事件番号令和2(ネ)10044
事件名特許権侵害損害賠償請求控訴事件
裁判所知的財産高等裁判所
裁判年月日令和3年6月28日
事件種別特許権・民事訴訟
事案の概要⑴ 一審原告は,「流体供給装置及び流体供給方法及び記録媒体及びプログラム」の特許第4520670号(本件特許)の特許権者である。
一審被告は,給油装置に組み込まれる設定器(別紙物件目録1記載の製品)を製造・販売しており,同設定器には電子マネーによる決済を可能にするプログラムを保存することができる。同設定器の多くは,これを組み込んだ給油装置を設置する給油所において,同プログラムが保存されアクティベートされた状態で運用されている。
一審原告は,上記設定器が組み込まれた給油装置は本件特許の請求項1~3,8に係る発明の技術的範囲に属し,同設定器は同給油装置の生産にのみ用いられる物に該当するから,一審被告が同給油器を製造・販売等することは本件特許権の間接侵害(特許法101条1号)に当たる旨主張して,一審被告に対し,特許法100条1項及び2項に基づき,同設定器の製造,販売及び販売申出の差止め並びに同設定器の廃棄を求めるとともに,民法709条に基づき,損害賠償(一部請求)として,28億1101万5900円及びこれに対する年5分の割合の遅延損害金(起算日は,うち1億円につき平成27年10月1日,残額につき平成30年9月30日)の支払を求めた。
⑵ 原審裁判所は,令和2年1月30日,一審原告の請求を次の範囲で認容する原判決をした。
「1 一審被告は,別紙物件目録記載2の製品の製造,販売又は販売の申出をしてはならない。
2 一審被告は,別紙物件目録記載2の製品から,別紙プログラム目録記載のプログラムを除却せよ。
3 一審被告は,一審原告に対し,4億2834万7890円及びうち●●●に対する平成27年10月1日から,うち●●●●●●●●●●●●に対する平成30年9月30日から,うち●●●●●●●●●●に対する令和元年6月30日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
⑶ 原審裁判所は,令和2年3月12日,原判決の主文3項を次のとおり更正する決定をした。
「3 一審被告は,一審原告に対し,4億5054万3000円及びうち●●●に対する平成27年10月1日から,うち●●●●●●●●●●●●に対する平成30年9月30日から,うち●●●●●●●●●●●●に対する令和元年6月30日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
⑷ 一審原告及び一審被告は,それぞれ敗訴部分を不服として控訴した。一審原告は,控訴提起後に,上記⑶の更正決定も踏まえて,請求を上記第1のとおり整理した。うち,損害賠償請求の元本の金額は,原判決(更正後)の請求棄却部分のうち5億円に不服の範囲を限定する趣旨である。
事件番号令和2(ネ)10044
事件名特許権侵害損害賠償請求控訴事件
裁判所知的財産高等裁判所
裁判年月日令和3年6月28日
事件種別特許権・民事訴訟
事案の概要
⑴ 一審原告は,「流体供給装置及び流体供給方法及び記録媒体及びプログラム」の特許第4520670号(本件特許)の特許権者である。
一審被告は,給油装置に組み込まれる設定器(別紙物件目録1記載の製品)を製造・販売しており,同設定器には電子マネーによる決済を可能にするプログラムを保存することができる。同設定器の多くは,これを組み込んだ給油装置を設置する給油所において,同プログラムが保存されアクティベートされた状態で運用されている。
一審原告は,上記設定器が組み込まれた給油装置は本件特許の請求項1~3,8に係る発明の技術的範囲に属し,同設定器は同給油装置の生産にのみ用いられる物に該当するから,一審被告が同給油器を製造・販売等することは本件特許権の間接侵害(特許法101条1号)に当たる旨主張して,一審被告に対し,特許法100条1項及び2項に基づき,同設定器の製造,販売及び販売申出の差止め並びに同設定器の廃棄を求めるとともに,民法709条に基づき,損害賠償(一部請求)として,28億1101万5900円及びこれに対する年5分の割合の遅延損害金(起算日は,うち1億円につき平成27年10月1日,残額につき平成30年9月30日)の支払を求めた。
⑵ 原審裁判所は,令和2年1月30日,一審原告の請求を次の範囲で認容する原判決をした。
「1 一審被告は,別紙物件目録記載2の製品の製造,販売又は販売の申出をしてはならない。
2 一審被告は,別紙物件目録記載2の製品から,別紙プログラム目録記載のプログラムを除却せよ。
3 一審被告は,一審原告に対し,4億2834万7890円及びうち●●●に対する平成27年10月1日から,うち●●●●●●●●●●●●に対する平成30年9月30日から,うち●●●●●●●●●●に対する令和元年6月30日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
⑶ 原審裁判所は,令和2年3月12日,原判決の主文3項を次のとおり更正する決定をした。
「3 一審被告は,一審原告に対し,4億5054万3000円及びうち●●●に対する平成27年10月1日から,うち●●●●●●●●●●●●に対する平成30年9月30日から,うち●●●●●●●●●●●●に対する令和元年6月30日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。」
⑷ 一審原告及び一審被告は,それぞれ敗訴部分を不服として控訴した。一審原告は,控訴提起後に,上記⑶の更正決定も踏まえて,請求を上記第1のとおり整理した。うち,損害賠償請求の元本の金額は,原判決(更正後)の請求棄却部分のうち5億円に不服の範囲を限定する趣旨である。
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