事件番号 | 令和3(行ヒ)283 |
---|---|
事件名 | 固定資産評価審査決定取消等請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 令和4年9月8日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | その他 |
原審裁判所 | 大阪高等裁判所 |
原審事件番号 | 令和2(行コ)152 |
原審裁判年月日 | 令和3年6月11日 |
事案の概要 | 本件は、ゴルフ場の用に供されている兵庫県丹波市所在の一団の土地(第1審判決別紙1物件目録記載1~38の各土地。以下「本件各土地」という。)に係る固定資産税の納税義務者である上告人が、土地課税台帳に登録された本件各土地の平成30年度の価格を不服として丹波市固定資産評価審査委員会(以下「本件委員会」という。)に審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の審査の決定(以下「本件決定」という。)を受けたことから、上記価格の適否に関する本件決定の判断に誤りがあるなどと主張して、被上告人を相手に、本件決定のうち上告人が適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき、弁護士費用相当額等の損害賠償を求める事案である。 |
判示事項 | 固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての審査の申出を棄却する旨の審査の決定をした固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断に違法があるとされた事例 |
裁判要旨 | 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日におけるゴルフ場用地(ゴルフ場の用に供する一団の土地)の価格について、固定資産評価審査委員会が、当該ゴルフ場用地の取得価額の評定に当たり用いた方法との整合性の観点から、必要な土工事の程度を考慮することなく当該ゴルフ場用地の造成費を評定し得るとの見解に立脚して審査の申出を棄却する旨の審査の決定をした場合において、次の⑴、⑵など判示の事情の下では、上記見解に立脚して固定資産評価基準の解釈適用を誤ったことについて、上記委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断には、国家賠償法1条1項の解釈適用を誤った違法がある。 ⑴ 固定資産評価基準は、ゴルフ場用地の評価について、大要、当該ゴルフ場用地の取得価額に当該ゴルフ場用地の造成費を加算した価額を基準とする方法によるものとするとした上で、当該ゴルフ場用地の造成費が不明であるなどの場合には、当該造成費に代えて、最近における造成費から評定した価額によるものとする旨を定めている。 ⑵ 固定資産評価基準において、ゴルフ場用地の取得価額と造成費は、別個に評定すべきものとされており、同基準の具体的な取扱いを示した自治省ないし総務省の通知等にも、取得価額の評定の方法に応じて造成費の評定の方法が直ちに決まることをうかがわせる記述はみられず、ほかに、上記見解に沿う先例や文献等の存在もうかがわれない。 |
事件番号 | 令和3(行ヒ)283 |
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事件名 | 固定資産評価審査決定取消等請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 令和4年9月8日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | その他 |
原審裁判所 | 大阪高等裁判所 |
原審事件番号 | 令和2(行コ)152 |
原審裁判年月日 | 令和3年6月11日 |
事案の概要 |
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本件は、ゴルフ場の用に供されている兵庫県丹波市所在の一団の土地(第1審判決別紙1物件目録記載1~38の各土地。以下「本件各土地」という。)に係る固定資産税の納税義務者である上告人が、土地課税台帳に登録された本件各土地の平成30年度の価格を不服として丹波市固定資産評価審査委員会(以下「本件委員会」という。)に審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の審査の決定(以下「本件決定」という。)を受けたことから、上記価格の適否に関する本件決定の判断に誤りがあるなどと主張して、被上告人を相手に、本件決定のうち上告人が適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき、弁護士費用相当額等の損害賠償を求める事案である。 |
判示事項 |
固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての審査の申出を棄却する旨の審査の決定をした固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断に違法があるとされた事例 |
裁判要旨 |
固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日におけるゴルフ場用地(ゴルフ場の用に供する一団の土地)の価格について、固定資産評価審査委員会が、当該ゴルフ場用地の取得価額の評定に当たり用いた方法との整合性の観点から、必要な土工事の程度を考慮することなく当該ゴルフ場用地の造成費を評定し得るとの見解に立脚して審査の申出を棄却する旨の審査の決定をした場合において、次の⑴、⑵など判示の事情の下では、上記見解に立脚して固定資産評価基準の解釈適用を誤ったことについて、上記委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断には、国家賠償法1条1項の解釈適用を誤った違法がある。 ⑴ 固定資産評価基準は、ゴルフ場用地の評価について、大要、当該ゴルフ場用地の取得価額に当該ゴルフ場用地の造成費を加算した価額を基準とする方法によるものとするとした上で、当該ゴルフ場用地の造成費が不明であるなどの場合には、当該造成費に代えて、最近における造成費から評定した価額によるものとする旨を定めている。 ⑵ 固定資産評価基準において、ゴルフ場用地の取得価額と造成費は、別個に評定すべきものとされており、同基準の具体的な取扱いを示した自治省ないし総務省の通知等にも、取得価額の評定の方法に応じて造成費の評定の方法が直ちに決まることをうかがわせる記述はみられず、ほかに、上記見解に沿う先例や文献等の存在もうかがわれない。 |