事件番号 | 令和6(行コ)24 |
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事件名 | 出席停止処分差止め請求控訴事件、同附帯控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第10民事部 |
裁判年月日 | 令和6年8月28日 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所 | 奈良地方裁判所 |
原審事件番号 | 令和4(行ウ)14 |
事案の概要 | 市議会は、市議会議員である被控訴人(附帯控訴人、以下「被控訴人」という。)の香芝市教育福祉委員会における発言が懲罰事由に当たるとして、被控訴人に対して陳謝の懲罰を科したが、被控訴人は、陳謝文の朗読を拒否した。市議会は、その朗読拒否を懲罰事由として新たに被控訴人に陳謝の懲罰を科したが、被控訴人が陳謝文の朗読を拒否し、市議会が更に被控訴人に陳謝の懲罰を科すということが繰り返された。市議会は、合計5回の陳謝の懲罰を被控訴人に科した後の令和4年12月5日、5回目の陳謝の懲罰に係る陳謝文の朗読拒否を懲罰事由として、被控訴人に対し、4日間の出席停止の懲罰の処分(以下「本件処分」という。)をした。 本件は、被控訴人が、本件処分が違法であると主張して、控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。)に対し、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、慰謝料及び弁護士費用合計330万円並びにこれに対する令和4年12月5日(本件処分の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 原審は、被控訴人の請求につき、控訴人に、33万円及びこれに対する令和4年12月5日から支払済みまで年3%の割合による金員の支払を命じる限度で認容し、その余の請求を棄却したところ、控訴人がこれを不服として控訴し、被控訴人は附帯控訴した。 |
判示事項の要旨 | 1 市議会が、市議会議員である被控訴人の教育福祉委員会における発言が懲罰事由に当たるとし、合計5回の陳謝の懲罰を被控訴人に科した後、5回目の陳謝の懲罰に係る陳謝文の朗読拒否を懲罰事由として、被控訴人に対し、4日間の出席停止の懲罰の処分(以下「本件処分」という。)をしたことは、裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用するものとして違法である。 2 出席停止処分の懲罰の性質や議員活動に対する制約の程度に照らし、同処分の適否は、常に司法審査の対象とされる以上、出席停止処分の違法性を判断するのに必要な限度で陳謝処分について司法審査が及ぶ。 3 本件処分の議案に賛成した議員らの行為は、職務上の法的義務に違反したものとして国家賠償法1条1項の適用上違法であり、過失がある。 4 本件処分により被控訴人が被った精神的苦痛に対する慰謝料は30万円と認める。 |
事件番号 | 令和6(行コ)24 |
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事件名 | 出席停止処分差止め請求控訴事件、同附帯控訴事件 |
裁判所 | 大阪高等裁判所 第10民事部 |
裁判年月日 | 令和6年8月28日 |
結果 | 棄却 |
原審裁判所 | 奈良地方裁判所 |
原審事件番号 | 令和4(行ウ)14 |
事案の概要 |
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市議会は、市議会議員である被控訴人(附帯控訴人、以下「被控訴人」という。)の香芝市教育福祉委員会における発言が懲罰事由に当たるとして、被控訴人に対して陳謝の懲罰を科したが、被控訴人は、陳謝文の朗読を拒否した。市議会は、その朗読拒否を懲罰事由として新たに被控訴人に陳謝の懲罰を科したが、被控訴人が陳謝文の朗読を拒否し、市議会が更に被控訴人に陳謝の懲罰を科すということが繰り返された。市議会は、合計5回の陳謝の懲罰を被控訴人に科した後の令和4年12月5日、5回目の陳謝の懲罰に係る陳謝文の朗読拒否を懲罰事由として、被控訴人に対し、4日間の出席停止の懲罰の処分(以下「本件処分」という。)をした。 本件は、被控訴人が、本件処分が違法であると主張して、控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。)に対し、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、慰謝料及び弁護士費用合計330万円並びにこれに対する令和4年12月5日(本件処分の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 原審は、被控訴人の請求につき、控訴人に、33万円及びこれに対する令和4年12月5日から支払済みまで年3%の割合による金員の支払を命じる限度で認容し、その余の請求を棄却したところ、控訴人がこれを不服として控訴し、被控訴人は附帯控訴した。 |
判示事項の要旨 |
1 市議会が、市議会議員である被控訴人の教育福祉委員会における発言が懲罰事由に当たるとし、合計5回の陳謝の懲罰を被控訴人に科した後、5回目の陳謝の懲罰に係る陳謝文の朗読拒否を懲罰事由として、被控訴人に対し、4日間の出席停止の懲罰の処分(以下「本件処分」という。)をしたことは、裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用するものとして違法である。 2 出席停止処分の懲罰の性質や議員活動に対する制約の程度に照らし、同処分の適否は、常に司法審査の対象とされる以上、出席停止処分の違法性を判断するのに必要な限度で陳謝処分について司法審査が及ぶ。 3 本件処分の議案に賛成した議員らの行為は、職務上の法的義務に違反したものとして国家賠償法1条1項の適用上違法であり、過失がある。 4 本件処分により被控訴人が被った精神的苦痛に対する慰謝料は30万円と認める。 |