事件番号 | 令和4(行ヒ)319 |
---|---|
事件名 | 懲戒処分等取消請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 令和6年6月27日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
原審裁判所 | 大阪高等裁判所 |
原審事件番号 | 令和3(行コ)129 |
原審裁判年月日 | 令和4年7月13日 |
事案の概要 | 本件は、普通地方公共団体である上告人の職員であった被上告人が、飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分(以下「本件懲戒免職処分」という。)を受けたことに伴い、退職手当管理機関である大津市長(以下「市長」という。)から、大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定(以下「本件規定」という。)により一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分(以下「本件全部支給制限処分」という。)を受けたため、上告人を相手に、上記各処分の取消しを求める事案である。 |
判示事項 | 飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例 |
裁判要旨 | 飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者が、大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定により一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分を受けた場合において、次の⑴~⑶など判示の事情の下においては、同処分が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断には、退職手当管理機関の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。 ⑴ 上記の者は、長時間にわたり相当量の飲酒をした直後、帰宅するために自動車を運転したものであり、運転を開始した直後に立体駐車場内で同自動車を駐車中の他の自動車に接触させる事故を起こしたにもかかわらず、何らの措置を講ずることもなく運転を続け、さらに、運転する自動車を道路の縁石に接触させる事故を起こしながら、そのまま同自動車を運転して帰宅した。 ⑵ 上記の者は、上記飲酒運転等の翌朝、臨場した警察官に対し、当初、上記立体駐車場内での事故の発生日時について虚偽の説明をしていた。 ⑶ 上記の者は、上記飲酒運転等の当時、上記地方公共団体の課長の職にあった。 (反対意見がある。) |
事件番号 | 令和4(行ヒ)319 |
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事件名 | 懲戒処分等取消請求事件 |
裁判所 | 最高裁判所第一小法廷 |
裁判年月日 | 令和6年6月27日 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
原審裁判所 | 大阪高等裁判所 |
原審事件番号 | 令和3(行コ)129 |
原審裁判年月日 | 令和4年7月13日 |
事案の概要 |
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本件は、普通地方公共団体である上告人の職員であった被上告人が、飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分(以下「本件懲戒免職処分」という。)を受けたことに伴い、退職手当管理機関である大津市長(以下「市長」という。)から、大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定(以下「本件規定」という。)により一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分(以下「本件全部支給制限処分」という。)を受けたため、上告人を相手に、上記各処分の取消しを求める事案である。 |
判示事項 |
飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例 |
裁判要旨 |
飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者が、大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定により一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分を受けた場合において、次の⑴~⑶など判示の事情の下においては、同処分が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断には、退職手当管理機関の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。 ⑴ 上記の者は、長時間にわたり相当量の飲酒をした直後、帰宅するために自動車を運転したものであり、運転を開始した直後に立体駐車場内で同自動車を駐車中の他の自動車に接触させる事故を起こしたにもかかわらず、何らの措置を講ずることもなく運転を続け、さらに、運転する自動車を道路の縁石に接触させる事故を起こしながら、そのまま同自動車を運転して帰宅した。 ⑵ 上記の者は、上記飲酒運転等の翌朝、臨場した警察官に対し、当初、上記立体駐車場内での事故の発生日時について虚偽の説明をしていた。 ⑶ 上記の者は、上記飲酒運転等の当時、上記地方公共団体の課長の職にあった。 (反対意見がある。) |