事件番号 | 令和5(ネ)1657 |
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事件名 | 実験装置使用差止等請求控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 |
裁判年月日 | 令和6年2月9日 |
事件種別 | 不正競争・民事訴訟 |
事案の概要 | 1 本件は、被控訴人所属の研究者として、振興会の科学研究費助成事業により交付される科研費を用いてするUCN(超冷中性子)の研究に従事していた控訴人らが、同研究において製作し、被控訴人に寄付された本件物件の取扱いを巡り、次のとおりの請求をした事案である((1)アの請求と(2)アの請求の関係、及び(1)イの請求と(2)イの請求の関係は、いずれも選択的である。)。 (1) 振興会による科研費交付決定に伴い成立する、科研費を得てする補助事業としての研究に従事する控訴人らと被控訴人及び振興会との間の契約(以下「本件科研費契約」という。)に附随して被控訴人が控訴人らに対して秘密保持義務を負うことを前提とする次の各請求 ア 同義務の履行請求としての本件物件の使用等の差止請求及び同各物件の引渡請求 イ 同義務の債務不履行を理由とする損害賠償請求 (2) 被控訴人による本件物件を使用等する行為が、控訴人らが本件物件について有する営業秘密についての不正競争防止法(不競法)2条1項7号の不正競争に該当することを理由とする次の各請求 ア 同法3条に基づく本件物件の使用等の差止請求及び同各物件の引渡請求 イ 同法4条に基づく損害賠償請求 (3) 被控訴人が控訴人らの意に反して本件物件を使用等したことを理由とする人格権等の侵害を理由とする次の各請求 ア 本件物件の使用等の差止請求及び同各物件の引渡請求 イ 不法行為に基づく損害賠償請求 2 原審は、控訴人らの主張する営業秘密が特定されていないから請求(訴訟物)は特定されておらず本件訴えが不適法であるとする被控訴人の本案前の申立てに対し、本件差止め等の対象は本件物件であり、控訴人らの請求(訴訟物)に関する限り不明確とまではいえないとして、これを採用せず、控訴人らの各請求につき、いずれも理由がないとして棄却したところ、これを不服とする控訴人らが本件控訴を提起した。なお、控訴人らは、損害賠償請求について、各自に対し2500万円(主張する損害額合計の2分の1の合計額)合計5000万円の支払を求める限度で不服を申し立てた。 他方、被控訴人は、訴えが不適法であるとする本案前の答弁を、当審において、上記1(2)アの請求(以下「不競法に基づく差止等請求」という。)に係る訴えに対するものに限定した。 |
事件番号 | 令和5(ネ)1657 |
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事件名 | 実験装置使用差止等請求控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 |
裁判年月日 | 令和6年2月9日 |
事件種別 | 不正競争・民事訴訟 |
事案の概要 |
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1 本件は、被控訴人所属の研究者として、振興会の科学研究費助成事業により交付される科研費を用いてするUCN(超冷中性子)の研究に従事していた控訴人らが、同研究において製作し、被控訴人に寄付された本件物件の取扱いを巡り、次のとおりの請求をした事案である((1)アの請求と(2)アの請求の関係、及び(1)イの請求と(2)イの請求の関係は、いずれも選択的である。)。 (1) 振興会による科研費交付決定に伴い成立する、科研費を得てする補助事業としての研究に従事する控訴人らと被控訴人及び振興会との間の契約(以下「本件科研費契約」という。)に附随して被控訴人が控訴人らに対して秘密保持義務を負うことを前提とする次の各請求 ア 同義務の履行請求としての本件物件の使用等の差止請求及び同各物件の引渡請求 イ 同義務の債務不履行を理由とする損害賠償請求 (2) 被控訴人による本件物件を使用等する行為が、控訴人らが本件物件について有する営業秘密についての不正競争防止法(不競法)2条1項7号の不正競争に該当することを理由とする次の各請求 ア 同法3条に基づく本件物件の使用等の差止請求及び同各物件の引渡請求 イ 同法4条に基づく損害賠償請求 (3) 被控訴人が控訴人らの意に反して本件物件を使用等したことを理由とする人格権等の侵害を理由とする次の各請求 ア 本件物件の使用等の差止請求及び同各物件の引渡請求 イ 不法行為に基づく損害賠償請求 2 原審は、控訴人らの主張する営業秘密が特定されていないから請求(訴訟物)は特定されておらず本件訴えが不適法であるとする被控訴人の本案前の申立てに対し、本件差止め等の対象は本件物件であり、控訴人らの請求(訴訟物)に関する限り不明確とまではいえないとして、これを採用せず、控訴人らの各請求につき、いずれも理由がないとして棄却したところ、これを不服とする控訴人らが本件控訴を提起した。なお、控訴人らは、損害賠償請求について、各自に対し2500万円(主張する損害額合計の2分の1の合計額)合計5000万円の支払を求める限度で不服を申し立てた。 他方、被控訴人は、訴えが不適法であるとする本案前の答弁を、当審において、上記1(2)アの請求(以下「不競法に基づく差止等請求」という。)に係る訴えに対するものに限定した。 |