭和29年から昭和35年にかけての国会における外務省アジア局長及び内閣総理大臣の答弁は,具体的な事実を摘示したものではなく,それ自体で被害者らの社会的評価を低下させたとは認められないから,いずれも被害者らに対する名誉棄損とはならない。 |