事件番号令和6(わ)377
事件名殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、殺人未遂
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和6年12月13日
事案の概要第1 被告人は、令和6年1月21日午後0時1分頃から同日午後0時19分頃までの間に、北海道余市郡a町b町c丁目d番地e所在のアパートf号室のA方において、床に座って会話をしていたAが立ち上がろうと前かがみになった際、リュックに忍ばせていた包丁を取り出すと、殺意をもって、A(当時63歳)の首の後ろを狙って前記包丁(刃体の長さ約18.5センチメートル。令和6年領第840号符号1-1。)を振り下ろしたほか、Aの後頭部や肩の後ろ付近を同包丁で複数回突き刺すなどし、Aの後頸部に深さ約8.2センチメートルの刺切創や肩甲間部上方に深さ約14.5センチメートルの刺切創等、合計11か所の刺切創等を負わせ、よって、その頃、同所において、Aを頸部刺創による出血性ショックにより死亡させて殺害した。
第2 被告人は、業務その他正当な理由による場合でないのに、前記第1の日時場所において、前記第1の包丁1本を携帯した。
第3 被告人は、同日午後3時31分頃から同日午後4時45分頃までの間に、北海道岩見沢市g条h丁目i番地jのB方において、会話中に冷たい飲み物がほしいと申し向けてBを冷蔵庫に向かわせた際、リュックに忍ばせていた別の包丁を取り出すと、殺意をもって、背後からB(当時57歳)の腰付近を狙って前記包丁(刃体の長さ約18.5センチメートル。同年領第666号符号1。)を突き刺したほか、Bの首や右側頭部を同包丁で複数回突き刺すなどし、合計35か所の刺切創等を負わせたが、同包丁の刃が背中の骨に当たったため深さ約1.7センチメートルの刺創にとどまったり、同包丁の刃が椎骨に当たったため椎骨動脈の約9.1ミリメートル手前で刃が止まったりしたほか、Bに抵抗されるなどしたため、Bに全治約4週間を要する多数刺切創による出血性ショックの傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げなかった。
第4 被告人は、業務その他正当な理由による場合でないのに、前記第3の日時場所において、前記第3の包丁1本を携帯した。
判示事項の要旨被告人が、異母姉方において、異母姉の後頸部等を複数回包丁で刺して殺害した殺人と、同日中に義弟(妻の弟)方に移動して、義弟の腰や首、頭などを複数回包丁で刺して殺害しようとしたが、全治約4週間を要する多数刺切創による出血性ショックの傷害を負わせるにとどまった殺人未遂の事案につき、計画性が高く殺意が非常に強固な犯行であり、被告人の有する統合失調症の慢性期症状や自首の成立についても、本件で大きく酌むことはできないとして、被告人に懲役25年の判決を言い渡した事例。
事件番号令和6(わ)377
事件名殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、殺人未遂
裁判所札幌地方裁判所
裁判年月日令和6年12月13日
事案の概要
第1 被告人は、令和6年1月21日午後0時1分頃から同日午後0時19分頃までの間に、北海道余市郡a町b町c丁目d番地e所在のアパートf号室のA方において、床に座って会話をしていたAが立ち上がろうと前かがみになった際、リュックに忍ばせていた包丁を取り出すと、殺意をもって、A(当時63歳)の首の後ろを狙って前記包丁(刃体の長さ約18.5センチメートル。令和6年領第840号符号1-1。)を振り下ろしたほか、Aの後頭部や肩の後ろ付近を同包丁で複数回突き刺すなどし、Aの後頸部に深さ約8.2センチメートルの刺切創や肩甲間部上方に深さ約14.5センチメートルの刺切創等、合計11か所の刺切創等を負わせ、よって、その頃、同所において、Aを頸部刺創による出血性ショックにより死亡させて殺害した。
第2 被告人は、業務その他正当な理由による場合でないのに、前記第1の日時場所において、前記第1の包丁1本を携帯した。
第3 被告人は、同日午後3時31分頃から同日午後4時45分頃までの間に、北海道岩見沢市g条h丁目i番地jのB方において、会話中に冷たい飲み物がほしいと申し向けてBを冷蔵庫に向かわせた際、リュックに忍ばせていた別の包丁を取り出すと、殺意をもって、背後からB(当時57歳)の腰付近を狙って前記包丁(刃体の長さ約18.5センチメートル。同年領第666号符号1。)を突き刺したほか、Bの首や右側頭部を同包丁で複数回突き刺すなどし、合計35か所の刺切創等を負わせたが、同包丁の刃が背中の骨に当たったため深さ約1.7センチメートルの刺創にとどまったり、同包丁の刃が椎骨に当たったため椎骨動脈の約9.1ミリメートル手前で刃が止まったりしたほか、Bに抵抗されるなどしたため、Bに全治約4週間を要する多数刺切創による出血性ショックの傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げなかった。
第4 被告人は、業務その他正当な理由による場合でないのに、前記第3の日時場所において、前記第3の包丁1本を携帯した。
判示事項の要旨
被告人が、異母姉方において、異母姉の後頸部等を複数回包丁で刺して殺害した殺人と、同日中に義弟(妻の弟)方に移動して、義弟の腰や首、頭などを複数回包丁で刺して殺害しようとしたが、全治約4週間を要する多数刺切創による出血性ショックの傷害を負わせるにとどまった殺人未遂の事案につき、計画性が高く殺意が非常に強固な犯行であり、被告人の有する統合失調症の慢性期症状や自首の成立についても、本件で大きく酌むことはできないとして、被告人に懲役25年の判決を言い渡した事例。
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