事件番号令和1(受)1166
事件名損害賠償等請求事件
裁判所最高裁判所第三小法廷
裁判年月日令和3年1月12日
裁判種別判決
結果破棄差戻
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成30(ネ)4546
原審裁判年月日平成31年2月27日
事案の概要1 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人は,平成22年9月,Aが起こした強盗致傷事件の被害に遭った。
Aの父であるBは,平成26年9月,被上告人が自動車を運転中に起こした事故(以下「本件事故」という。)により死亡した。
Bの相続人は,妻であるC並びに子であるA,D及びE(以下「本件相続人ら」という。)であった。
(2) 平成27年11月,上告人の申立てにより,本件相続人らを債務者,被上告人を第三債務者とし,上告人が本件相続人らに対してそれぞれ有する上記強盗致傷事件に係る不法行為に基づく損害賠償請求権(以下,併せて「本件各請求債権」という。)を請求債権,本件相続人らがそれぞれ法定相続分に応じて取得した本件事故によるBの被上告人に対する不法行為に基づく損害賠償請求権(以下,併せて「本件各損害賠償請求権」という。)のうちCのものにつき2411万1953円,Aのものにつき803万7320円,D及びEのものにつき各803万7317円(合計4822万3907円)に満つるまでの部分を仮差押債権とする債権仮差押命令(以下「本件仮差押命令」という。)が発令され,被上告人に送達された。
(3) 被上告人と本件相続人らは,平成28年10月6日,次の内容を含む示談(以下「本件示談」という。)をした。
ア 被上告人は,本件相続人らに対し,本件事故による一切の損害賠償金として合計4063万2940円の支払義務があることを認め,内金3000万1100円を速やかに支払う。
イ 上記内金が支払われたときは,被上告人と本件相続人らとの間には,本件示談で定めるほか,何ら債権債務のないことを相互に確認する。
(4) 本件相続人らは,平成28年10月20日頃,本件事故に関する自動車損害賠償保障法16条1項に基づく損害賠償額の支払請求権について,被上告人が自動車保険契約を締結していた保険会社から,合計3000万1100円の立替払を受けた。
(5) 上告人は,上告人の本件相続人らに対する本件各請求債権に基づく請求を一部認容する旨の仮執行宣言付き判決を得て,これを債務名義として,本件各損害賠償請求権及びその遅延損害金債権のうちCのものにつき3000万円,A,D及びEのものにつき各1000万円に満つるまでの部分につき,本件相続人らを債務者,被上告人を第三債務者とする債権差押命令及び転付命令の申立てをし,平成30年3月7日,これに基づく債権差押命令及び転付命令(以下「本件差押転付命令」という。)が発令された。本件差押転付命令は,同月28日に確定した。
2 本件は,上告人が,被上告人に対し,上告人が本件差押転付命令により取得した本件各損害賠償請求権に基づき,4822万3907円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。上告人が被上告人に対して本件示談において合意された損害賠償金の額である4063万2940円(以下「本件示談金額」という。)を超える額の請求をすることができるか否かが争われている。
判示事項仮差押債務者が債権の仮差押えを受けた後に第三債務者との間で示談をした場合に当該債権に対する転付命令を得た仮差押債権者が第三債務者に対して示談金額を超える額の請求をすることができないとした原審の判断に違法があるとされた事例
事件番号令和1(受)1166
事件名損害賠償等請求事件
裁判所最高裁判所第三小法廷
裁判年月日令和3年1月12日
裁判種別判決
結果破棄差戻
原審裁判所東京高等裁判所
原審事件番号平成30(ネ)4546
原審裁判年月日平成31年2月27日
事案の概要
1 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人は,平成22年9月,Aが起こした強盗致傷事件の被害に遭った。
Aの父であるBは,平成26年9月,被上告人が自動車を運転中に起こした事故(以下「本件事故」という。)により死亡した。
Bの相続人は,妻であるC並びに子であるA,D及びE(以下「本件相続人ら」という。)であった。
(2) 平成27年11月,上告人の申立てにより,本件相続人らを債務者,被上告人を第三債務者とし,上告人が本件相続人らに対してそれぞれ有する上記強盗致傷事件に係る不法行為に基づく損害賠償請求権(以下,併せて「本件各請求債権」という。)を請求債権,本件相続人らがそれぞれ法定相続分に応じて取得した本件事故によるBの被上告人に対する不法行為に基づく損害賠償請求権(以下,併せて「本件各損害賠償請求権」という。)のうちCのものにつき2411万1953円,Aのものにつき803万7320円,D及びEのものにつき各803万7317円(合計4822万3907円)に満つるまでの部分を仮差押債権とする債権仮差押命令(以下「本件仮差押命令」という。)が発令され,被上告人に送達された。
(3) 被上告人と本件相続人らは,平成28年10月6日,次の内容を含む示談(以下「本件示談」という。)をした。
ア 被上告人は,本件相続人らに対し,本件事故による一切の損害賠償金として合計4063万2940円の支払義務があることを認め,内金3000万1100円を速やかに支払う。
イ 上記内金が支払われたときは,被上告人と本件相続人らとの間には,本件示談で定めるほか,何ら債権債務のないことを相互に確認する。
(4) 本件相続人らは,平成28年10月20日頃,本件事故に関する自動車損害賠償保障法16条1項に基づく損害賠償額の支払請求権について,被上告人が自動車保険契約を締結していた保険会社から,合計3000万1100円の立替払を受けた。
(5) 上告人は,上告人の本件相続人らに対する本件各請求債権に基づく請求を一部認容する旨の仮執行宣言付き判決を得て,これを債務名義として,本件各損害賠償請求権及びその遅延損害金債権のうちCのものにつき3000万円,A,D及びEのものにつき各1000万円に満つるまでの部分につき,本件相続人らを債務者,被上告人を第三債務者とする債権差押命令及び転付命令の申立てをし,平成30年3月7日,これに基づく債権差押命令及び転付命令(以下「本件差押転付命令」という。)が発令された。本件差押転付命令は,同月28日に確定した。
2 本件は,上告人が,被上告人に対し,上告人が本件差押転付命令により取得した本件各損害賠償請求権に基づき,4822万3907円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。上告人が被上告人に対して本件示談において合意された損害賠償金の額である4063万2940円(以下「本件示談金額」という。)を超える額の請求をすることができるか否かが争われている。
判示事項
仮差押債務者が債権の仮差押えを受けた後に第三債務者との間で示談をした場合に当該債権に対する転付命令を得た仮差押債権者が第三債務者に対して示談金額を超える額の請求をすることができないとした原審の判断に違法があるとされた事例
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