事件番号令和3(受)987
事件名消費者契約法12条に基づく差止等請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日令和4年12月12日
裁判種別判決
結果その他
原審裁判所大阪高等裁判所
原審事件番号令和1(ネ)1753
原審裁判年月日令和3年3月5日
事案の概要1 原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。
上告人は、消費者契約法(以下「法」という。)2条4項にいう適格消費者団体である。
被上告人は、賃貸住宅の賃借人(以下、単に「賃借人」という。)の委託を受けて賃借人の賃料等の支払に係る債務(以下「賃料債務等」という。)を保証する事業を営む会社である。
被上告人は、賃貸住宅の賃貸人(以下、単に「賃貸人」という。)、賃借人等との間で、「住み替えかんたんシステム保証契約書」と題する契約書(契約書ひな形が印刷された契約書用紙。以下「本件契約書」という。)を用いて、賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約(以下「原契約」といい、原契約の対象物件である賃貸住宅を「本件建物」という。)に関し、賃借人が被上告人に対して賃料債務等を連帯保証することを委託し、被上告人が賃貸人に対して当該賃料債務等を連帯保証すること等を内容とする契約を締結している。
上記契約のうち、被上告人と賃借人との間の契約部分は、法2条3項にいう消費者契約に当たる。
本件契約書には、次のような条項がある。なお、本件契約書において、「賃料等」とは、賃料、管理費・共益費、駐車場使用料その他の本件契約書固定費欄記載の定額の金員をいい、「変動費」とは、光熱費などの月々によって変動することが予定されている費用をいうものとされている。
ア 被上告人は、賃借人が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3か月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができるものとする(別紙契約条項目録記載1の内容の条項。以下「本件契約書13条1項前段」という。)
イ 被上告人は、賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り、被上告人が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって本件建物の明渡しがあったものとみなすことができる(別紙契約条項目録記載3の内容の条項。以下「本件契約書18条2項2号」という。)
被上告人は、本件訴訟において、賃料債務等につき連帯保証債務を履行した場合であっても、本件契約書13条1項前段に基づいて無催告で原契約を解除することができる旨を主張しているほか、原契約が終了していない場合であっても、本件契約書18条2項2号の適用がある旨を主張している。
2 本件は、上告人が、被上告人に対し、本件契約書13条1項前段、本件契約書18条2項2号等の各条項が法10条に規定する消費者の利益を一方的に害する消費者契約の条項に当たるなどと主張して、法12条3項本文に基づき、上記各条項を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の各差止め、上記各条項が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の各廃棄等を求める事案である。
判示事項1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
事件番号令和3(受)987
事件名消費者契約法12条に基づく差止等請求事件
裁判所最高裁判所第一小法廷
裁判年月日令和4年12月12日
裁判種別判決
結果その他
原審裁判所大阪高等裁判所
原審事件番号令和1(ネ)1753
原審裁判年月日令和3年3月5日
事案の概要
1 原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。
上告人は、消費者契約法(以下「法」という。)2条4項にいう適格消費者団体である。
被上告人は、賃貸住宅の賃借人(以下、単に「賃借人」という。)の委託を受けて賃借人の賃料等の支払に係る債務(以下「賃料債務等」という。)を保証する事業を営む会社である。
被上告人は、賃貸住宅の賃貸人(以下、単に「賃貸人」という。)、賃借人等との間で、「住み替えかんたんシステム保証契約書」と題する契約書(契約書ひな形が印刷された契約書用紙。以下「本件契約書」という。)を用いて、賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約(以下「原契約」といい、原契約の対象物件である賃貸住宅を「本件建物」という。)に関し、賃借人が被上告人に対して賃料債務等を連帯保証することを委託し、被上告人が賃貸人に対して当該賃料債務等を連帯保証すること等を内容とする契約を締結している。
上記契約のうち、被上告人と賃借人との間の契約部分は、法2条3項にいう消費者契約に当たる。
本件契約書には、次のような条項がある。なお、本件契約書において、「賃料等」とは、賃料、管理費・共益費、駐車場使用料その他の本件契約書固定費欄記載の定額の金員をいい、「変動費」とは、光熱費などの月々によって変動することが予定されている費用をいうものとされている。
ア 被上告人は、賃借人が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3か月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができるものとする(別紙契約条項目録記載1の内容の条項。以下「本件契約書13条1項前段」という。)
イ 被上告人は、賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り、被上告人が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって本件建物の明渡しがあったものとみなすことができる(別紙契約条項目録記載3の内容の条項。以下「本件契約書18条2項2号」という。)
被上告人は、本件訴訟において、賃料債務等につき連帯保証債務を履行した場合であっても、本件契約書13条1項前段に基づいて無催告で原契約を解除することができる旨を主張しているほか、原契約が終了していない場合であっても、本件契約書18条2項2号の適用がある旨を主張している。
2 本件は、上告人が、被上告人に対し、本件契約書13条1項前段、本件契約書18条2項2号等の各条項が法10条に規定する消費者の利益を一方的に害する消費者契約の条項に当たるなどと主張して、法12条3項本文に基づき、上記各条項を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の各差止め、上記各条項が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙の各廃棄等を求める事案である。
判示事項
1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
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