事件番号 | 令和3(受)919 |
---|---|
事件名 | 共有持分権確認請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
裁判年月日 | 令和4年4月12日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄差戻 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 令和2(ネ)3172 |
原審裁判年月日 | 令和3年3月2日 |
事案の概要 | 上告人は、被上告人に対し、第1審判決別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について上告人が共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して、本件訴えを提起した。上告人は権利能力のない社団であり、上記訴状にもそのことが記載されていた。 第1審において、上告人は、本件建物の建築時に上告人及び被上告人を含む3町内会の間で本件建物をその3町内会の共有とする旨の合意(以下「本件合意」という。)がされた旨主張した。これに対し、被上告人は、本件合意がされた事実はないから、上告人は本件建物の共有持分権を有しない旨主張した。 第1審は、本件合意の存否が本件の争点であり、本件合意があったと認められるとして、本件請求を認容する判決をし、被上告人が控訴した。 原審においても、上告人及び被上告人は、専ら本件合意の存否に関する主張をした。 第1審及び原審において、上告人が本件建物の共有持分権の主体となり得るか否かという点について主張がされることはなく、この点が問題とされることもなかった。 |
判示事項 | 権利能力のない社団であるXが建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、控訴審が、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなくこれを棄却したことに違法があるとされた事例 |
裁判要旨 | 権利能力のない社団であるXがYに対して建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、当事者双方は専らX及びYを含む3町内会の間で上記建物をその3町内会の共有とする旨の合意がされたか否かに関して主張し、Xが所有権等の主体となり得るか否かが問題とされることはなかったなど判示の事情の下においては、控訴審が、Xに対し、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなく、上記共有持分権がX自体に帰属することの確認を求めるものであるとしてこれを棄却したことには、違法がある。 |
事件番号 | 令和3(受)919 |
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事件名 | 共有持分権確認請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
裁判年月日 | 令和4年4月12日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄差戻 |
原審裁判所 | 東京高等裁判所 |
原審事件番号 | 令和2(ネ)3172 |
原審裁判年月日 | 令和3年3月2日 |
事案の概要 |
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上告人は、被上告人に対し、第1審判決別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について上告人が共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して、本件訴えを提起した。上告人は権利能力のない社団であり、上記訴状にもそのことが記載されていた。 第1審において、上告人は、本件建物の建築時に上告人及び被上告人を含む3町内会の間で本件建物をその3町内会の共有とする旨の合意(以下「本件合意」という。)がされた旨主張した。これに対し、被上告人は、本件合意がされた事実はないから、上告人は本件建物の共有持分権を有しない旨主張した。 第1審は、本件合意の存否が本件の争点であり、本件合意があったと認められるとして、本件請求を認容する判決をし、被上告人が控訴した。 原審においても、上告人及び被上告人は、専ら本件合意の存否に関する主張をした。 第1審及び原審において、上告人が本件建物の共有持分権の主体となり得るか否かという点について主張がされることはなく、この点が問題とされることもなかった。 |
判示事項 |
権利能力のない社団であるXが建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、控訴審が、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなくこれを棄却したことに違法があるとされた事例 |
裁判要旨 |
権利能力のない社団であるXがYに対して建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、当事者双方は専らX及びYを含む3町内会の間で上記建物をその3町内会の共有とする旨の合意がされたか否かに関して主張し、Xが所有権等の主体となり得るか否かが問題とされることはなかったなど判示の事情の下においては、控訴審が、Xに対し、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなく、上記共有持分権がX自体に帰属することの確認を求めるものであるとしてこれを棄却したことには、違法がある。 |