事件番号平成28(行ウ)211
事件名工事実施計画認可取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和2年12月1日
事案の概要甲事件は,参加人が,国土交通大臣(以下「国交大臣」という。)に対し,中央新幹線(品川・名古屋間)の建設(以下「本件事業」という。)のうち土木構造物関係分の工事に関する工事実施計画(以下「本件計画(その1)」という。)の認可の申請をしたところ,国交大臣が,全国新幹線鉄道整備法(以下「全幹法」という。)9条1項に基づく認可(以下「9条認可」という。)として,本件計画(その1)の認可(以下「本件認可(その1)」という。)をしたことについて,本件事業が実施されることが予定されている地域を含む東京都,神奈川県,山梨県,静岡県,長野県,岐阜県,愛知県の7都県(以下「本件7都県」という。)等に居住する甲事件原告らが,本件認可(その1)は違法であると主張して,その取消しを求める事案である。
乙事件は,参加人が,国交大臣に対し,本件事業のうち本件計画(その1)に係る工事以外の工事に関する工事実施計画(以下「本件計画(その2)」といい,本件計画(その1)と併せて「本件各計画」という。)の認可の申請をしたところ,国交大臣が,9条認可として,本件計画(その2)の認可(以下「本件認可(その2)」といい,本件認可(その1)と併せて「本件各認可」という。)をしたことについて,本件7都県のうち東京都,静岡県,長野県,岐阜県,愛知県に居住する乙事件原告ら(以下,甲事件原告らと併せて「原告ら」という。)が,本件認可(その2)は違法であると主張して,その取消しを求める事案である。
判示事項新幹線鉄道の路線に係る工事実施計画の認可の取消訴訟と周辺住民等の原告適格
裁判要旨全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道の路線の建設の工事に係る同法9条1項に基づく工事実施計画の認可の取消しを求めるにつき,①原告らは,乗客として安全な輸送役務の提供を受ける利益を根拠として,原告適格を有するとはいえない,②原告らは,南アルプス及び同工事に係る事業が実施されることが予定されているその他の各地域の良好な自然環境を享受する利益,同自然環境の保全を求める権利並びに自然と触れ合う権利を根拠として,原告適格を有するとはいえない,③原告らのうち工事予定地内に所在する土地,建物,立木に係る所有権,借地権等又は居住の利益を有する者は,これらの権利利益を根拠として,原告適格を有するとはいえない,④同工事に係る資材及び機械の運搬に用いる車両の運行経路の周辺地域に居住する住民のうち,当該車両の運行に起因する騒音,振動,大気の汚染等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,原告適格を有するものというべきであるが,原告らは,上記の著しい被害を直接的に受けるおそれがあるものと想定される地域に居住していると認めることができないから,原告適格を有するとはいえない。
事件番号平成28(行ウ)211
事件名工事実施計画認可取消請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和2年12月1日
事案の概要
甲事件は,参加人が,国土交通大臣(以下「国交大臣」という。)に対し,中央新幹線(品川・名古屋間)の建設(以下「本件事業」という。)のうち土木構造物関係分の工事に関する工事実施計画(以下「本件計画(その1)」という。)の認可の申請をしたところ,国交大臣が,全国新幹線鉄道整備法(以下「全幹法」という。)9条1項に基づく認可(以下「9条認可」という。)として,本件計画(その1)の認可(以下「本件認可(その1)」という。)をしたことについて,本件事業が実施されることが予定されている地域を含む東京都,神奈川県,山梨県,静岡県,長野県,岐阜県,愛知県の7都県(以下「本件7都県」という。)等に居住する甲事件原告らが,本件認可(その1)は違法であると主張して,その取消しを求める事案である。
乙事件は,参加人が,国交大臣に対し,本件事業のうち本件計画(その1)に係る工事以外の工事に関する工事実施計画(以下「本件計画(その2)」といい,本件計画(その1)と併せて「本件各計画」という。)の認可の申請をしたところ,国交大臣が,9条認可として,本件計画(その2)の認可(以下「本件認可(その2)」といい,本件認可(その1)と併せて「本件各認可」という。)をしたことについて,本件7都県のうち東京都,静岡県,長野県,岐阜県,愛知県に居住する乙事件原告ら(以下,甲事件原告らと併せて「原告ら」という。)が,本件認可(その2)は違法であると主張して,その取消しを求める事案である。
判示事項
新幹線鉄道の路線に係る工事実施計画の認可の取消訴訟と周辺住民等の原告適格
裁判要旨
全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道の路線の建設の工事に係る同法9条1項に基づく工事実施計画の認可の取消しを求めるにつき,①原告らは,乗客として安全な輸送役務の提供を受ける利益を根拠として,原告適格を有するとはいえない,②原告らは,南アルプス及び同工事に係る事業が実施されることが予定されているその他の各地域の良好な自然環境を享受する利益,同自然環境の保全を求める権利並びに自然と触れ合う権利を根拠として,原告適格を有するとはいえない,③原告らのうち工事予定地内に所在する土地,建物,立木に係る所有権,借地権等又は居住の利益を有する者は,これらの権利利益を根拠として,原告適格を有するとはいえない,④同工事に係る資材及び機械の運搬に用いる車両の運行経路の周辺地域に居住する住民のうち,当該車両の運行に起因する騒音,振動,大気の汚染等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,原告適格を有するものというべきであるが,原告らは,上記の著しい被害を直接的に受けるおそれがあるものと想定される地域に居住していると認めることができないから,原告適格を有するとはいえない。
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