事件番号令和2(行コ)1
事件名各原爆症認定申請却下処分取消等請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第12民事部
裁判年月日令和3年5月13日
結果その他
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成25(行ウ)1
事案の概要本件は,原子爆弾被爆者に対する擁護に関する法律(平成6年法律第117号。以下「法」という。)1条に規定する被爆者(以下,単に「被爆者」という。)である控訴人が,法11条1項に基づく認定(以下「原爆症認定」という。)の申請(本件α申請)をしたところ,厚生労働大臣から本件α申請を却下する旨の処分(本件α却下処分)を受けたことから,控訴人が,被控訴人に対し,①本件α却下処分の取消しを求めるとともに,②(a)厚生労働大臣が,本件α申請について原爆症認定の要件を充足していたにもかかわらず,本件α却下処分をしたこと及び(b)厚生労働大臣が,本件α申請に対する審査を合理的な期間を優に超えて行わなかったことは違法である旨主張して,国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,それらの不法行為によって生じた損害(慰謝料及び弁護士費用)合計300万円及びこれに対する不法行為後の日である平成25年1月31日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨1 心筋梗塞を申請疾病とする原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「法」という。)11条1項に基づく原爆症認定申請に対する却下処分につき,予防接種のたびに化膿していたことや結膜炎により眼球摘出を余儀なくされたといった申請人の被曝後の健康状態は放射線被曝による好中球等の機能低下により生じたものと推認することができ,このような健康状態や被曝状況等を考慮すれば,申請人に複数の心筋梗塞の危険因子が存在していることを踏まえても,前記申請に係る申請人の心筋梗塞については,原爆放射線に被曝したことに起因するものと認めるのが相当であるから前記却下処分が違法であるとして,前記却下処分の取消請求を棄却した原判決を変更して,前記却下処分を取り消した事例
2 法11条1項に基づく原爆症認定の申請(前記1)につき,原爆症認定要件の充足に関する判断を誤って却下したことなどが国家賠償法上違法であるとはいえないとされた事例
事件番号令和2(行コ)1
事件名各原爆症認定申請却下処分取消等請求控訴事件
裁判所大阪高等裁判所 第12民事部
裁判年月日令和3年5月13日
結果その他
原審裁判所大阪地方裁判所
原審事件番号平成25(行ウ)1
事案の概要
本件は,原子爆弾被爆者に対する擁護に関する法律(平成6年法律第117号。以下「法」という。)1条に規定する被爆者(以下,単に「被爆者」という。)である控訴人が,法11条1項に基づく認定(以下「原爆症認定」という。)の申請(本件α申請)をしたところ,厚生労働大臣から本件α申請を却下する旨の処分(本件α却下処分)を受けたことから,控訴人が,被控訴人に対し,①本件α却下処分の取消しを求めるとともに,②(a)厚生労働大臣が,本件α申請について原爆症認定の要件を充足していたにもかかわらず,本件α却下処分をしたこと及び(b)厚生労働大臣が,本件α申請に対する審査を合理的な期間を優に超えて行わなかったことは違法である旨主張して,国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,それらの不法行為によって生じた損害(慰謝料及び弁護士費用)合計300万円及びこれに対する不法行為後の日である平成25年1月31日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
判示事項の要旨
1 心筋梗塞を申請疾病とする原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「法」という。)11条1項に基づく原爆症認定申請に対する却下処分につき,予防接種のたびに化膿していたことや結膜炎により眼球摘出を余儀なくされたといった申請人の被曝後の健康状態は放射線被曝による好中球等の機能低下により生じたものと推認することができ,このような健康状態や被曝状況等を考慮すれば,申請人に複数の心筋梗塞の危険因子が存在していることを踏まえても,前記申請に係る申請人の心筋梗塞については,原爆放射線に被曝したことに起因するものと認めるのが相当であるから前記却下処分が違法であるとして,前記却下処分の取消請求を棄却した原判決を変更して,前記却下処分を取り消した事例
2 法11条1項に基づく原爆症認定の申請(前記1)につき,原爆症認定要件の充足に関する判断を誤って却下したことなどが国家賠償法上違法であるとはいえないとされた事例
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