事件番号平成30(ワ)8619
事件名損害賠償請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第3民事部
裁判年月日令和2年11月30日
事案の概要本件は,優生保護法(平成8年法律第105号による改正前のもの。以下「旧優生保護法」という。)に基づく不妊手術(人の生殖腺を除去することなしに,生殖を不能にする手術。以下「優生手術」という。)を受けたという本人又はその配偶者である原告らが,旧優生保護法が人の性と生殖に関する権利であるリプロダクティブ・ライツ,自己決定権及び平等権等を侵害する違憲なものであるにもかかわらず,①国会議員が旧優生保護法を立法したこと,②国会議員が被害救済立法を行わなかったこと,③厚生労働大臣及び内閣総理大臣が被害救済措置を講じなかったことがいずれも違法であると主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,原告1について3300万円(慰謝料3000万円,弁護士費用300万円)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年10月12日から,原告2及び原告3について一部請求としてそれぞれ1100万円(慰謝料1000万円,弁護士費用100万円)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成31年2月6日から各支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨1 原告1及び原告2に対して旧優生保護法に基づく優生手術が実施された。
2 旧優生保護法4条ないし13条は,子を産み育てるか否かの意思決定をする自由及び意思に反して身体への侵襲を受けない自由を侵害し,合理的な根拠のない差別的な取扱いをするものであり,明らかに憲法13条,14条に違反して違憲である。したがって,国会議員による上記各規定の立法行為は国家賠償法上違法である。
3 原告らは,優生手術の実施から20年が経過した後に提訴しており,損害賠償請求権は,除斥期間の経過によって消滅した。本件の事実関係の下において,除斥期間の規定の適用を制限するのは相当ではない。
事件番号平成30(ワ)8619
事件名損害賠償請求事件
裁判所大阪地方裁判所 第3民事部
裁判年月日令和2年11月30日
事案の概要
本件は,優生保護法(平成8年法律第105号による改正前のもの。以下「旧優生保護法」という。)に基づく不妊手術(人の生殖腺を除去することなしに,生殖を不能にする手術。以下「優生手術」という。)を受けたという本人又はその配偶者である原告らが,旧優生保護法が人の性と生殖に関する権利であるリプロダクティブ・ライツ,自己決定権及び平等権等を侵害する違憲なものであるにもかかわらず,①国会議員が旧優生保護法を立法したこと,②国会議員が被害救済立法を行わなかったこと,③厚生労働大臣及び内閣総理大臣が被害救済措置を講じなかったことがいずれも違法であると主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,原告1について3300万円(慰謝料3000万円,弁護士費用300万円)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年10月12日から,原告2及び原告3について一部請求としてそれぞれ1100万円(慰謝料1000万円,弁護士費用100万円)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成31年2月6日から各支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
1 原告1及び原告2に対して旧優生保護法に基づく優生手術が実施された。
2 旧優生保護法4条ないし13条は,子を産み育てるか否かの意思決定をする自由及び意思に反して身体への侵襲を受けない自由を侵害し,合理的な根拠のない差別的な取扱いをするものであり,明らかに憲法13条,14条に違反して違憲である。したがって,国会議員による上記各規定の立法行為は国家賠償法上違法である。
3 原告らは,優生手術の実施から20年が経過した後に提訴しており,損害賠償請求権は,除斥期間の経過によって消滅した。本件の事実関係の下において,除斥期間の規定の適用を制限するのは相当ではない。
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