事件番号平成28(ワ)350
事件名損害賠償請求事件
裁判所那覇地方裁判所 民事第2部
裁判年月日平成31年3月19日
事案の概要本件は,⑴原告が,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という。)に基づきアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)において使用することを許された一般人の立入りの制限されている区域に侵入したとして米軍に身柄を拘束されてから約8時間を経過して海上保安官に身柄を引き渡されたことについて,①海上保安部が原告の身柄を直ちに引き受けなかったこと,及び②米軍が原告の身柄を日本の当局に直ちに引き渡さず,その間身柄拘束理由を告知せず,弁護士への連絡の要請を拒否したことは,日本国憲法(以下「憲法」という。)33条等及び「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」(以下「日米地位協定」という。)の趣旨に反し違法であるとして,原告が,うち②の米軍の行為については,米軍の構成員の違法行為について国の公務員の違法行為の例による国の損害賠償責任を定めた「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法」(以下「民特法」という。)1条を介した上で,被告国に対し,国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,慰謝料50万円及び弁護士費用10万円の合計60万円並びにこれに対する違法行為の日である平成28年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに(請求1),⑵原告が,上記の身柄拘束に引き続き,「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法」(以下「刑特法」という。)12条2項に基づいて緊急逮捕されたことについて,①同項の定める緊急逮捕手続は憲法31条及び33条に反して違憲であって,これを立法し,その改廃を怠った国会の行為は違法であり,また,②海上保安官による原告の緊急逮捕は刑特法に従ったとしても違法であるとして,原告が,被告国に対し,国賠法1条1項に基づき,慰謝料50万円及び弁護士費用10万円の合計60万円並びにこれに対する上記緊急逮捕の日である平成28年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(請求2)事案である。
事件番号平成28(ワ)350
事件名損害賠償請求事件
裁判所那覇地方裁判所 民事第2部
裁判年月日平成31年3月19日
事案の概要
本件は,⑴原告が,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という。)に基づきアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)において使用することを許された一般人の立入りの制限されている区域に侵入したとして米軍に身柄を拘束されてから約8時間を経過して海上保安官に身柄を引き渡されたことについて,①海上保安部が原告の身柄を直ちに引き受けなかったこと,及び②米軍が原告の身柄を日本の当局に直ちに引き渡さず,その間身柄拘束理由を告知せず,弁護士への連絡の要請を拒否したことは,日本国憲法(以下「憲法」という。)33条等及び「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」(以下「日米地位協定」という。)の趣旨に反し違法であるとして,原告が,うち②の米軍の行為については,米軍の構成員の違法行為について国の公務員の違法行為の例による国の損害賠償責任を定めた「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法」(以下「民特法」という。)1条を介した上で,被告国に対し,国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,慰謝料50万円及び弁護士費用10万円の合計60万円並びにこれに対する違法行為の日である平成28年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに(請求1),⑵原告が,上記の身柄拘束に引き続き,「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法」(以下「刑特法」という。)12条2項に基づいて緊急逮捕されたことについて,①同項の定める緊急逮捕手続は憲法31条及び33条に反して違憲であって,これを立法し,その改廃を怠った国会の行為は違法であり,また,②海上保安官による原告の緊急逮捕は刑特法に従ったとしても違法であるとして,原告が,被告国に対し,国賠法1条1項に基づき,慰謝料50万円及び弁護士費用10万円の合計60万円並びにこれに対する上記緊急逮捕の日である平成28年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(請求2)事案である。
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