事件番号平成27(行ウ)238
事件名南相馬避難解除取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和3年7月12日
事案の概要本件は,平成23年3月11日,東京電力福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)において発生した放射性物質が放出される事故(以下「本件事故」という。)に関して,福島県南相馬市(以下「南相馬市」という。)の合計142地点152世帯の住居についてされた特定避難勧奨地点の設定(以下「本件設定」という。)が平成26年12月24日に解除されたこと(以下,当該解除を「本件解除」という。)について,原告らが次の各請求をする事案である。
判示事項1 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点の設定の解除について,抗告訴訟の対象である処分に当たらないとされた事例
2 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点に設定された住居に居住していた者が,同設定の解除は無効であるとして,その住居が特定避難勧奨地点に設定されている地位にあることの確認を求める訴えについて,確認の利益がないとされた事例
3 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点が解除されたことについて,国家賠償法上の違法はないとされた事例
裁判要旨1 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点の設定の解除について,同解除は,同設定と同様に原子力災害現地対策本部によって事実上実施されたものにすぎないといえ,同設定を受けた住民に解除後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを下回ることが確実であることが確認された旨の情報提供をするもので,帰還を強制するものであったとは認められないことからすると,抗告訴訟の対象である処分に当たらない。
2 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点に設定された住居に居住していた者が,同設定の解除は無効であるとして,その住居が特定避難勧奨地点に設定されている地位にあることの確認を求める訴えについて,同設定は,当該住居に居住し続けた場合に,当該住居又はその近傍の空間線量率が比較的高いことから,生活形態によっては本件事故後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超える可能性が否定できないとされた住居等について,当該住民にその旨の情報提供等をする措置であって,設定を受けた住民の権利又は法律関係に直ちに影響を及ぼすものとはいえないことからすると,同訴えには,確認の利益が認められない。
3 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点の設定の解除について,同解除は,同設定を受けた住民に解除後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを下回ることが確実であることが確認された旨の情報提供をするもので,帰還を強制するものであったとは認められないことからすると,国家賠償法上の違法性は認められない。
事件番号平成27(行ウ)238
事件名南相馬避難解除取消等請求事件
裁判所東京地方裁判所
裁判年月日令和3年7月12日
事案の概要
本件は,平成23年3月11日,東京電力福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)において発生した放射性物質が放出される事故(以下「本件事故」という。)に関して,福島県南相馬市(以下「南相馬市」という。)の合計142地点152世帯の住居についてされた特定避難勧奨地点の設定(以下「本件設定」という。)が平成26年12月24日に解除されたこと(以下,当該解除を「本件解除」という。)について,原告らが次の各請求をする事案である。
判示事項
1 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点の設定の解除について,抗告訴訟の対象である処分に当たらないとされた事例
2 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点に設定された住居に居住していた者が,同設定の解除は無効であるとして,その住居が特定避難勧奨地点に設定されている地位にあることの確認を求める訴えについて,確認の利益がないとされた事例
3 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点が解除されたことについて,国家賠償法上の違法はないとされた事例
裁判要旨
1 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点の設定の解除について,同解除は,同設定と同様に原子力災害現地対策本部によって事実上実施されたものにすぎないといえ,同設定を受けた住民に解除後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを下回ることが確実であることが確認された旨の情報提供をするもので,帰還を強制するものであったとは認められないことからすると,抗告訴訟の対象である処分に当たらない。
2 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点に設定された住居に居住していた者が,同設定の解除は無効であるとして,その住居が特定避難勧奨地点に設定されている地位にあることの確認を求める訴えについて,同設定は,当該住居に居住し続けた場合に,当該住居又はその近傍の空間線量率が比較的高いことから,生活形態によっては本件事故後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超える可能性が否定できないとされた住居等について,当該住民にその旨の情報提供等をする措置であって,設定を受けた住民の権利又は法律関係に直ちに影響を及ぼすものとはいえないことからすると,同訴えには,確認の利益が認められない。
3 東京電力福島第一原子力発電所において発生した放射性物質が放出される事故に係る特定避難勧奨地点の設定の解除について,同解除は,同設定を受けた住民に解除後1年間の積算線量が20ミリシーベルトを下回ることが確実であることが確認された旨の情報提供をするもので,帰還を強制するものであったとは認められないことからすると,国家賠償法上の違法性は認められない。
このエントリーをはてなブックマークに追加