事件番号平成30(ワ)1732
事件名損害賠償請求事件
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和2年7月31日
事案の概要本件は,利用契約に基づき被告の運営する介護施設に入居していた亡A(以下「A」という。)に対して被告の従業員が食事介助を適切に行う注意義務などに違反した過失によりAが死亡したと主張して,Aの子である原告が,被告に対し,不法行為(民法709条,715条1項)又は安全配慮義務違反の債務不履行に基づき,損害賠償金3668万5180円及びこれに対する不法行為の日(Aの死亡の日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨介護施設の入所者が食事介助中に意識を消失したが,その際の機序が窒息による機序と整合的でなく,意識喪失から死亡に至る原因を窒息とみるには疑問があるほか,余命が1年程度である疾患を有し,その状態が深刻になっていて,呼吸停止,心停止に至るおそれがあったことからすれば,当該入所者の死因が食事中の窒息にあったとはいえないから,仮に食事介助の際に目を離さず少しずつ食べさせて様子を見る注意義務等の違反があったとしても,こうした過失行為と当該入所者の死亡に因果関係を認めることはできない。
事件番号平成30(ワ)1732
事件名損害賠償請求事件
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和2年7月31日
事案の概要
本件は,利用契約に基づき被告の運営する介護施設に入居していた亡A(以下「A」という。)に対して被告の従業員が食事介助を適切に行う注意義務などに違反した過失によりAが死亡したと主張して,Aの子である原告が,被告に対し,不法行為(民法709条,715条1項)又は安全配慮義務違反の債務不履行に基づき,損害賠償金3668万5180円及びこれに対する不法行為の日(Aの死亡の日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
介護施設の入所者が食事介助中に意識を消失したが,その際の機序が窒息による機序と整合的でなく,意識喪失から死亡に至る原因を窒息とみるには疑問があるほか,余命が1年程度である疾患を有し,その状態が深刻になっていて,呼吸停止,心停止に至るおそれがあったことからすれば,当該入所者の死因が食事中の窒息にあったとはいえないから,仮に食事介助の際に目を離さず少しずつ食べさせて様子を見る注意義務等の違反があったとしても,こうした過失行為と当該入所者の死亡に因果関係を認めることはできない。
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