事件番号 | 令和1(ネ)1753 |
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事件名 | 消費者契約法12条に基づく差止等請求控訴,同附帯控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第7民事部 |
裁判年月日 | 令和3年3月5日 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所 | 大阪地方裁判所 |
原審事件番号 | 平成28(ワ)10395 |
事案の概要 | 本件は,適格消費者団体である一審原告が,家賃債務保証業を営む事業者である一審被告に対し,本件差止対象契約(住宅の賃貸借契約(原契約)から生ずる原契約賃借人の原契約賃貸人に対する賃料債務等につき一審被告が保証を受託するとともに,同保証委託契約に基づく原契約賃借人の一審被告に対する求償債務等について連帯保証人から保証を受けることを内容とする消費者契約)に含まれる各条項は消費者契約法8条1項3号又は10条に規定する消費者契約の条項に該当してその効力が否定されるものであるとして,同法12条3項に基づき,前記第1の1⑵アからエまで及び同2⑴から⑷までの各条項を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示の差止め(同2の請求は,同⑴を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示の差止請求が認容されない場合の予備的請求である。),前記第1の1⑵アないしエ及び同2⑴の各条項が記載された契約書用紙の廃棄及び一審被告従業員らに対する原判決別紙2の内容記載の書面の配布を求める事案である。 原審は,一審原告の請求のうち前記第1の2⑴に係る部分(ただし,従業員らに対する書面配布の請求を除く。)を認容し,その余の請求を棄却したところ,当事者双方が控訴し,一審原告は,附帯控訴の上,当審において,上記予備的請求を追加した。 |
判示事項の要旨 | 1 家賃債務保証業者に賃貸借契約を無催告解除する権限を付与する趣旨の消費者契約の条項等が消費者契約法8条1項3号,10条に該当するとはいえないとして,適格消費者団体による同法12条に基づく差止等の請求が棄却された事例 2 賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り,家賃債務保証業者において合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下,電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から賃借物件を相当期間利用していないものと認められ,かつ,賃借物件を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときに,賃借人が明示的に異議を述べない限り,賃借物件の明渡しがあったものとみなす権限を家賃債務保証業者に付与する趣旨の消費者契約の条項等が消費者契約法8条1項3号,10条に該当するとはいえないとして,適格消費者団体による同法12条に基づく差止等の請求が棄却された事例 |
事件番号 | 令和1(ネ)1753 |
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事件名 | 消費者契約法12条に基づく差止等請求控訴,同附帯控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第7民事部 |
裁判年月日 | 令和3年3月5日 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所 | 大阪地方裁判所 |
原審事件番号 | 平成28(ワ)10395 |
事案の概要 |
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本件は,適格消費者団体である一審原告が,家賃債務保証業を営む事業者である一審被告に対し,本件差止対象契約(住宅の賃貸借契約(原契約)から生ずる原契約賃借人の原契約賃貸人に対する賃料債務等につき一審被告が保証を受託するとともに,同保証委託契約に基づく原契約賃借人の一審被告に対する求償債務等について連帯保証人から保証を受けることを内容とする消費者契約)に含まれる各条項は消費者契約法8条1項3号又は10条に規定する消費者契約の条項に該当してその効力が否定されるものであるとして,同法12条3項に基づき,前記第1の1⑵アからエまで及び同2⑴から⑷までの各条項を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示の差止め(同2の請求は,同⑴を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示の差止請求が認容されない場合の予備的請求である。),前記第1の1⑵アないしエ及び同2⑴の各条項が記載された契約書用紙の廃棄及び一審被告従業員らに対する原判決別紙2の内容記載の書面の配布を求める事案である。 原審は,一審原告の請求のうち前記第1の2⑴に係る部分(ただし,従業員らに対する書面配布の請求を除く。)を認容し,その余の請求を棄却したところ,当事者双方が控訴し,一審原告は,附帯控訴の上,当審において,上記予備的請求を追加した。 |
判示事項の要旨 |
1 家賃債務保証業者に賃貸借契約を無催告解除する権限を付与する趣旨の消費者契約の条項等が消費者契約法8条1項3号,10条に該当するとはいえないとして,適格消費者団体による同法12条に基づく差止等の請求が棄却された事例 2 賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り,家賃債務保証業者において合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下,電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から賃借物件を相当期間利用していないものと認められ,かつ,賃借物件を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときに,賃借人が明示的に異議を述べない限り,賃借物件の明渡しがあったものとみなす権限を家賃債務保証業者に付与する趣旨の消費者契約の条項等が消費者契約法8条1項3号,10条に該当するとはいえないとして,適格消費者団体による同法12条に基づく差止等の請求が棄却された事例 |